上へ参ります／シュウマツ医療

　重病患者ほど上階の部屋なので、院内では天国へのカウントダウンと揶揄されていた。

　だが、彼等は知らない。

　屋上では、本物の天使と死神が待っていることを。

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　土曜日の病棟のこと。

　転院して延命治療を続けるか、このまま最期を迎えるか、患者やその家族の意志を聞いて回った看護師が、医師に報告していた。

　そして、さいごに看護師は、医師へ別れの挨拶を告げた。

　日曜日の朝には、この病棟の真上に隕石が落下する予定になっている。