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とっても楽し(くな)い異世界サバイバル!  作者: 古楯むつき
第二章 _ 港町にて
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Coeden dirgel _ 一日何時間 _


 そうして二人は、いつかのように川を下る。どんぶらこっこと流れていきながら段々と明るくなる辺りを見回していれば、少しずつ景色が変わっていくのがわかる。

 これまでは日本で言うところの秋の頃、そんな気候や環境に近かったのだが、周囲は段々と春の麗らかな雰囲気や植物たちの様相に近付いていく。どうやら向かう先の環境も冬の厳しさとは程遠そうだ。



「そういえばさ、あそこ(筋肉村)にいた頃は忙しかったし、あんまり話したことなかったけど」


「あーー……いや、話自体は……してたと思う」


「そうじゃなくて空の話? あんまりしなかったから」



 恭行が言うには、ここの空は確かに暗くなったり明るくなったりを規則的に繰り返してはいるが、それは日が昇り、沈むわけではなかったとのこと。

 喉元に手をやり、吐き気と戦いながら典も同意した。気を紛らわせるためでもあるのだろう、会話をすることに意識や思考の大半を割くことにしたようだ。



「確かに、アレはずっと真上にあるな。前はそれで時間を読み間違えたし……あー、そういや1日が24時間でもねえっぽいし」


「なんか前にも言ってたな、あの人たちが言ってたんだっけ」


「いや、なんとなく体感で短くないか? あとは、どうにか数えようとは思ったんだが、流石に無理だった。少しもズレずに正確な秒数知るなんざストップウォッチなきゃ無理だ」


「ちょっと短い気もしてきた、言われてみれば……? けど日本にいた頃だって季節で変わってたし、あんまり気にならないな」



 そう話しながら、ほとんど二人同時に前方で木々がなくなり開けた場所へ出そうなことに気が付く。



「一応準備しとく? いつでも飛び降りられるように」


「頼みました先生!」



 恭行は溜息を吐いて周囲へと意識を向ける。開けた瞬間に何が起こるかもわからない、警戒するに越したことはないだろう。

 典のほうも、何かが起きたときに対応できるよう心の準備を進めておく。簡易的な筏にしがみついて、体勢をなるべく安定させながら同じように周辺を注意深く観察する。


 ぶわり。


 一際強く風が吹き抜けると同時、二人を載せた筏は草原へ出る。背後の森と同等か、それ以上に広い、広い広い草の絨毯が敷き詰められた場所。

 典はこの場所に見覚えがある。



「ッあ!!!! ここ最初に居たとこだな!?!? 多分!!!!!!」


「びっ、くりした……急に大声出さないでよ、驚いて手が出るとこだった」


「怖えこと言うなよごめんって!! いやさ、最初死んだあと目ェ覚ましたのここだったんだよ、この平原!!」


「前にもなんか言ってたねそういえば、ってことは俺がいた街? も近くにあるのかな」



 改めてきょろきょろと様々な方向を見てみるが、見渡す限りの壮大な平野と、何かの生き物が目に映るばかりで、人工物は見当たらない。

 ただし、ひとつ気が付くことがある。



「ねえ、周り見てほしいんだけど。見れる?」


「難しい事を言いますねセンセー!! 無理!!!!」


「じゃあ抑えてるから。見て」


「ギャーーーーーッッッッ!!!!?!?!!! やめろやめろ死ぬ!!! 落ちる!!!!!!!」


「落ちない、暴れたほうが危ないよ」


「ヒュッ………………オ、オーケーだ相棒、落ち着くから、離すなよ、離すなよぜったいに離すなよフリじゃねぇからな!!?!」



 はいはい、と適当な返事をする恭行を涙目で睨みつつ、典は深呼吸をして周辺を見渡す。

 何の変哲もない、異世界の平原。視界に捉えられるのは緑や黄色、水色など明るい色をした草花が覆う地面がある。それから、遠くの方に湖か海か、大きく広がる水面が見えてきて。



「うーみーはーひろいーなーおおーきー……ちょっと待て」



 恐怖を紛らわす気晴らしも兼ねて適当に歌っていた典だったが、それはすぐに止まってしまう。



「おい恭行、見せたかったのってアレか?」



 典が手を上げ、指を向けた先はとても大きな水溜りだ。青い空、そこを自由自在に飛ぶ鳥のような生き物。それが天から降り注ぐ光と共に反射して美しい。



「あの木なんの木気になる木ーーーー!!?!?!!?」


 

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