記憶
「じゃあそこで偶然、執事の人がね」
「ちょっとそこにいてなんかちょっと仕事色々してるの見かけて」
「お嬢さん何かご用ですか? 1階まで、降りていらっしゃいますけど」
『別に要はないんだけど』
『この記憶がないので確認しに、降りました』
「っていうの?」
『言う』
『だって記憶にない。私はないんですけど』
『この1階の出たところがどんなところなのか』
『確認に降りましたって』
『一度じゃない、二度までもお世話になっているから』
『それくらいなら、心の中を話す』
「じゃあそれを聞いたら」
「お嬢さま、記憶無くされたのですか?」
『ふふふ、記憶無くされた……』
「御冗談ですか?」
『そう執事が言ったとする』
『どうもそうらしいです』
『記憶にないんですが』
『気がついたら、ここにいたんです』
『だからちょっと今確認に降りて、色々と調べてるんですって』
『ちょっと記憶が定かではないんですって、はっきり言う』
『だって記憶定かではない。わからないんだわ』
『そこ知ってて入ってたのなら』
『回りがなんだか全然わからないけど、こんな良いところだったんだと思って喜ぶわ、そりゃ』
「そうなったら素直にわからないって答えたのだったら」
「今時間的にはもう夕方だから」
「この後、夕方にまたお食事をお持ちますので」
「そろそろ戻られたら、いかがですか?」
『戻ります、戻ります』
戻るんかい! ちょっと外を出てほしかった。




