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異世界転生。最強の亡霊になった件  作者: 蒙古
第1章 亡霊覚醒編
4/7

3話 解析者《アナライザー》

 扉に手を触れようとしたら、案の定扉を素通りした。

 けれども横から見ると、扉を俺の手が貫通しているようには見えない。

 異空間に繋がっているってことか?

 まぁ女神なんて大層なものを封印しているんだ。何があっても不思議じゃないか。

 扉に触れても特に身体に異変はないし、今まで通り透過して入ればいいな。



「おじゃましま〜す」

「うむ、ちこうよるといいぞ」


 スッと扉に身体を潜り込ませるように入る。すると驚いた。

 どうやら中は穴ぐらのようだった。

 でも穴ぐらといっても、かなり快適そうな感じだ。誇りもなく、綺麗に掃除されている。それに穴の中にいると思えないくらい明るかった。

 その穴ぐらの奥に、台座みたいになっている場所があって、そこに女性が立っていた。

 腰まで届きそうな白銀の髪が、部屋の光をキラキラと照り返し輝いている。肌は透き通るように綺麗で、肌の薄さが側からみただけでよくわかる。

 身体は小さく、13〜15歳の人間の少女のような印象を受けるが、はち切れんばかりに主張してくる胸と、くりくりとした赤色に透き通った丸い大きな目のアンバランスさが、危なげな魅力を醸し出していた。

 本当に驚いた。女神に違わない、まぎれもない美少女がそこにいたのだから。

 俺のワガママ、ちゃんと届いてたんだなぁ。

 雪山にぼっちで放り出された時はそりゃないぜと思ったもんだが、全て帳消しになるほどの可愛さだ。

 ワガママ言っといて良かった〜〜!!


「ふふっ、あまりの美しさに声すらだせまい!

愛と欲望の女神と恐れられたこの、ツェッペル・ルゥ・マルカールというのが、私だ

まぁ長くて覚えづらい名前だからね。ルゥって呼んでくれたらいいよー」


 くっ! ヤツの言う通りなのが悔しい。

 にしても俺もウブだなぁ。美女前にして、ドキマギしてしまうとは…。

 実体のない霊体でよかった。生身の身体だったら恥ずかしがるところがバレてた。間違いない。

 覚えづらい名前だなと思ったが、それだったら覚えやすいな。


「それと…ないんでしょ? 前世の記憶」


 心が跳ね上がった。なんでわかったんだ?! 自分しか知らないことなのに。誰にも知らないハズのことが、この女神にはバレている。

 何故だ、自分以外に知るハズのない情報がバレているという矛盾。もしかして、スキル?

スキルで俺の心を読んだ・・・のか・・・?


「うん、大正解。詰めは甘いけどアタリだから良しかな。だから全てお見通しという訳よ」


 そして、彼女は手を伸ばしてきて、俺の実体のないハズの身体を掴んだ。


(おーい! 聞こえる?)


 びっくりした。目の前にいる彼女が全く口を動かしていないのに、声が聞こえてくる。

 どちらかというと、頭に直接声が響く感じだが。

 でもこれどう返事すればいいんだ? 向こうは心が読めるからただ何を言おうか考えればいいのか?


(聞こえてるでしょ!?)


 聞こえる聞こえる。大きな声で聞こえますとも。

 どういうメカニズムで音量調整できるのかわからないが、先ほどよりだいぶ大きな声で聞こえた。


(おーー適応してますねぇ。これは《思考共感》っていうの、お互いの意思エネルギーを、自分だけでなくて相互に循環させるスキル。言葉だけでなくて、頭で思い描いた図面も共有できるから、かなり便利!。他には応用として、解析タイプのスキル情報の共有も可能なんだよね。だからこういうこともできる。《解析者アナライザー》!!)

『了解、対象…ソウルイーター。要件…レベル、各種パラメータを解析します。その他に解析する条件はございますか?』


 うお!なんか知的そうなお姉さんの声が聞こえた。ソウルイーターってのが多分俺だろうな。名前が亡霊にぴったりすぎる。それに俺、実体ないし。

 この《解析者アナライザー》ってのスキルの1つなんだろうが、どういう効果なんだ? 調べるための能力なんだろうが。


『はい、《解析者アナライザー》は対象を設定し、自動的に解析する能力です。解析難度の上昇に伴いスピードは減少します。コストは、高度な思考領域を2ブロック占有することです。生物の場合はさらに、大量のカロリーを消費します』


(《解析者アナライザー》の使用条件は思考領域を2つ占有する。だからこれを使ってる間は思考領域のリソースを他に回せなくなるから、なかなかキツイんだよねぇ、頭つかれるし。じゃあ加えてスキルも全部、お願い!)


『了解、要件に保持しているノーマル、エクストラ、オーバー、レジェンド、ゴッド、ユニークの各種スキルを解析の対象に加えます』


(うむ。それでお願い! 《解析者アナライザー》は対象に触れて発動すると解析が早いんだ。それと、サポートタイプのスキルがどんなものか知って欲しくてさ。結構いいもんでしょ? 1人っきりになるとこういうスキルでも、いるといないとでは寂しさの紛れ具合がダンチだからね…)

『大昔に読んだ物語の続きを、暇つぶしに作成させらりたりしましたね。ハッピーとバッドエンドそれぞれ何千単位で』


 1万年も閉じ込められてニート生活だもんな。

 自分だったら精神崩壊するわ。


(ひど! 脳内1人漫才乙ってディスられてるよ私! こんなに優しい女神なのに・・・)


 そこまでは思ってないって! ホント!!

 気にしすぎ!!


(ん〜ホント? )

『パラメータの解析、完了しました』


 おーナイスタイミング、《解析者アナライザー

 結果はどうだ?


『解析結果 名前 無し

種族 ソウルイーター

LV1

HP なし

MP 4400/4400

SP 5500/5500

LP 1650/2000

攻撃力 70

防御力 70

魔法攻撃   70

魔法防御   70

速度 70』


完全にゲームのパラメータかなんかですね。

てかこれどうなんだこれ。









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