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魔王城からは逃げられない  作者: 野良灰
5章 生まれもった性質からは逃げられない
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鍛え方が足りない……のか?

「殺されたのは……サテュロスの管理人か……」


 俺は自分の執務室で、ヒナから上がってきた報告を受けていた。

 サテュロスは上半身が人型、下半身が山羊の半人半獣の者達だ。

 

「昨日、今日と報告の上がってきていない管理人を順に調べたところ、住居で死体となっているのを発見したとの事です」


 全身刺し傷と切り傷だらけだったのと、住居の床一面に血が流れ出ていたという点から間違いないだろうな。


「手厚く葬ってやってくれ。それと同族の者達から何か情報はとれたか?」


「数日前に、見知らぬ女と自宅に入っていくのを見たのが最後だったとの証言がありました」


 女……それがヘアリーズだったんだろうな……。

 そして管理する区画の罠や仕掛けについての情報を得たのだろう。

 その時にあの女の毒で動けなくされて放置。だが後で運悪くスカルクローの奴が来て殺されたか。


「犯人は死んだが、殺された事実を各管理人に知らせておいてくれ。効果があるかわからんが、各人に注意を促しておく意味でな」


 犠牲者を増やしたくはないが、何に警戒すれば良いのかわからない現状でこれぐらいしかできん。


「直接手を下した者は死にましたが、深く関わっているであろうマンティコアの女とゴーレムの特徴も伝えておきますね」



「そうだな。今特徴を纏めて書くから、それを併せて連絡しておいてくれ」


 手近な紙に俺が見た特徴を書きとめる。この二人以外にも仲間がいるかもしれないので、怪しいと思ったらすぐ報告するように、と付け加えた。

 俺のメモを受け取ったヒナは、各管理人に連絡するため足早に執務室から出て行く。

 

 一人になった俺は、この二日間の出来事について思い出していた。

 一日目は俺が毒で、二日目はスタンが先行して、両日共本当に危なかったな。

 特にスタンは助かってよかった……。


 だが、今後どうするべきか? 視察に絡めて外への道筋を見つけるのは大前提だ。

 この魔王城の中で俺の事を狙ってる奴等がいるのは間違いない。

 しかし相手の情報が無さ過ぎて、待ち構えるしかないのがもどかしい。

 昔は良かったな……、単純な力と力のぶつかり合いで、見えている相手を倒すだけで良かったものなぁ。

 椅子に深くもたれて天井を仰ぐ。


「どうにかして、こっちから攻撃して潰せないかなぁ」


 明らかに無理な事を言ってるとわかっているが、ついつい口からこぼれる。

 思考が妄想寄りに変わっていったので、今は考える事を止めた。 

 一先ずスタンの怪我についての報告しに、セルドとサルビアの所へ行くか。

 待つしかできない戦いを思うと足取りは重いが、執務室を出て俺はオーガの村へ向かう事にした。




 孫に重傷を負わせる事になってしまい、謝りにきた俺を迎えたのは意外とあっさりとした二人の祖父母だった。

 

「シアから聞きました。あれくらい私達の頃に比べれば、かすり傷みたいなものですから……魔王様はお気になさらず」


 気を失うぐらいの重傷を、かすり傷だと言い切るサルビアに、黙って頷くセルド。

 確かに昔は大怪我負ってても戦いに巻き込まれるような窮地もあったけど……それでいいのか?


「意識が戻って動けるようになったら、久々にみっちりと特訓じゃな」


 セルドも傷ついた孫相手に厳しい。

 鍛え方が足りないからだ、とサルビアも再特訓に賛成する。

 シアはスタンの所へ荷物を持っていって不在のようだが、戻ってきたらかなり厳しい特訓を先に受ける事になりそうだ。

 俺も事務仕事をしなければならないし、同行はスタンが動けるようになって、この二人からの特訓が落ち着いてからだな。

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