第5話〜ゴブリンの巣穴と美少女〜
なんとか依頼を終わらせ、次の日にはインスタノブルへと帰還した。ギルドへ報告し報酬を受け取る。
報酬は安かったが、この剣でおもいっきりのプラスだ。
さて、となればまた新しい依頼を受けねば。
次は討伐系クエストがいい……とはいえ、Fランクが受けれる討伐は少ない。スライムにゴブリン、オークぐらいか。
よし、じゃあさっそく行ってみよう。
――ゴブリンの討伐依頼を受け、山にあるゴブリンの巣穴と化した洞窟に入る。
ゴブリンは巣を作り集団行動をする魔物。時に人里に現れ、盗みや殺しといった害をもたらす。
緑の小人と言われる程、個体としては小さく弱いが、群れると厄介な魔物だ。
「薄暗い、一人だとちょっと怖いな」
洞窟を進む。薄暗く明かりとなるのは持ってきたランプのみ。
静けさと少しの涼しさが逆に不気味だ。
「冷たっ!」
びっくりした。ふと頭に降った水滴にゾワっとする。
意気揚々と来たが、パーティを募るべきだったかと少し後悔する。
「ん?」
目の前にゴブリンが何体か倒れている。まさか先客がいるのか?
先に進むにつれゴブリンの遺体が増えていく。もしかしてもう全部倒されてるとか?その場合報酬とかどうなるんだろうか。
「こ、来ないでっ!!」
「な、なんだ!?」
いきなり女性の高い悲鳴が響いてきてびっくりした。なんだ、この先で何かあったのか?とりあえず身体強化して備えよう。
慎重に、それでいて速めに歩く。その最中にも女性の声が時折響いてくる。
「やめて!【ファイアボール】!【ファイアボール】!」
目の前が光る、あそこか。
走って向かう。
「大丈夫ですか!?」
たどり着いたのは部屋のようになった開けた場所。
「た、助けて!助けてください!」
ランプを出して確認する。
前にいるのは白いローブを着た魔法使いと思われる女の子と今にも襲い掛かりそうな棍棒を持つゴブリン。
そして倒れたゴブリンと女の子と一緒にいたと思われる人間三人。
だけど残念ながら女の子以外はもう息絶えてしまっているようだ。
嬲られたからか頭部が陥没していたり、臓物が出てしまっていたりと凄惨な状態だ。
襲っているそいつは普通のゴブリンよりもかなり大きく、二メートルはあるかという巨体。
この巣のボスと思われる上位個体――ゴブリンリーダーだ。
まさか上位個体がいるとは……これはDランク程の相手だぞ。
依頼にこんなの書いてなかったはず。
考えても仕方ない。
ランプを置き、急いで救援に駆ける。
「キャッ!――」
間一髪女の子に振り下ろされた棍棒を剣で防ぐ。
そのまま押し返し、剣を抜く。
禍々しい黒い光が剣に纏う。
それに一瞬ゴブリンリーダーが怯んだ。
「せいやッ!」
剣を敵に向けて振り下ろすと、前のような黒い光が放出される。
轟音と共に光が収まる。
「大丈夫?」
「は、はい、ありがとうございます!」
はじめてその女の子の顔を見た俺はその透き通った大きな潤った青い瞳に吸い込まれそうになった。
整った顔に白くサラッとした髪、誰が見ても可愛いと思うだろう。少なくとも俺はドキドキとしている。
「な、なに……?」
女の子の顔が心配そうに変わる。
我に返った俺に聞こえるドゴゴと言う音と振動。
俺は悟った――洞窟が崩れる。
まずい、やりすぎたんだ。抉れた洞窟の壁をみて原因がさっきの剣の波動であることを察する。
「掴まって!」
「え?――きゃ!」
女の子を抱え、出口に向かって置きは全速力で走った。




