クレソン・タネツケバナ
岡山県の山深い真庭市に在る、湯原温泉。
そこの無料の温泉の露天風呂の砂湯に来た。
西の横綱と評される素晴らしい温泉だ。
冬至のイベントとして、2019年12月22日は、元々 良質な温泉の中に、柚子を入れて、ゆず湯として無料開放される。
老若男女 誰でも無料で入れる温泉の露天風呂に、更に柚子まで入れるのだ。
凄いサービスだと思う。
前日の夜には、砂湯の周囲にキャンドルを灯すイベントのキャンドルファンタジーも行われた。
そんな素敵な温泉露天風呂に、私は2019年12月21日の夜から来たのだった。
キャンドルファンタジーも凄く綺麗だった。
2019年12月22日は、朝から露天風呂三昧だ。
その砂湯への道の途中、右手の湧き水がパイプから流れ出ている所に、写真映りの良さそうな感じで、クレソンかタネツケバナがはえていた。
多分 クレソンだろうが、タネツケバナかも知れない。
タネツケバナには、近種のオオタネツケバナと言うのも有る様で、この3つの見分けは難しい。
クレソンは外来種で、スーパーとかでも売っている高級野菜だ。
日本で商業目的で栽培される様になり、強い繁殖力を持つクレソンは、早々に栽培された所の周辺の河川で、繁殖する様になった。
場所に因っては、大繁殖して「クレソン畑か!?」とツッコミを入れたくなる程、びっしりと河川の中が、クレソンの緑の絨毯状になる。
もちろん、クレソンにツッコミを入れた事は無い。
タネツケバナとオオタネツケバナは、日本の在来種で、名前の通り、オオタネツケバナは、タネツケバナよりも大型である。どちらも生で食べるとピリリッと辛味のある味だが、山葵と較べたら微々たる辛味である。
どちらも同じ様に食べる事が出来る。
私のおすすめの食べ方は、お浸しだ。
大根やキャベツなどと同じアブラナ科なので、加熱すると辛味は消えて甘みが引き出される。
凄く美味しいお浸しとなる。
私の中では、お浸しにして一番 美味しい植物だ。
生食も十分に美味しい。クレソンのサラダはマヨネーズとの相性も良く、美味しく食べられる。
三種共に、水辺が大好きな植物で、意識して探すと、街中の用水路などでも、見掛ける。
私は、流石に街中の用水路にはえていた物は食べない。
きれいな水辺の物を採取する事をおすすめする。
この湯原温泉の砂湯の河原には、群生してはえている所が在るので、採取出来る時期に来た時は、いつも採らせて貰って食べている。
少し時期が早目だったが、今回もそのきれいな水辺で少し採らせて貰った。
さあ、美味しい山菜も採れたし、今日の本命の温泉に入ろう。
柚子を入れるのは、10時26分かららしいが、一時間前位には湯船に浸かり、準備完了。
「柚子よ!いつでも来い!」って感じだ。
ちなみに、10時26分は、1026の語呂合わせだそうだ。
柚子を入れる時間が近くなり、テレビ局などの取材の人達が集まりだした。
いつもの砂湯とは違う雰囲気なのが、残念だ。
やはり温泉は、リラックス出来るムードで入りたいが、湯原温泉が廃れてしまえば、この希少な無料の温泉露天風呂も閉鎖になってしまうだろうから、今回は最大限 協力したいなと思って、柚子の登場を楽しみに待った。
10時過ぎに湯原温泉の人達が、柚子を大量に持って現れた。
ゆず湯を目的にした人達も、どんどんと温泉に浸かる。
そして、ザルに盛ってある柚子を入れる。
それに合わせてテレビ局や新聞社などの取材の人達が、カメラで撮る。
湯に浸かっている人達は、次々に声を掛けられて、インタビューされる。
特に小さい子供達は、取材の人達に大人気だ。
「すいません!柚子を持って香りをかいで貰えますか!?」
「柚子を周囲に移動させて入ってて貰えますか!?」
人柄の良さそうな人が、取材の人達に捕まっていた。
「すいません!女将さんと会話している所を撮らせて下さい!」
完全に狙い撃ちだ。
そんな感じで、湯原温泉 砂湯のゆず湯のイベントは大盛り上がりだった。
「来年も行けたら良いな」
そんな楽しい一日だった。
さて、山菜は、春にしか採れないと思っている人も多いが、山菜や美味しい野草は、一年中 何かしら採れる。
採れる物が少ない時期も有るが、それでも何かは採れる。
こんな真冬の山中でも、美味しい山菜が採れるのだ。
クレソンやタネツケバナやオオタネツケバナは、見分けしやすい植物なので、「山菜採りや美味しい野草を採って食べてみたい!」と思われている方は、是非 入門向けの山菜としてチャレンジしてみて欲しい。
《紹介の山菜・美味しい野草》
・クレソン・タネツケバナ・オオタネツケバナ。
(クレソンの和名はオランダガラシナ)
採取の難易度
★☆☆☆☆
処理の手間
★☆☆☆☆
料理のし易さ
★★★★★
美味しさ
★★★★★
栄養価
★★★★☆