改めて決心!
まず一歩を踏み出すということで、私的にこの話は大事な繋ぎの部分だと思っています。
「ただいま」
誰の返事もないことが分かっていても一応習慣なのですることにしている。
家の両親は共働きで結構忙しく、帰ってこないことも珍しくないし、海外などへの出張も度々あるので基本一人暮らしと変わらないような生活をしている。
だからこの時間に帰ってくると大体一人。
まあもう慣れたけどさ。
真っ直ぐ自分の部屋に行き、着ていた制服を脱ぎ部屋着に着替え夕飯の準備…といっても母の作り置きをチンするだけだったり、出来合いを買ってくるだけの夕飯なんだけどね。
テレビを点けながら夕飯を済ませ自分の部屋に戻る。
お風呂は後に回そう、今は早くあの本が読みたいから。
鞄から借りてきた本を取り出しさっそく開いてみる。
するとまず最初のページに、これから料理を始める方への心構えが書いてあった。
~これから料理を始める方へ~
まず言っておきたい大事な事があります。
それはこの本を読んだからと言って、いきなり料理が出来るようになるというものではありません。
この本には料理を始める上で基礎となる事が書かれています。
それを土台にあなたが実際に作ることで、料理とは少しずつ上達していくものです。
なのでこの本を読むときは、気楽な気持ちで読むことをオススメします。
そしてここに書かれている知識があなたのお役に立ち、料理を好きになってくれる事を願っております。
~著者より~
当たり前の事が書かれているのだが、私にとっては結構大事だったりする。
私は若干この手の教本を読んだだけでやった気になる節があり、”実際に作る”という作業をせず満足してしまうことが多々あった。
でも料理はやらなきゃ上手くならない。
それを親切に書いてあるこの本を選んで良かったと、前書きを読んで改めて実感した。
「頑張りますよ、今回は」
そう小さく呟いて次のページへと紙をめくる。
~数時間後~
「ふーん、なるほどね」
前半の基礎中の基礎部分の読破にやっと成功した。
あまりに知らない知識がたくさんあるもので、時間も気にせず読み入ってしまっていた。
「げっ、もうこんな時間か…」
気がつけば10時を回っていた。
若干の睡魔に襲われつつ悩む、お風呂どうしよう?
悩みながらもどんどん睡魔に侵食されていく私。
「明日の朝にシャワー浴びればいいか」
結局睡魔には勝てず、読んでいた本を閉じ私はベッドへドスン。
ふかふかのベッドが私を包み、すぐさま夢の世界へ誘うのであった。