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第10話 強欲だからこそ生きる意思がある。けれど、時には恐怖に写る

 ゆるふわほんわかファンタジーを目指しています。ただ、人によっては、残酷ジーパンふぁたじーなので、ご注意ください。

 腐れ館で、ヒルに覆われた悪魔の下僕の鬼ごっこに、最近はかなりなれていた。ステータスもレベル上げを行った。


名前:鸛 小夜

職業:狩人(不死者)

レベル11

HP:659

スタミナ:112

体力:14

持久:11+10

筋力:11

技術:10

心:7

不思議:7

能力:不死者の錬成、道具理解、無限収納、他者観覧不可




 今は、持久力を上げて逃げやすいように特価してある。スタミナが伸びたおかげでダッシュできる時間が上がっていた。これのおかげで、屋敷の探索がはかどるようになった。


 それから、槍鋸は使わなくなっていた。あの狭い屋敷で役に立たないからだ。むしろ、威力の高いハンマーが扱いやすかった。


 模型を作り始めて、10日目に来て屋敷の構造は理解できていた。さらに、ハンマーを改造して、トリガーを引いて血晶弾で爆発させ、振り下ろす速度を上げるころで、威力の底上あげをしていた。


 ただ、扱うのに筋力がやや足りなく、肩にのっけって振り下ろすことしかできない.

一撃で相手を倒す作戦であり、外したら危険なものだ。けど、あの狭い廊下では縦に振り下ろせばどうにかなる。


 それに一撃で倒さなければ、背後から私の心臓をあのヒルが喰い、灰にされるだけだ。私はこの、改造ハンマーを爆破ハンマーと呼び、主力武器として扱った。


 今日も腐れ屋敷でヒルに覆われた悪魔の下僕と鬼ごっこを繰り広げなら、まだ未探索の場所を調べ歩いた。


 時折、幻影が見えて隠し通路を見つけるきっかけにもなっている。もう、模型はほとんど行ける場所を埋め尽くしていた。


 しかし、あのヒルに覆われた悪魔の下僕倒す手段はわからない。私は一度神殿に戻ることを選んだ。


 模型を見て、行ってないところを探すためだ。私は丁寧に模型を調べながら考える。すると、小さな空間が家の真ん中にあった。


 人がやっと通れそうな場所だが、行ける場所はここぐらいしかない。狭いところで襲われたら、確実に灰になるが覚悟を決めて行くことにした。


 ルートは敵との交戦を避けられるように徹底的に隠密行動を選んだ。今までの努力もあったのか、敵の行動パターンも把握して、敵に見つかることなくたどり着く。


 私は小さな空間に繋がる場所が無いか探した。この空間に面する場所は多くて、8つある。上下に分かれているかだ。


 私は1つ1つ丁寧にしらべた。時々、かるく壁をとんとんと叩く。絵が飾られた場所も、徹底的に調べた。


 すると、果物の絵が描かれた裏側の壁だけ、叩いた感触と、音の違いを私は感じる。この裏に何かある。私は、ハンマーで叩いて壁を壊そうとこころみる。すると、壁には狭い通路があった。中は薄暗くて、先が見えない。


 私は明りを灯す道具が無かったので戻ることにした。今まで、屋敷は薄暗くて、完全に見えない場所というのは無かった。


 けれど、ここだけは違った。まるで、異質だ。私は神殿に戻るとロイドからランタンを作ってもらった。燃料は、血晶弾である。本当に、便利な弾だった。


 私は暗くて先の見えない空間へと戻ると、ランタンの明りを照らしながら先へと進んだ。

途中、向きを変えることができる空間にたどり着く。さらに、はしごがある。私ははしごを降りると……焚火があった。さらに、霧に覆われた通路がある。


 この奥に、敵がいる。私はランタンを腰に吊るして、左手に槍鋸を持ち、右手には散弾銃を持つ。


「……よし」


 私は霧を抜けると、視界の真下に赤いメーターが出る。さらに、貪る商人という文字が見えた。


 暗くてよく見えないが、赤い炎が見えて炒める音が聞こえた。それが何か見ると、人が大きなフライパンで傷められていた。鍋を振るのはヒルに覆われた下僕だ。


 しかも、それが複数いる。私はまずいと思ったが、襲ってくる気配がない。私がしばらく見ていると、ヒルに覆われた下僕は、炒めた人間をさらに置く。


 ざくり


 焼けた人をフォークで刺し、

 ぎりぎりぎり

 ナイフで切る様子が見える。そして、

ばりばりむしゃむしゃ

 人を貪る奴がいた。私はそれが、悪魔の使者であり、貪る商人であることが理解できた。貪る商人は、肥えた体で、ひたすら人を食べていた。あれは人の形をしたジャムパンなのかもしれない。


 そうだ、あれは炒めたジャムパンだ。そうだ、そうしなきゃいけない。


ばりばりぐちゃりぐちゃり


「……」


 ヒルに覆われた悪魔の下僕は次から次へとジャムパンを持ってきて炒めてていた。ジャムパンは動いている。そうだ、半生じゃないと灰になるからだ。


「大丈夫、やれる」


 私は手に武器を持って貪る商人へと歩み寄った。でかい、私よりも大きい。4メートルぐらいあるじゃないかと思った。


 しかも、私を食べ物だと思ったのか、ナイフで突き刺してきた。その攻撃は、見た目に反して早い。私が最初に戦った化け物との戦いを思い出す。


 しかも、回り込もうとするのにもヒルに覆われた下僕が邪魔している。今は、攻撃してきてないが、複数を相手にすることはできない。


 安全な場所からの攻撃はできないと思った。でも、銃で遠距離攻撃すればと私は思った。


「がはっ」


 手からヒルが出てきて、射程が伸びた。腹にフォークが刺さって抜けない。しかも、HPが残っている。

 食べられると思った。でも、私は黙ってやられるつもりはない。私は散弾銃を構えて奴の顔に打ち込んだ。


「ぎゃぐぐぐ」


 貪る商人が顔を抑えてもがいてフォークを手放した。


「うぐぐぐぐ」


 刃を喰いしばりながらフォークを抜いた。お腹に大きなはなく、服になんの損傷も見当たらない。けど、HPはごっそり減っている。


 悪魔の使者というが、もとは不死者だ。私と同じなら、目をつぶしても意味がない。なぜなら、HPがある限り、常に100%の状態で戦えるからだ。


 私は急いで不死者の水を飲んで、槍鋸はノコギリモードで奴の腹を切り裂いた。人でない存在を切り裂くために作った武器だ。


 奴の腹を切り裂くと血がぶしゅりと飛び出る。ゴーグルをつけているので、視界が完全にふさがれることはない。


 貪る商人のHPは私の攻撃によって、HPが減る。わりと、ごっそり削れたので、あと15回ぐらい攻撃すれば倒せるはずだ。


「!」


 顔の痛みが治まったのかフォークの攻撃。ステップで避けきれない。私は散弾銃を構えて、攻撃に対して、攻撃で返した。


 ほぼゼロ距離で撃ったこともあったのだろうか、敵の動きが止まる。


「やっあ」


 私は、銃を背中に収め、槍鋸を槍状態にして、いっきに突き刺した。


ずしゅりとやわらかいに肉に突き刺さる感触が感じる。


私は槍を抜いて、構える。傷口が塞がってない。私はそれを見て、右手を傷口に入れ込んだ。


「燃えろ」


 悪魔の巫女から貰った火を強く燃やした。


「――――――――――」


 貪る商人の声にならない悲鳴が鳴り響いた。

火を燃やす間、スタミナが消費されるのが見える。私はそのスタミナが切れそうになったので、火を燃やすを止めて、相手との距離を取った。


「……」


 かなり、相手に大きなダメージを与えた、私は倒せると思った。けれど、怒り狂った貪る商人は、空だから大量のヒルを出して、人の形をした巨人を作り上げる。


 その数は2体だが、攻撃範囲が広くて貪る商人に攻撃できない。しかも、貪る商人のHPが回復している。


 なぜだと、私が見ると何かを飲んでいる。私はそれが不死者の水であることを理解した。


「くっ」


 私は、ステップを扱いながら一気に貪る商人に近寄った。けれど、ヒルの塊の巨人が邪魔だ。


 攻撃をするたびに、魂を得られるが、すべてのヒルを倒すことができない。むしろ、1体が私の体に付けば、ダメージを受ける。


「ぐっ……」


 私は膝をついた。



「……」

 HPが0になっていた。私が顔を上げると、貪る商人が勝ち誇った笑みを浮かべていた。私は、貪る商人に敗北した。そのあと、何度か挑戦したけれど、集中力がないのかまともな攻撃をせずに灰になっていた。


 ただ、やつの攻撃パターンだけは覚えた……。




 目を開けると、頭に柔らかな感触を感じる。悪魔の巫女が私を膝枕してくれていた。


「……」


 悪魔の巫女は、笑みは浮かべていないが優しい目で私を見ているような気がした。私は、一体、何を求めているのだ。


「私は……人だ……」


 そう言いながら、体を起こして、不死者の水を飲む。槍鋸を変形させられることを確認して、自分が獣でなく、正常な人であることを確かめた。


 散弾銃の手入れもして、大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせる。


 私は武器の確認を終えると腐れ館へ行き、貪る商人と対峙した。今日こそはと思いながら、あと一歩のところで倒せない。


 そのたびに、貪る商人は私に勝ち誇る笑みを見せつけてくる。


「……」


 毎日、ジャムパンを貪るやつになんで、勝てないのだろうか。心に名かで何かがうごめく感じがした。


 そして、いつものようにあいつは、ジュースをおいしそうに飲んでいた。許せなかったな。なんで、あんなに苦しんでいるのに、あいつは幸せなんだろう。


「……今日こそ、狩る」


 いつもと同じように、貪る商人はHPを削ると2体のヒルの塊の巨人を呼び出す。でも、何度も何度も戦っているが動きがわかる。


 当たるか、当たらないぎりぎりのラインで回避する。何度も、何度も練習したんだ。だから、お前を狩る。


 私は、駆けた。私の右肩がヒルの塊の巨人に右肩を貫かれた。手に持つ武器で攻撃した。痛いけど、それに耐えなきゃ狩ることができない。


 攻撃して心の火を燃やしてHPを回復する。


 貪る商人まで、あと少しだ。私は2回、前にステップをして距離を詰め、後ろを振り返って散弾銃を撃つ。


 2体のヒルの塊の巨人の攻撃が来る頃合いだからだ。何度も、何度も灰にならない。


「灰になるのはお前だ」


 私は、手に持っている武器を捨てて走った。体が軽い。一気に押し倒して、何度も何度も殴った。


 ヒルの塊の巨人は、貪る商人を巻き込むのか、攻撃してこない。それとも、私が攻撃し続けていて、命令できないのかもしれない。


「はぁはぁはぁはぁ」


 貪る商人は、私に土下座をしていた。命乞いをしていた。私は頭を踏み付け、短銃を頭に突き付けた。


 どん


 赤いジャムが飛び出て、貪る商人は灰になった。それと同時に、ヒルも灰になり、ヒルに覆われた悪魔の下僕は力なく倒れて、動かなくなった。


 それから、明日へ向かう強欲な魂というものを手に入れた。



―――

 明日へ向かう強欲な魂


 商人はお金がほしかった。けれど、ある日、壊れて、たべることにしました。でも、食べても食べても、お腹がすいてしかたがありません。だから、もっと、もっと食べてものを。屋敷を改造して、食べ物をもとめました。


 そうだ、食べ物は自分に仕える人を食べればいい。だって、何度もよみがえるからだ。代わりのものは用意できる。さぁ、今日も何を食べよう

―――





「……やった」


 私はふらふらしながら、武器を回収。ランタンで照らしながら周囲を調べた。


「まだ、道がある」


 木の扉が見えた。門と言ってもいいサイズの大きな扉だ。私はそれを開けると光が見えた。光を抜けた先は谷になっていた。緑の森が生い茂っている。遠くには、小さな2階建ての家が見える。それから、それに続く綺麗な橋があった。


 私はふらふらと歩きながら、その家に行った。


 家には小さな庭があった。静かに暮らすにはちょうどいい場所に感じた。私は武器を持ちながら家の中に入った。


「おかえりなさい」


  綺麗な女性が私を出迎えた。


「おかえり、疲れただろう」


 さらに、家の奥から、金色の髪の男も出迎えてくれた。


「……」


 綺麗な女性は、私を襲えることなく、綺麗な布で私の顔を拭いてくれた。


「大変だったでしょう。あなた、お風呂をお願いできるかしら」


「ああ、かまわないよ。エリザベード」


「ありがとう。さぁ、疲れたでしょう。今日はおいしいご飯を作ってあげるからね」


 そう言いながら、エリザベートは私の血まみれの上着を脱がして、壁のフックにかけた。


 意味がわからない。私は幻覚を見ているじゃないかと思いと思った。


「どうしたの、久しぶりにお母さんに甘えていいですよ」


 そう言って、私を抱きしめた。温かい。私は抵抗できなかった。今までの地獄が嘘だったような気がした。


 もし、この人たちに殺されても灰になって戻るだけだ。私はそう思って、エリザベートの行為に甘えた。


 お風呂には、エリザベートもついてきて、私の体を洗ってくれた。


「ありがとう、お母さん」


 私は、自分の母でもないエリザベートにお礼を言った。


「いいのよ。うれしいわ、あなたが無事に帰ってきて」


「……うん、お母さん」


 オリーブで作ったのだろうか、オリーブの匂いがする石鹸で私の体と髪の毛を洗ってくれた。


 青いワンピースを着させられた。


「とても、似合っている。とても、綺麗に育ってうれしいわ」


「……」


 けして、豪華でないが蒼サファイヤが付いた首飾りを私にかけてくれた。


「夫に貰った物だけど、あなたに似合っているわ。私には似合わないから、あなたにあげるわ」


「……ダメ。これは、お母さんがつけるもの」


 私はそう言って、首飾りを外してエリザベートに付けた。


「……もう、これを付ける年ではないわ」


「関係ない。とても、綺麗。だから。見せてあげたほうがいい……」


「……うふふふ、ありがとう。ごちそうを用意するけれど、少しお休みなさい。とても、とても疲れたでしょう」


「……うん」


 私は頷いた。エリザベートは私の手を引いて、ベッドに招いた。もう、いい年した女のなのに、エリザベードは子どもをあやすように一緒に寝てくれた。


 抵抗しなきゃいけないと思ったのに、私は抵抗することができなかった。

ただ、質量のない砂糖菓子のような幸せを味わっていた。


 次回、ゆるふわ休憩話。けして、ホラーでない。


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