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第4話 最初は弱いと言ったがあれは嘘だ。最初から灰になるがよい

 戦って、灰になれ。

 熱血戦闘なお話(作者的に)

 ヒロインがかわいいです。

 霧に覆われていた森は不気味な雰囲気があった。

 私が周囲を確認すると石碑と同じ輝きをした宝石が付いた剣が地面に突き刺さっていて、それを中心に炎が燃えていた。焚火と言えばいいのだろうか。薪は無いが燃えていた。


 後ろを振り返ると崖があった。橋があったと思われる場所も見えて、水音が聞こえる。


「今、行けるのは……」


 草木に覆われてない土の道だった。道幅は狭くはないが、薄暗い道は何かが出てきそうだった。


 私は右手に盾を構え、左手に槍を持って道を歩く。


「うっ」

 

 私は森を歩いて、痛みを感じた。何が起きたのかとみると左腕にピッチフォークという農具が突き刺さっていた。


 とっさに反撃を行おうと思ったが、私は2つの動く影を視界にとらえた。どちらも、ピッチフォークを持っている。私はまずいと思ったが、すでに遅かった。


 怯んだ私はひたすらピッチフォークに突き刺されて殺され、私の体は灰となって消えた。


 意識が戻ると、私は悪魔の巫女に膝枕をされていた。


「大丈夫ですか」


 悪魔の巫女の問いに私は

「痛かった」

と答えた。


 痛かった、突き刺されて苦しかった。


「不死者は死ぬことができません。そして、あなたを襲ったのも不死者です」


「……」


「多くの人が、ここを出るために戦いました。ですが、道半ばであきらめた不死者は悪魔の下僕となるのです」


「あの場所で見たのは、不死者……ですか」


「はい、あなたが殺しても……なんどでもよみがえります」


「……辛くないの?」


「辛いと思います。悪魔の下僕になったものは、魂を持つ者を襲い快楽を得ることができます。たった一時の安らぎを得るために襲うのです」


「どうやったら、終わらせられるの」


「悪魔の力を持つ王を倒してください…………それで、断ち切れると思います」


 悪魔の巫女は何か含みのあるような感じで言った。何か言えないこともあるのかもしれない。


「それと、もし……あなたの心が壊れそうなときは私の体をお使いください。私はあなたが何をしても受け入れます」


「ありがとう。でも、まだ大丈夫」


 私はそう言うと、起き上がって槍と盾を手に取った。私は不死者だけど人だから……。ただ、一時の快楽を得るために誰かを襲うような者にはなりたくない。


「行ってくる」


「気を付けて……」


 私は悪魔の巫女に背を向けて、再び霧に覆われた村へと向かった。私は奇襲を受けた場所の手前に来ると、周囲を確認した。


 すると、私を襲った悪魔の下僕がいた。はっきりとは見えないが、麦わら帽子をかぶっている影が見える。


 私は道から外れて、背後から悪魔の下僕を槍で突き刺した。ずぶりと嫌な感触がするが、こいつらは殺しても何度でも蘇る。


 ひどいことをしているのかもしれないが、この罪の苦しみを終わらせるためには、目の前の悪魔の下僕を倒して先に進むしかない。


「……まずは1体」


 突き刺した場所が良かったかわからないが、突き刺すと同時に悪魔の下僕の頭上に赤いメーターが表示され、これが一気になくなった。


 おそらく、敵のHPを示しているのだろう。私が初めて倒した悪魔の下僕は灰となって消え、右下の魂と書かれた場所の数値が0から100に増えた。


これが何をするかわからない。でも、敵はまだいるので後回しである。


 私は目視で敵を確認して、2体目の背後から奇襲。3体目は、気が付かれたが、単調な攻撃しかしてこないので戦いやすかった。


 敵の攻撃を盾でガードした後、槍で刺すだけだ。私が槍で刺すたびに3体目の頭上に表示される赤いメーターが徐々に減っていく。


 そして、HPが0と同時になると灰となって消えた。魂という部分には+200されて、300と書かれている。


 お金的な役割を果たすのだろうか、いずれにしろ重要なものなだとは感じる。この後、道なりに進むのだが、背後からピッチフォークを持った10体の悪魔の下僕が木々から降りてきて襲われた。私は慌てて走り出すが、目の前に立ちふさがる鎧を着た悪魔の下僕に剣で容赦なく殺された。


 多勢に無勢というのはこのことだった。それから、得た300の魂も失った。


 でも、私は死の痛みを恐れずに挑戦。10体の奇襲を受けた場所で木々の上を見た。


 敵がいる。しかも、1体だけ目が光っている。私はこいつらを倒す必要があった。そうでなければ、村の前に鎧を着た悪魔の下僕を倒すことができない。


 私は覚悟を決めて前へ進む。10体の悪魔の下僕が私を襲いにかかってくる。私は道から外れて各個撃破に努めた。


 その際、白く光る眼を倒すと通常よりも多くの魂が手に入った。もしかしたら、私から奪った魂を取り返したのかもしれない。


 しかし、そのあとはうまくいかなかった。やつらの攻撃は単純だが四方八方からのピッチフォークの突きはやっかいだった。


「……」


 私は前方を盾で守っても、左、右、背後からの攻撃は無力で倒される。結局、その日は10体の悪魔の下僕を倒すことができずに終わった。


 あと、魂は死ぬと失う。つぎに、悪魔の下僕から失った魂を回収することができる。次に、失った魂を回収せずに、死ぬと魂を失うことがわかった。


 私が過去にやったゲームに似ていると感じた。あと、時折、幻影を見ることがある。


 悪魔の巫女が言うには、理由はわからないが同じ場所で戦う人の姿を不死者は見ることができるらしい。これも、不死者の能力の1つらしい。うん、私の好きなゲームにそっくりだった。


 次の日、私は武器を片手斧に持ち替えていた。理由は、あの森の中で槍は使いにくかったというのが理由だ。私は今日こそと思って、10体の奇襲場所へ行き敵と対峙する。


 周囲を確認して、孤立した相手を自らの意思で倒しに行く。今まで敵の攻撃を見てから動く能動的な攻撃だったが、私は自ら攻撃へと出た。


 時折、多少のダメージを受けることがあるのだが、一定時間内に敵を攻撃することでHPを回復することができたのだ。これも悪魔の巫女に聞くと不死者の中には攻撃をすることで、心に持つ火を熱く燃やしHPを回復できるらしい。


 私はこれを利用して、多少の攻撃を受けながらも攻撃をした。

 痛みは感じるが、怯まない攻撃では一切支障をきたさない。さらに、服も破れたりしない。怯む攻撃にに注意しながら、私は獣のように戦った。


 HPが0にならなければ、戦い続けられる。私は相手の動きを止めるために盾を投げて、斧を振り下ろす。


 できたら、敵の道具も使いたいが灰になって消えてしまうので使うことができない。それと同時に、彼らが不死者だということが理解できる。


 私は最後の1体まで悪魔の下僕を倒した。そして、最後は慎重に、盾でしっかり攻撃を受けて、斧を振り下ろして倒した。


 血に体がそまる。けれど、それは灰になってすべて消えていった。


「やった……倒した」


 私は自分の実力が上がったと感じた。私は不死者の水を飲んで休憩し、村の入り口へと向かった。


 村の周囲は岩幅に囲まれていて、入り口は1つしか見当たらない。つまり、鎧を着た悪魔の下僕を倒すしか村には入れないようだ。

「……」

 私は槍に持ち替えて、挑んだ。私が槍で攻撃をすると盾でガードしてダメージが与えられない。


 それどころか、私の攻撃を見切って、盾で弾いた。


「ぐっ」


 無防備になった私は、胸を剣で突き刺された。


「かはっ」


 剣が抜かれると自分の胸が切り裂かれる痛みが襲う。それと同時に、私のHPが0になったのか体が灰になっていく。


 私は1つの難関をクリアしたが、次の難関が立ちふさがった。しかも、あの倒した10体は復活しているのである。


 配置や行動パターンは同じでも、何度も何度もあいつらと戦うことになるのだ。私はすぐに強くなりたいと思った。けれど、1週間たっても鎧を着た悪魔の下僕を倒すことができなかった。


「……」


 私は不死者の水を飲みながら、自分が使っていた武器を眺めていた。


「しっくりこない」


 私は戦いながら思ったのだ、ショートソードで戦っているとき、とっさに槍が使いたくる。メニューを開いて持ち替えることもできるのだが、相手に隙を見せることになる。


 特に鎧の兵と戦っている時に武器を変えるのは厳しい。だから、私は考えた。


「自分の武器を作ろう」


 私は槍とショートソードを分解した。つぎに、槍の束を半分に切り、ロングソードの刃の部分と組み合わせた。全体的な長さは140cmぐらい。刃の長さは70㎝ぐらいある。


 強度は期待できないが、特製の槍を作ることができた。


 私は鎧を着た悪魔の下僕の元へ向かった。道中の悪魔の下僕は敵でなかった。もはや、単純である。


 型稽古みたいなもので、作業だった。


「……」


 私は鎧を着た悪魔の下僕の前まで来た。私は盾を右手に構えて、自分が作った特製の槍を構える。刃に近い部分を持って、ショートソードのように私は振るう。


 相手が下がったら、盾を投げて、両手で持ち替えて槍の両量で突く。しかし、剣で受けなされる。


 すぐに後ろにステップし、私は右手を前に握り、右足をだして構える。腰を低くして、背を伸ばし、いつでも動ける構えをする。


「ふぅ」


 息を吐いて、息を吸う。私は槍の詳しい使い方は詳しくはしらない。ただ、私がやっていた古武道が古今東西の武器を使って体を鍛えましょうだから、何でも練習していた。少しだけ槍の使い方はわかる。


 けど、どれかを極めようとは思わなかった。なぜなら、あきやすい性格だからだ。それもあって、私はある程度武器を扱うことができた。ある程度であって、達人には勝てない。


 けれど、私はさまざまな手を使って達人に勝ちたいと思った。それが、私が作った特製の武器だ。


 強大な敵に知恵を使って勝ちたかった。特製の武器で一突き。相手はそれを想定したのか、盾で弾いた。でも、それはこちらも想定している。

 弾かれて体制をくずすなか、私は手首を捻って、刃と柄のつなぎ目の部分を捻った。すると、簡単に束と刃の部分にわかれる。これで、左手は柄、右手には刃を持った状態になる。


これにより、左手が自由に使えるようになる。


敵は私の心臓を狙って剣を突き刺そうとしていた。それを木製でできた柄でなんとか反らす。


「ぐっ……」


 剣は柄を切り裂きながら、私の左腕を切り裂いた。

敵は倒すつもりだったのだろう。全力の一撃でがら空きである。私は剣で盾を持つ手を攻撃した。


 そのあとは、敵を押し倒して相手の首を掴んで勢いよく、変な方向に捻った。


 ぐぎりという音が鳴り響いた。それと同時にHPが一気に減って敵が減って灰となる。


「はぁはぁはぁ」


 ぎりぎりの戦いだったが、私は鎧を着た悪魔の下僕を倒した。


 村の中に入ると火がついてない焚火があった。焚火には剣が刺さっていて、宝石がある。私が触れるとぼっという音を立て火が付く。


 チェックポイント的なものだろうか。私は左手をかざして戻りたいと祈ると神殿に戻っていた。


「おかえりなさい」


 悪魔の巫女が足をパタパタさせながら出迎えてくれた。なんか、かわいかった。私は不死者の水を飲みながら、ふらふらと歩きながら悪魔の巫女の肩を借りた。


「……もっと、甘えていいですよ」


 それが悪魔のささやきに聞こえた。でも、それはできない。すぐに肩を借りるのをやめて上着を敷布団がわりにして横になる。


「……そっとして」


 私は悪魔の巫女に死んだ目で言って目を閉じた。今は、休みたかった。


 そして、寝ている間もあの時の戦いが何度も夢に出てきた。


 たぶん、戦いを学習するためだろう。けど、ある意味悪夢だった。


 戦って、倒されての繰り返しだ。


「……」


 目覚めてと思った時、私の顔を両手でおさえる悪魔の巫女。私は膝枕をされていた。


「おはようございます」

 悪魔の巫女のあいさつ。私はそれに安らぎを覚えて、再び目を閉じるのであった。 



 ヒロインは戦いませんが、精神的にいろいろとサポートしてくれます。

 隠れ巨乳だと思う。

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