何を選ぶか
『果物じゃあちょっと満足できない。うどんだお蕎麦でも何でもいいから』
「ちなみに、うどんというものはそもそもない」
『ない!?』
「おむすびは?」
『買えるむすびもない』
「米が高いから、普通だと雑煮くらいのレベルだと300円だけど」
「高級なね、おむすびだと1000円とかいっちゃうから高い」
『そうなの?』
「うん、高級品」
『フルーツは安いね?』
「もちろんフルーツはあるにはある」
『じゃ雑炊です』
「じゃあ雑炊の食堂みたいなところで」
『一番安いの、自分が払える金の範囲で』
「いまだとさっきの300円、最低300円で400円500円とかありますよってときに」
『もう私これだけしかないから。一番安いもん何か食べ物が』
彼女は引き返して別に店を探そうとはしない。食べられるなら即決だ。
我々が異世界にポツリと転生した時、お金を大胆に使う勇気はあるだろうか。
「じゃあ銅貨3枚300円でお腹いっぱいね、けっこう量あるので食べられますと」
『腹を満たさないと動けないから』
「それですごいとかめっちゃ堅実だね、すげぇ」
『普通そうでしょう』
「現実的な生き方してて、すごい関心しちゃった」
「先に食事を取るってもすごい、やっぱり」
『食べない事には倒れるから』
「確かに病気にもなっちゃうしね」
「そこでさっきの雑炊系は水もとれるから」
「じゃあ一応、食事が終わりました」
「そうしたら、どうしましょう?」
『私はどこへ行こうとしているんだろう』
所持金0で満腹になった祖母、我にかえる。