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第7話 神殿の主が嫌いです。でも、悪魔の巫女はかわいいです。それから、武器作る人登場です。

 説明回なお話。

 あと、武器のお話。

 それから、悪魔の巫女とのイチャイチャラブラブなお話。

 悪魔の神殿に戻ると悪魔の巫女が出迎えた。


「最初の悪魔の使者を倒しました。あなたは、ここの主に認められました。この階段の先に主がお待ちです」


「……わかった」


 私はそう言って階段を上った。階段を上ると王座に座る子どもがいた。女か男かわからない。ただ、なんか嫌だった。


「心に火を持つ者よ。お待ちしていました」


 声は子どもの声だった。さっきの子供の寄せ集めの塊を思い出しそうで気分が悪くなる。


「……」


「あなたは、可能性がある。多くの不死者は霧に覆われた村で悪魔の下僕になるばかりでしたが、あなたは89年ぶりに悪魔の使者を倒すことができました」



「悪魔の使者も不死者なのか」


「はい、不死者です。ですが、使者はあなたが心折れぬ限り蘇ることなく眠ります。もし、あなたが下僕になれば、再びあの苦しみの渦へと戻ります」


「……最低だな」


「あなたが何を言うと、あなたは決められた運命に従うしかない。悪魔の下僕、使者になるか、悪魔を殺す者になるかです。もし、あなたが悪魔の下僕や使者に哀れみを感じるなら悪魔の力を持つ王を殺しなさい」


「断る」


「ふふふふ、あなたにその拒否権はありません。何度死のうとあなたはこの神殿でよみがえる不死者です」


「……私はお前の願いを叶えたくない。だから、私はお前に従わない。ただ、私の願いを叶えるついで」


 私は神殿の主が本能的に嫌だった。よくわからない。


「とりあえず、あなたが悪魔の力を持つ王を殺すなら、なんだっていいですよ。ふふふふふ。ただ……昔話を聞いてください」


「……」


 私が何か有効な情報が消えると思って聞くことにした。そして、神殿の主は悪魔と人の物語を語った。


「かつて、悪魔の力を得ようとした王がいました。だから、悪魔と人の戦いが始まります。長い長い戦いで、王は悪魔の力を得ました。けれど、それに伴い人の行き過ぎた力は多くに災いをもたらします。悪魔にとって楽園でも、人にとっては地獄なのです。あなたが見た村は、悪魔の力によってなったものです。不死者は悪魔の力を得た者。悪魔の力は大きく、普通の人には耐えられない。力なきものは下僕となるです。逆に力があるものは、綻びかけた悪魔の力を封印し、世界を保つことができます。そして、その封印を成し遂げたのは89年前です。今は世界を蝕むものではありません。ですが、世界は不死者で溢れかえり悪夢となります。あんな、悪夢なんて見たくありませんよね、あははははは」


 神殿の主は笑った。それが私は気に食わないが、

「そうだな」

と言った。


「殺したいですか、殺したいですか、僕も私も不死者で殺せませんよ」


 私の返事に、神殿の主は無邪気に言う。私は何か必要な情報があるかもしれないので黙った。


「……」


「獣が飢えたら、あの女を喰らいなさい。悪魔ですから、死にませんよ。あはははは」


 私は神殿の主を見て思った。こんな奴になってはいけない。私は背を向けた。たぶん、必要な情報はないはずだ。


「あ、そうそう。あなたに役立つ人がいます。作業部屋を解放しました。そこに行は職人がいます。職人に言えばあなたの武器を作ってくれるでしょう」

 私は足を止めた。地味に役立つかもしれない話だ。


ちらりと後ろを見ると、さきほどの子供のような無邪気さはなく、どこか大人びた雰囲気があった。


 とりあえず、神殿の主は気に食わないが、作業部屋というところへ行くことにした。





 作業部屋では眼鏡を書けたひげの男がいた。


「新入りか。変な服を着ているな。魔法の服か」


「別の世界の服。故郷は日本」


 私がそういうと、ひげの男は

「そうか、別の世界か。イメージ的には別の次元か。なるほど、なるほど、お前さんおもしろい所からきたのぉ」


 あっさりと理解されてしまった。

「ふむふむ、なるほど、動きを阻害しなように腕と膝には皮の防具か。悪魔の力を手にすれば、強大な一撃を受けられるから、鎧てのはありだが……それができない場合はありだ。おめぇさん、よく考えてるな」


 私の服装から、戦うスタイルをこのひげの男は推察していた。


「自己紹介がまだだったな、ロイドだ。神殿の主からは職人て呼ばれているし、好きなように呼んでくれ」


「わかった」


「よしよし、それじゃあ、何か作ってほしいものとかあるかな」


「……書くものある?」


「ほれほれ、これがあるぞぉ」


 ロイドは、紙を取り出した。私はその紙に銃の絵を書いた。


「その書く道具について、気になるが……こいつは……銃か?」


「知っているの?」


 どうやら、この世界には銃があるらしい。


「あるけど、人気が無い。敵を倒すのには、HPを0にする必要がある。けど、銃てのはHPを削りきれないから不評なんだよ。レベルアップというのもあるしのぉ」


「……レベルアップしてない」


「あ、不死者はちとばかり特殊だから、レベルアップはできないのぉ」


「……どうやってするの?」


「焚火じゃよ。不死者は火と大きなかかわりがある。焚火に魂を捧げることでレベルを上げることができる。そして、焚火で基本的ステータスを除いて自由にステータスを調整できる」


「じゃあ、状況に合わせてステータスを変えられるの?」


「そういうことだな」


 RPGでステータスの振り分けは一度決めたら変えられないのだが、不死者は基礎ステータスを除いて自由に上げ下げをできるようだ。


「しかし、銃なんて音がでるし、利点を感じないぞ。まだ、矢やボウガンのほうがいい。音がならないし、毒矢も使えて便利だと思うのだがな」


「散弾銃だ」


「散弾銃?」


 私は絵を書いて、ロイドに見せた。


「ほぉ、小さい石ころが発射されて、広範囲に攻撃を当てる弾か。おもしろいのぉ。ふむ、これは鎧を着た敵や、防御力が高いステータスには大したダメージは期待できぬが……早い軽装の相手には非常に有効だ。多少なりと、鎧を着こんだ相手にも衝撃程度伝わって足止めになるかのぉ」


「犬とかに効く」


「なるほど、素早い獣対策か」


 私はさらに絵を書いた。


「なんじゃ、こりゃ。のこぎりか、槍か意味が分からん」


 私が書いたのは変形する武器だった。近接時は片手剣として使えるノコギリの刃で戦い、距離をとって戦う場合や槍に代わるようにした武器だ。


「なんで、変形させる必要なんてある」


「私が人間か確かめるため」


 それを言うと、ロイドは

「わかった、わかった。すまかった」

と真剣な表情で言う。


「おまえさん。主に認められる間に何度も死んだのだな。下僕にならないための武器か。今まで、こいう考えを持った奴はいなかったからな。そじゃな、不死者の錬成を持っているか」


「もっている」


 ロイドはすこし、にやついた顔をした。


「なら、銃弾も何とかなるな。いざとなれば、自分のHPを犠牲に作ることもできるぞ」


 ロイドは私に不死者の錬成について丁寧に説明してくれた。


 不死者の錬成は、不死者が扱うことができる錬成。材料や魂などがあれば、自分の想像したものを作れるらしい。ただし、それなりの練習が必要で、焚火で行う必要がある。焚火が無い場所で行うと、HPを犠牲にするらしく、銃弾の弾なら少ないHPを犠牲にすることで作れるが、武器や鎧だとHPが足りないらしい。


 また、安全装置のようなものがあるのか、不死者の錬成を使うことができないらしい。


 あと、ロイドは不死者の錬成の上位バージョン。不死錬成術という能力を持っていた。これは、一部の不死者が持っているものらしい。


 私の持つ能力を聞くと、普通の不死者と変わらない能力らしいが、細かく見るといろいろな不死者がいのことがロイドの話から聞けた。


 私は収納にある子どもの純粋の魂を思い出して、ロイドに

「子供の純粋の魂を使うと……すごい武器つくれるの?」

と尋ねた、


「ああ、作れるよ。使うか」


 ロイドは顎のひげをさすりながら言う。


 私は少し考えて、

「……いや、やめとく」

と断った。


「過ぎた力は持たないほうがお前さんの幸せにはいいだろう。それでだ、魂をわしに支払うなら材料をやる。今、魂いくつあるんだ?」


 ロイドに言われて、どうだなと思いながら、私はゴーグルをつけて魂を確認する。

「73242」


「かなり、ため込んだな。よし、1万をよこせ。やり方は手のひらに魂を集まれと祈れ」


 私はロイドに言われた通りに魂を集まれと祈った。すると、左手にエメラルドグリーンの粒子が集まる。


 ゴーグルには1万の魂と表示されていた。


「ここでは、通貨は役に立たない。代わりに魂がお金の代わりになる。お前の強さを上げるのにも役立つし、よく考えて使えよ」


「わかった……」


 私は10000の魂を渡した。


「よし、明日来るのじゃ。それから、悪魔の巫女を抱いてこい」


「……」


「おいおい、女みたいな顔だけど、男だろ。たまには女に甘えたっていいじゃねぇか。まぁ、俺は悪魔の巫女よりも鍛冶仕事のほうがたのしいから興味ないけどな」


「……私、女」


「……」


「…………」


「…………………すまなかった。いや、まぁ、甘えろ。今のお前には必要だ。焚火が無い場所では、悪魔の巫女がレベルアップしてくれる。それから、壊れた武器はわしが直してやるから、持ってこい」


「……わかった」


「それから、武器作るための材料だ」


 ロイドは素材の入った袋を私に手渡した。私はそれを受け取ると作業部屋を後にした。


 石碑がある場所に戻ると、膝を抱えて座る悪魔の巫女がいた。


「……」


 かわいかった。


「主より、話は聞いています。あなたが力を求めるなら、私はあなたに力を与えます」


 立ち上がって悪魔の巫女は綺麗で何度も聞きたくなるような不思議な話しかたで言う、


「どんな力?」


 私が問いかけると、悪魔の巫女はこういう。

「魂と引き換えに不死者に不思議な力を与えることができます。魔法でなく、この星に生きる悪魔が得る力を与えることができます」


「代償は?」


「ありません。あなたは力が欲しいですか」


「……必要かもしれない。どんな力があるの?」


「私に心に触れてください」


 そう言うと、悪魔の巫女は私の手を掴み、胸に手を置かせた。悪魔の巫女の手は暖かくて、心臓の鼓動を手で感じた。


「……」


 それと同時に、頭の中で力強く生きる獣を感じた。火だ。火が見える。それが何かわかる。


「火がほしい」


 私が言うと、悪魔の巫女は

「では、あなたの持つ魂をもらいます」

と言う。


 その瞬間、空だから何かを吸い取られるような感覚がした。不快な感覚ではなく、この状態をしばらく味わいたいと思った。


「どうぞ、わたしの火を受け取りください」


 私の手の中で温かさを感じた。左手を見ると小さな火があった。熱くない。


 悪魔の巫女は、火がともる左手に両手をかざした。


「私の火はあなたを害するものを燃やし尽くします。そして、あなたの願いの為にお使いください」


 私はそういわれて、左手を見た。悪魔の巫女の綺麗な白い手の隙間から火が溢れていた。


「熱くないの?」


「この火は特別な火です。あなたが望めば、私の手を焼くことができます」


「そんなことしない。この火は私が生きるために使うものだから」


 私はそう言って、火を見続けた。


「……」


 悪魔の巫女は、そんな私をじっと見ていた。


「どうしましたか」


 私が問いかけに

「ただ、無事に帰ってきてくださいと思いました」

と答えた。


「……うん、そうする。今日は寝るね」


 私はそう言って、上着を敷布団の代わりにして横になって寝た。



 主人公の獣は見事に悪魔の巫女になだめられました。

 次回は館での戦いです。

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