第9話〜連合パーティ結成〜
それから毎日の様に二人で依頼をこなしていった。
その結果――
「おめでとうございます。Dランクへの昇格が認められました。これから益々のご活躍を期待しています」
受け付けでランク昇進が告げられる。
よし!またランクが上がった!Dランクまできたら初心者脱却だな。
「ルークさん、Dランクおめでとうございます!」
アテナも祝ってくれる。
「ありがとう」
「わたしももっとがんばりますね!」
アテナももうそろそろDランクに上がるだろう。
「じゃあランクも上がったし、受けられる依頼も増えたからさっそくいってみようか」
「はい、でも私がいても大丈夫でしょうか?」
また足手まといになるんじゃないかって心配しているのだろうか?
「大丈夫だよ、逆に居てくれないと困る」
「じゃあ、わかりました!新たな境地にいきましょう!」
「ハハ、それは大袈裟だよ」
とはいえ、確かに魔物討伐にしてもこれまでとは難易度が違うだろう、気をつけないと。
いい依頼がないか掲示板でみる。
Dランクでいけるのは――リザードマン、リッチ、オーガ、ゴーレムの討伐に後は上位個体が確認されたゴブリンとオークの巣の殲滅か。
じゃあ、リザードマンあたりかな?
「よし、じゃあリザードマン討伐に行ってみようか」
「はい!」
リザードマンの討伐依頼を掲示板から剥がす。
EランクやFランクの依頼と比べ難易度も上がる分報酬も高い。
「君たち、このクエスト受けるの?」
受け付けに持って行こうとすると声をかけられる。
「はい、そのつもりですが」
声をかけたのは少し年上かにみえる剣士らしき男。
重戦士と思われる男と魔法使いと思われる女がそばにいて、どうやら三人のパーティみたいだ。
「そっか、実は僕たちもその依頼を狙っていたんだ。でも三人では心細くてね。どうかな?よかったら一緒にしないかい?」
「は、はぁ……」
どうやらパーティを組もうと誘ってくれたみたいだ。
どうしようか、俺一人で決めるのは駄目だよな。俺はアテナに目配せする。
「いいと思いますよ、最初だし安全にいくにこしたことはないかと」
「だね、じゃあよろしくお願いします」
「ありがとう、助かるよルーク君」
「え?なんで名前を?」
「いや、最近よく見かけるし頑張っているみたいだからね」
「そうですか」
少し不信に思ったが、なるほど、見てくれている人もいるんだな。
爽やかな見た目をしているし、悪い人な感じもしないから大丈夫だろう。
「僕の自己紹介がまだだったね。僕は『クルート』、剣士をやっている。ランクはCだ。そしてこの二人はパーティの――」
「『アレイ』、重戦士。Cランクだ」
「私は『ゾイ』よ。魔法使い、同じくCランクよ。よろしくね」
クルートさんの自己紹介に合わせて二人も挨拶をしてくれる。
みんなCランク、格上の人たちみたいだ。
「俺はルークです。一応剣士です。ランクは今日Dランクに昇格したばかりです」
「私はアテナです。魔法使いです。ランクは……まだEですが、ご迷惑かけないように頑張ります!」
「うん、じゃあみんな今日はよろしくね。頑張ろう!」
クルートさんがまとめてくれる。
年上でランクも上なのでここはついていこう。
初めての連合パーティ、久しぶりにアテナ以外とまともに行動するので緊張するけど頑張ろう。