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若者よ、今、コロナ感染すると会社はクビになる?

作者: さきら天悟
掲載日:2020/03/30

「ねえ、あなた。

ハルキに注意してください。

昨日も帰りが遅かったのよ」

妻はしかめ面した夫に話しかけた。


「そだな。

大学も卒業して就職が決まってるから、気が緩んでるんだろう。

今日、帰ったら注意しておく」

夫は茶碗を置き、妻を見た。

かすかに首を傾げた。

「味噌汁・・・」


「お代わり?」

妻は手を差し出した。


いや、と言って夫は首を振った。


「今日も遅くなります?」

妻は微笑んだ。


「ああ、年度末だからな。

できるだけ早く帰ってくる」

夫は味噌汁を口にした。



その夜、夫は午後7時に帰宅し、

息子に言って聞かせた。

夜、飲みに行くことをやめるように。

でも、その忠告は遅かった・・・



その翌日だった。

無理して出社したが、

体調不良をうったえ帰宅した。

それが、最後の出社となってしまった。

そう、彼はコロナウイルスに感染したのだった。


感染源は彼の息子だった。

外出自粛を犯し、飲みに行き感染した。

夫は緊急入院し、家族は自宅待機となった。



夫は人工呼吸器により、一命を取りとめ、

2週間後に退院した。

家族の症状は軽く、その後PCR検査で陰性が確認された。

めでたしめでたし、

とはならなかった。


夫は会社を解雇されたのだった。

夫の濃厚接触者として、

社員は自宅待機を余儀なくされ、

会社は消毒されたのだった。


コロナウイルスにより経済活動が縮小している中、

さらに感染者を出したという噂が一気に広がり、

多くの取引を失うことになった。

会社は事業規模を縮小するため、

人員を整理するしかなかった。

当然まっさきに解雇の対象となったのは、

感染をもたらした夫だった。

外出自粛を破った息子が原因のため、

弁解の余地もなかった。

また、ネットで家族の情報がさらされた。

会社を解雇された他の社員が恨みに思い行った。

ネットでの誹謗中傷はすさまじかった。

そのせいで息子はうつになり、

入社できなくなってしまった。


彼らにとどめをさしたのは日本政府だった。

生活支援の対象からはずされた。

でも、当然の結果ともいえる。

外出自粛要請を無視したのが原因であるから。

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