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第6話 獣は叫ぶ スライムが怖くないと思ったか、あれは嘘だ

 スライムさん登場

 村を抜けた場所は沼地だった。沼地ではスライムがいた。しかも、こいつらは槍で攻撃をしかけてきて、物理攻撃があまりきかない。一応、やりで突くとHPが減るが時間がかかる。


 動きは鈍いが、ぬかるむ沼地では脅威だった。


おまけに視界も悪いので奇襲を受けた。地獄だった。


1匹が私の足を掴んだ。私が引きはがそうとすると、別のスライムがやってくる。さらに、複数のスライムが槍で突き刺す。


「がぁあああああああ」


 私は叫んだ。そして、膝をついた。

 スライムが覆いかぶさる。


「ぁつあぁあ、あああぁぁぁぁ」


 逃げられずにじわじわと全身に焼ける痛みを感じる。顔

 まで迫ると口を覆われると息ができなかった。顔についた部分を取ろうとするが力が強くてはがせない。それどころか、手がじゅうじゅうと焼ける痛みを感じる。


 これが不死者でないのなら、溶かされてグロデクスな光景になるのかもしれない。どれだけの時間、じわじわと嬲り殺されたかわからない。


 ただ、辛い時間が長く感じた。そして、自分が灰になった時に、私は壮絶な苦しみと安心を覚える。


「……」


 神殿で目を覚ますと、悪魔の巫女が膝枕をいつものようにしてくれた。私はすぐに起き上がると、ふらふらと沼地へと戻る。


 もう、行きたくない。私は歩むことができなくなっていた。その日は、焚火で夜を明かした。


 幸い、焚火がある場所には悪魔の下僕は来ないので、安全地帯の1つとして活用できる。ちびちびと不死者の水を飲みながら村を見た。


「あんなのになりたくない。お菓子食べたい」


 私は涙を流しながら、立ち上がってスライムがいる沼地を探索した。スライムの体から飛び出る槍に突かれたり、張り付かれて酸であると思われるもので溶かされたりして、悪夢のような苦しみを何度も味わった。


 そんなある日、私はスライムの対抗策を考えた。ただ、戦闘を避けて逃げ惑うのでなく戦うことを選んだのだ。結果、火を使うことにした。


 きっかけは、村に何か役立つものはないのかと思って、もう1度村を探索したときだった。私はある悪魔の下僕を倒した。


 その時、布切れを落した。そこから、気の棒を使えばと思って、使えそうな棒を探しながら悪魔の下僕を倒しているときに松脂を落とした。


 私は布に松脂を縫って、槍にの穂先に巻き付け、焚火で火を付けた。赤く燃える火を抱えて、沼地に入りスライムに攻撃した。


 とても、効いた。


「あはははは」


 この時、私の中で獣が暴れた。今まで私を苦しめる存在が、炎で苦しむ姿を見て私楽しんでいた。

炎が弱点と分かったあとは探索が一気に楽になった。


 あと、何度もここを沼地を探索したのだ。どこにスライムが潜んでいるかもわかる。だから、一方的な虐殺だった。


 そして、たどり着いたのは霧に覆われた門だった。


 霧の中に飛び込むと、敵の名前が見えた。


「……」


 子供の寄せ集めた塊と書いてあった。ぶよぶよと動くなかに、子どもの苦悶の顔が見えた。


「いたいよぉおおおお」


「おあかああさああああんおかあさああああん」


 私には子どもの叫び声が聞こえた。私は動けなかった。だから、子どもの寄せ集めた塊が飛ばした槍に貫かれた。


「げはぁつ」


 口から血を吐いた。痛みで現実に弾きも出された。不死者の水を鞄の中から取り出して、飲んでHPを回復する。


 倒さなきゃ私が殺される。私は火の付いた棒で燃やした。動きは緩慢なので、飛んでくる槍に注意すればいい。


 ただ、燃やすたびに子どもの叫び声が聞こえる。私は子どもの寄せめの塊を倒すまで永遠と子供の叫び声を聞くことになった。


 HPが0になると、子どもの寄せ集めは灰となって消えた。


「ああああああああああああああああああ」


 私は叫んだ。獣の咆哮のように叫んだ。そして、子どもの純粋な魂というのをアイテムとして手に入れた。


―――

 子どもの純粋な魂


 大人たちが壊れました。子どもたちを一カ所に集めました。鍋に入れてどろどろに溶かしました。

 でも、子どもは純粋なので疑うことがありません。もう、大丈夫、みんな一緒ですから。

―――


 どこまでも、悪趣味だった。


 私は息を整えると何かないかと探した。すると焚火が見えた。焚火を付けて、先に進もうと思ったが道が見当たらない。私は悪魔を繋ぐ神殿へと戻った。





 主人公壊れかけ

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