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第1話: 異世界ブラック企業への転職!? 配信スタートまでの道のり

僕はごく普通の社会人だった。いや、少なくともそう思っていた。東京のどこにでもある中小企業で働き、定時に仕事が終わることは夢物語。定時退社なんて都市伝説だと半ば諦めながら、毎日深夜まで働き続ける日々。

「働いても働いても、何も変わらないなぁ……」そう呟くのが、日常になっていた。


しかし、ある日、僕の人生は180度変わった。


それはある夏の夜、終電を逃し、オフィスに寝袋を敷いて寝ようとしていた時のことだ。疲れ果てて眠りに落ちようとした瞬間、目の前に現れたのは眩しい光の塊。そして次の瞬間、僕は奇妙な声に呼びかけられていた。


「異世界転生、願いますか?」


突然の出来事に何も考えられないまま、僕は疲れきった頭で答えてしまった。「はい、はい、転生でお願いします……もう何でもいいですから……」


すると、光がさらに強くなり、意識が遠のいていく。そして気づいた時には、見知らぬ天井が僕を迎えていた。


「……ここは?」


僕はゆっくりと起き上がり、辺りを見回す。そこには見覚えのない部屋と、やたらと装飾の施されたデスク。さらに窓の外には、異世界を思わせるファンタジーのような街並みが広がっていた。


「まさか、本当に異世界に転生したのか?」


僕は急いで窓を開け、目の前に広がる景色を確認する。そこには、剣を腰に下げた兵士や、魔法を使って商品を売る露店商、飛び交うドラゴンが空を舞っている。


「す、すごい……これが異世界か!」


そんな興奮も束の間、ドアが突然開かれ、スーツを着た女性が入ってきた。彼女はきっちりとした笑顔を浮かべながら、淡々と告げる。


「おはようございます。今日からこちらの企業でお仕事をしていただくことになりました。さあ、まずはこの契約書にサインをお願いします。」


「えっ?」


僕は突然の出来事に戸惑いながらも、差し出された契約書を受け取った。そしてその内容をざっと確認した瞬間、背筋が凍りつく。


「勤務時間:朝6時から夜12時まで。休憩時間30分。休日:月1日。」


「……これ、ブラック企業じゃないか!」


異世界に来てまでブラック企業に潜入することになるとは思わなかった。だが、今さら逃げるわけにもいかない。僕は覚悟を決め、契約書にサインした。


配信スタートのきっかけ

数日後、僕は異世界のブラック企業での生活にどっぷりと浸かっていた。毎日深夜まで働き、朝は早くから出社。魔法もドラゴンもいる世界だというのに、仕事漬けの日々が続いていた。


そんなある日、ふと頭をよぎったのは、現実世界でのストレス発散方法だった。僕は現実世界で、たまに仕事の愚痴や、ストレスを動画配信で発散していたのだ。視聴者もそれを面白がってくれて、コメントで励まされたり、時には厳しいツッコミももらったりしながら、なんとか現実を乗り切っていた。


「……この異世界でも、配信できないかな?」


そう思った僕は、手元に転生時に持ち込んでいたスマホを取り出し、試しに配信アプリを開いてみた。驚いたことに、異世界でも通信が繋がるらしい。なんでも魔法の力で、他の世界と繋がることができるらしい。


「よし、やってみるか」


そうして僕は、この異世界ブラック企業での奮闘をリアルタイムで配信することに決めた。会社の合間に、こっそりとスマホを使い、仕事の愚痴や、異世界のブラック企業の過酷さを語る。そんな配信を始めた僕だが、まだ誰もコメントしてくれる様子はない。


「とりあえず、1話目はこんなもんか……」


僕はため息をつき、配信を終了した。明日もまた早朝から仕事だ。


エピローグ:新たな道の始まり

こうして、異世界ブラック企業での生活と並行して、配信という新たな挑戦が始まった。視聴者が少しずつ増え、彼らとのコミュニケーションが、僕にとって唯一の心の支えになっていく。


そして、この異世界でのブラック企業での体験を通して、僕は一つの決意を固めていく。それは……この世界の「ブラック」をぶっ壊してやることだ。


だが、それはまだ遠い未来の話。今はただ、目の前の仕事に追われ、少しでも視聴者と繋がることで、心のバランスを保っているのだった。


次回、少しずつ配信にコメントがつき始め、視聴者と交流しながら、ブラック企業での戦いが激化していく。果たして、僕はこの過酷な環境を生き抜くことができるのか?

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