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高校デビュー?

 初登校から今日で3日目。

 この二日間は自宅→教室→図書館→自宅の繰り返しだった。

 特に他の施設に興味がないので当然といえば当然なのだが、三日目にして若干クラスメイトとの温度差を感じる。

 周りは校内を探索してみたり、交友関係を拡げたりと色々しているみたいだが私は全くと言っていいほど興味がない。

 今興味があるのは料理(紫苑さん)だけ!

 そんな私を少し心配そうに千鶴が声をかけてきた。

「元気か、時?」

「いつも通りだよ」

 相変わらず眩しい笑顔だな。

 まあ笑顔の中に私の事を心配しているのが見え見えだけどな。

「実はさ、クラスの子達と学校終わったらカラオケ行くんだけど一緒にどう?」

「悪いけど今日も図書館」

 返事は大体決まっているけど、毎回誘ってくれる。

「そっか」

「そんな顔すんなよ!その内ちゃんと付き合うからさ」

 彼女には気兼ねなく断ることができる。

 それが出来るだけの信頼関係が築けていると思っているし、そんな友達がいることが私にとって一つの自慢だったりする。

 絶対本人には言わないけどね。

「楽しんできなよ!私の事は気にしなくていいからさ!」

 しっかりと笑顔を返す。

 そうしないと彼女は余計な心配をしちゃうから。

「そう?ならまた今度ね!」

「うん!」

 お互い軽く手を挙げ彼女は自分の席へ。

「さすがに次は一緒に行くかな」


 ちなみに今日学校でやることは、部活の説明会と委員会を決めることである。

 先に体育館で部活の説明会。

 なので一年生全クラスが体育館に集合する。


「広っ!」

 これが体育館に入った後の第一声。

 今までお世話になってきた小中学校の体育館が当たり前だった私には、この学校の体育館は凄まじく広かった。

 どれぐらいと聞かれると困るのだが、今までの数倍といったところだろうか?

 驚くのは広さだけでなく、エアコンや床暖房も付いているみたいで体育館の中はとても快適で過しやすい。

 さすが私立、学費が高いだけはあるな。

 前の方で千鶴も同じ反応をしている。

 通じ合ってるな、私ら。

 部活の説明は滞りなく進んだ。

 スポーツ系はポピュラーなサッカー部や野球部、バドミントン部やバレー部から、珍しいホッケー部やカポエイラ部などもあるらしい。

 文科系は家庭科部や漫画研究部など普通?な部活がほとんどなのだが、一つ一つの部活の規模が凄まじく、これはスポーツ系にも言える事だが、施設は他の学校の追従を許さぬ最先端の設備で顧問の先生には有名な人などを連れてきての英才教育。

 私に言わせれば「こんなの部活じゃねー!」と叫びたい気分だ。

 どこのプロ養成機関なんだここは。

 一通り部活の説明を受けた私達は、次なるミッションこと委員会を決めるため教室に戻る。

 興味ゼロのせいもあり説明会はやけに疲れた。


 教室に戻り自分の席に着く。

 まだこの席とも出会って三日しか経ってないのに妙に落ち着く。

 ていうか体育館とか初めての場所に行くのが凄く疲れる。

 あー早く図書館行きたい!!

 若干陰鬱な気持ちでいると律子先生が入ってきた。

「では皆さん揃っていますね?それではこれから委員を決めます」

 委員決めはまず律子先生が仕切るらしい。

 そしてもちろん最初に決めるのはクラス委員。

 多分一番めんどくさい委員だろう、絶対やりたくない!

「誰か立候補はいませんか?いないなら推薦でも構いませんよ?」

 基本周りはほぼ初対面だろうから推薦はないだろ。

 嫌な波風立てたくないだろうし。

 それに多分皆、心では同じ事を思っている。

『絶対やりたくない!!』

 私も同じ考えなのだが、そう思っていた矢先一人の女生徒が手を上げた。

「私がやります!」

 えっ!?

 手を上げたのは驚くことに千鶴だった。

「あら高坂さんやってくれるの?」

「はい!」

「他に誰か立候補する人はいませんか?」

 先生はクラスを見回すがもちろん手など上がらない。

「いないみたいなのでクラス委員は高坂さんにお願いします、皆さん拍手!」

 パチパチパチパチパチパチパチパチ。

 クラスの中に拍手の音が響き渡る。

 あの千鶴がクラス委員なんてめんどくさい事を率先して引き受けるなんて驚きだ!

 しかも私の視線に気づいたのかこっち向いてウインクしてるし。

 もしかしてこれが高校デビュー!?

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