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エロゲの悪役に転生?俺のダチ育成計画 ハーレムをぶっ壊します

作者: くま太郎

 うん、一人暮らしで良かった。久し振りの部屋の大掃除をしたら、とんでもない物が出てきたのだ。

 エロ全振りのタイトルに十八禁全開のパッケージ。そう、昔お世話になったエロゲーだ。

 主人公は普通の高校生。美少女姉妹が幼馴染みだったり、先輩がモデルで後輩がアイドルだったりするけど、自称普通の高校生。

 彼がヒロインと仲を深めていくと、あっちの関係も深まるというお約束の展開だ。

(昔は興奮出来たけど、この年になると凌辱物はきついな)

 演技だと分かっていても、泣き叫ぶ声は心を削ってくる。

 そう、このゲームには悪役が存在する。

 名前は九頭くとう勝輝かつき……読み方を変えればクズで勝手。創作とはいえ、酷い名前だと思う。

 勝輝は主人公と真逆の存在だ。爽やかイケメンな主人公に対し勝輝はブサメン。喧嘩が強く地頭の良い主人公に対し勝輝はまるでダメ男君。

 勝輝の唯一の長所は家が金持ちって事だ。その力を使いヒロイン達を好き勝手していく。主人公は勝輝の魔の手からヒロインを守り、ハーレムを築いていく……今思えば主人公も、結構な屑だと思う。

 まあ、ゲームはあくまでゲーム。今、大事なのは現実だ。

 このゲーム、どうしよう?

一、捨てる ご近所さんの目が怖い。俺だとバレたら白い目で見られるのは確実だ。独身の男ってだけで、肩身が狭いのに……第一案、却下。

二、売る 遠い店に売ればバレる事はないと思う。でも履歴は残る訳で……保留。

(良いアイディアが出るまで封印しておくか)

 エロゲを封印しようとした瞬間、胸に強烈な痛みが走った。

 段々遠のいていく意識……え?俺エロゲを掴んだまま死んじゃうの?


 嫌な夢を見た感じがする。エロゲ、しかも凌辱ありを掴んだまま死ぬなんて、酷い夢だ……。

(ここはどこだ?見た事ない部屋だけど……嘘だろ?)


「勝輝になっている?」

 そして徐々に戻って来る勝輝としての記憶。ラノベだとゲームの悪役に転生するのは、良くある展開だ。

 でも、勝輝は最後家族からも見捨てられ悲惨な最期を迎える。主人公の引き立て役になる人生なんて真っ平だ。

(絶対にそんなの嫌だ……待てよ、主人公とヒロインに関わらない。いや、真面目に生きれば勝ち組なんじゃないか?)

 見た目は不細工だけど、実家は金持ち。しかも、前世の知識がある。

 人に優しくし、真面目に生きる。これだけで勝ち組確定だ。


 転生して十五年。真面目に勉強した事もあり、成績は上の中。友達も多い……全員男だけどね。


「父さん、母さん、今までお世話になりました。俺は世間の厳しさを学ぶ為、一度家から離れさせてもらいます」

 俺は高校入学と同時に一人暮らしをする。ゲームでも勝輝は豪華なマンションに住んでいた。

 でも、俺が選んだのは安アパート。生活費は親が出してくれるけど、小遣いはバイトで稼ごうと思う。


「お前なら大丈夫だと思うが、辛くなったら何時でも帰って来て良いんだぞ。何ならメイドを向かわせても良いんだぞ」

 信じられないかもしれないが、家にはメイドがいる。そして、それが家を出る理由なのだ。

(まじでヒロイン一家がメイドをしていたんだよな)

 ヒロイン姉妹にヒロインの母親までもが、うちでメイドをしていたのだ。もちろん、俺は距離を置いて、彼女達と疎遠になる様努力した。


「それでは意味がありません。無事、お父様の跡を継げる人間となった時に戻ってまいります」

 高校もゲームに出てこない所を選んだ。これで安泰の筈だったんだけど……。


 入学したら主人公だけじゃなく、ヒロインも全員いました。ゲームでの学校名は聖愛欲高校。だから、簡単に避ける事が出来ると思ったんだけどね。

 そんな校名が実際にある訳がなく、市内の進学校に入ったら全員勢揃いだったのです。

 でも、良い事もあった。


「次は体育か。バイトもあるから疲れたくないんだよな」

 前世で大学生時代に経験あったので、コンビニバイトはお手の物。でも、余力は残しておきたいのです。


「また光が女子の声援独り占めするんだろうな。俺もモテたい」

 愚痴ったのは、金剛剛。柔道の推薦で入った奴で、言葉遣いは乱暴だけど、根は優しくて気持ちのいいやつだ。


「僕は運動が苦手だから体育自体が嫌だよ……モテたくないけど、郁美ちゃんと仲良くなりたいな」

 泣きそうな顔で愚痴るのは、馬路うまじ芽太めた。いわゆる秀才タイプで、お人好し。俺はこの二人と良くつるんでいる。

 そして二人にはある共通点があった。ヒロインの幼馴染みで。彼女達に片想いしているのだ。


「俺がアドバイスしてやろうか?俺がお前等を幸せにしてやんよ」

 自分の不幸を回避するだけじゃ、面白くない。主人公のハーレムをぶっ壊して、ダチを幸せにしてやろうじゃないか。


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[一言] 続きが気になるので、連載希望です
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