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昭和生まれの人の異世界物語。とありあえず、たくさんやられて灰になっても立ち上がれ  作者: 烏丸ちとせ
第1章 ぐっばい、お城。常識ばいばい
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外伝2 涙を拭いて歩き出せ

 次回予告で主人公復活を予定していましたが、その前にもう1つ外伝を投稿。

 ミレアの話


 異国の服を着た人がいた。黒い目、わずかに茶色が入った黒の髪。何もかも珍しい。それでいて、優しい人だった。私が、ゴブリンから逃げる時に、私は躓いた。その時、異国の人は、抱きかかえて助けてくれた。


 母様も、私が躓いて転んだら、こんな感じに助けてくれるのだろうか。


 異国の人はすごく疲れた目をしていた。怖くて声をかけづらかったが、ぐううという音を聞いてお腹が空いていることがわかった。


 私は、鞄の中から干し肉を取り出して、上げた。そしたら、異国の人は綺麗な色が出る不思議な道具をくれた。


 それから、綺麗な紙に綺麗な花の絵までくれた。それなりの物を触れた私でも、びっくりするほど上質な紙だ。


 私は上質な紙をまがらないように鞄の中に入れ、ボールペンは綺麗な布に包んだ。

 そのあと、声をかけることができなかったが、異国の人は見捨てればいいのに、ジャイアントベアーから私を救ってくれた。


 そのあと、雨をあまり通さない異国の服をかけてくれて凍えることなかった。まるで、母様に抱きしめられているようだった。


 そして、私は精霊たちの祝福に出会った。狩人の間で有名な伝承で、出会えた人は幸運を手にすると言われていた。


 あまりの綺麗な光景に私は感動した。それに対して、異国の人は寝てしまった。

 私を守ってくれたからだと思う。


 そのあと、私は異国の人の名前を知った。名はコウノトリ。


 すこし発音しにくいけど、見ず知らずの私を救ってくれたのだ。絶対に忘れてはいけない名前だ。


 コウノトリは、どこか不安そうにしていたが、精霊の祝福を見たのだからきっと大丈夫だと思った。だから、私は手ぶり身振りで大丈夫だよと伝えたけど、寝ていた。私が寝ている間、ずっと起きていたのだと思う。仕方がない。


 コウノトリとの対話は大変だけど、楽しかった。聞いたことない異国の言葉だけど、私はコウノトリと話したくて覚えようとした。

 無事にゲーレ村についたら、落ち着いてコウノトリの言葉を覚えたかった。

 けど、それは叶わなかった。精霊の祝福を見ても幸運じゃなかった。ジャイアントベアーに襲われた次の日は肥沃なる者に出会ってしまったのだ。


 コウノトリは私を逃がしてくれた。でも、1人で逃げたくなかった。


「……」


 死んじゃいやだと思って、コウノトリの戦いを見ていた。コウノトリは強い肥沃な者にたいして果敢に戦っていた。


 多くの冒険者が束になってやっと倒す相手なのに、恐れずに戦っていた。だから、自分にできることをしたいと思って走り出した。


 ゲーレ村に行って助けを呼ばなきゃいけない。私は走った。転んで手を擦りむいても涙が出ても走った。


 すると、明かりが見えた。盗賊の可能性もあるが、私は大きな声で叫んだ。魔法で、小さな火を付けたり、消したりした。冒険者が使う救難信号だ。


 明かりは徐々に近づいて、それが止まると私は安堵した。


「ミレア様」


 ゼクスが来たからだ。ゼクスは騎士の中でも強い。馬に降りて私に歩み寄るゼウスに私は縋り付いて、

「助けて、コウノトリが死んじゃう」

と言う。


「落ち着いてください」


 ゼウスは私の肩を掴んで言う。


「肥沃な者と戦っているの」


 私がそう言うと、ゼウスは真剣な顔つきになって

「ミレア様を助けた人だ。見捨てるわけもいかない。それに、肥沃な者を、ほっとくわけにもいかない。失礼ですが、案内をお願いできますでしょうか」

 私はゼクスの馬に乗って、コウノトリがいるところに向かった。


 そして、私は見た。まだ、コウノトリが戦っている。早く助けなきゃいけないと思った。

でも、そんな必要なんてなかった。コウノトリは肥沃な者を倒したのだ。


 私は、ゼクスの馬から降りると、コウノトリにかけよって

「死なないで」

と言った。


 左手をコウノトリは出した。私は掴もうとすると灰となって消える。


 見ず知らずの他人なのに、何で、助けたのだろうと思いながら私は涙を流した。


「――――――」


 異国の言葉で何かを言っている。その意味はわからないが、優しい目をしていた。


 そして、コウノトリは消えた。あの人の残す物は何もなかった。残ったのは、鞄の中に入っていた絵といろんな色がでる不思議なボールペンという道具だ。


「ミレア様……」


「行こう」


 私は両手で涙を拭いた。他人の助けてくれたコウノトリ。私はこの人を子どもに語り継ごうと思った。だから、ここで立ち止まっていけない。


 私は、泣きそうなのを耐えながら、歩き出した。


 今度こそ、主人公復活です。

 あと、か、感想を書いていただけると……更新が早くなるかもです。

 

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