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第1話〜追放の落ちこぼれ魔法使い〜

 「『ルーク』、すまないが今日で首にさせてくれ」


 「……え?」


 青天の霹靂だった。急な話に頭が追いつかない。

 ギルド長室に呼ばれた俺の前に主要五人が並び、真ん中のギルド長『ヘンリー』さんが告げる。


 「明日からこの『ユグドラシルの聖剣』の一員じゃなくなるってことよ」


 理解できていないと思ったのか隣にいる『クララ』さんが長い金髪をかきあげながら補足する。


 「いや、でもいきなり――」


 「いきなりじゃねえだろ、ずっとずっと足引っ張っておいて。俺はずっとお前にイライラしていたんだ、この魔力だけの無能野郎!」


 俺の言葉を遮って『レオン』さんが捲し立てる。


 足手まとい、それは俺自身そう思っているので反論ができない。

 今このギルドでの俺の仕事は荷物持ちのみ、戦闘では逃げ回って身を守るしかできない――誰がどう見てもこの最高峰Sランクギルドの一員としてふさわしくはない。


 でも急に首になんて困る、こっちにも生活があるんだから。


 「もっと頑張って魔法を使えるようになります!だからもう少し待ってください!そしたらきっと役に立てます、ねぇ『エミル』さん」


 必死で訴えるもエミルさんは首を横に振る。


 「君には期待していたんだがね。僕の見る目がなかったのが悪かったんだ、申し訳ない」


 俺の魔力値に期待してこのギルドに誘ってくれたエミルさんも俺に失望の眼差しを向けている。

 誘ってくれた時の顔と対照的で、その目が辛い。


 「『エミリア』、お前も首に賛成なのか?」


 幼馴染で俺と一緒にギルドに入ったエミリアに目を向けるが、黙って気まずそうに目を合わせてくれはしない。

 なんでだよ、ずっと一緒にいたのに裏切るのかよ。


 「そんな……」


 「ビチビチうるせぇんだよ!わかったならさっさと出ていけ、この無能!」


 絶望し頭が空っぽになっているところ、容赦なくレオンさんに突き飛ばされる。

 尻餅をつき皆を見上げると情けなくなり、目の前がぼやけて自然に涙が流れてくる。


 「今まで、今までありがとうござい、ました」


 カタカタと震える足をどうにか動かし、俺はギルドを後にするしかなかった。

 

 そこからはどう帰ったのかは、もう覚えていない。気づいたら部屋のベッドで泣いていた。

 情けなくて泣いて、悔しくて泣いて、泣いて泣いて泣き疲れて、いつのまにかそのまま寝てしまっていた。


 気づいたら眩しい朝日が窓から入ってきている。

 カーテンを閉め忘れたのでその眩しさで目が覚めた。

 あれは夢だったのではないかと一瞬考えるも泣いて腫らした顔で現実だと実感する。


 これからどうしよう?他のギルドに――いや、入れてくれるギルドなんてないか。

 ソロで自分でもできる依頼(いらい)はあるかな?お金どのくらいあったっけ、この部屋も出ていかないといけないかな?


 ……はぁ、何もやる気がおきないな。

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