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第14話〜魔剣フラガラッハ〜

 悪寒がし、咄嗟に後ろに跳び剣を構える。


 「ルークさん!?」


 「やだな〜街中で剣を構えるなんて危ないよ?」


 「なんでこの剣を?」


 この剣が魔剣だと知っている?この人、一体何者なんだ?


 「大丈夫、襲ったりしないから剣を下ろしなよ。さぁ、ショーのクライマックスだ!」


 イエナさんが振り返りステージに手を向ける。

 それを合図に頭上にあったナイフが一斉に射出される。

 その先にはリンゴが置かれた支柱が六台横になって並んでいる。


 そして、ナイフはそれぞれリンゴを射抜き、同時に小爆発音を鳴らして紙吹雪が観客の方へ舞っていく。

 それを見た観客は大歓声をあげ、拍手がこだました。


 「後で話しをしよう、ギルド横のカフェでまってておくれ」


 歓声の中そう言い残してステージに戻っていった。

 話し?なんの話しなんだろ?まさか何か裏があるのか?

 

 「ルークさん、どうしていきなり剣を向けたりしたんですか?」


 考えていると、少し怒り気味にアテナが寄ってくる。


 「あの人、この剣の事を知っていた」


 「え?イエナさんがですか?」


 「うん」


 「そんなに有名な剣なんですか?」


 「いや、それはわからないけど。少なくても俺は大手ギルドにいたけど魔剣なんてものは聞いた事ない」


 「そうですか……」


 アテナも不思議そうな表情をしている。

 知っている人は知っているのか?だとしても奪われる訳にはいかない。


 「それで――」


 「イエナさんとお茶!?凄い!行きましょう!」


 アテナに話しがあるから来てと言われた話をすると驚いた表情で食いつく。

 だから、裏があるかもという話しなんだけど――。


 ――「結局来てしまった」


 「イエナさんとお茶なんて光栄です!」


 結局アテナに押され、インスタギルドの横にあるカフェ『冒険者の憩い』に来てしまった。

 アテナは俺の不安を他所にウキウキといった感じだ。


 「やあ、待たせて悪いね」


 ほどなくしてイエナさんが現れる。

 彼女がみえるやいなや、アテナが立ち上がり興奮する。


 「イエナさん!うわ!本当にイエナさんだ!」


 「君もさっきのショーを見てくれていたね、ありがとう」


 「はい!すごく良かったです!私、前からファンなんです!」


 「そうか、それは嬉しいな」


 「それで、話しというのはなんですか?」


 盛り上がっているところ申し訳ないが本題に移らせてもらいたい。


 「ああ、悪いね。いきなりですまないが君のその剣、ダーインスレイヴでしょ?」

 

 着席して話すイエナさん。

 やっぱり知っているのか、どういうつもりだ?


 「どうして知っているんですか?」


 「まあ、調べているからね。それに、薄々気づいてたと思うが私のこのナイフも魔剣だし」


 そう言ってショーで使っていたナイフをテーブルに置く。

 あの時見たのと同様、薄く紫のオーラを帯びている。

 やっぱり魔剣だったんだ。


 「じゃああのナイフ芸は?」


 「すまないね、あれは本当にタネも仕掛けもないんだ。この魔剣『フラガラッハ』の能力で操っていただけ」


 「そうだったんですね」


 はえーと言いたげな少し間抜けな表情のアテナを他所に話をすすめる。


 「で、だ。君はその剣を扱えたりするのか?」


 「それは、まあ、使えます」


 少し迷ったが正直に答える。


 「そうか。それは良かった」


 良かった?何がだろう?

 いきなりイエナさんが立ち上がる。


 「急で申し訳ないが、君に依頼したい事がある」

 

 神妙な面持ちで切り出し、頭を下げる。

 依頼……俺に?

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