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異世界で考古学者になった俺、古代文明のチート装置を発見して最強に  作者: 南蛇井
第1章

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第6話 落とし穴の罠

遺跡の通路は、思っていたよりも広かった。


石で組まれた壁。

天井は高く、ところどころに古びた灯具の跡が残っている。


だが、明かりは灯っていない。


アルトたちは松明の火を頼りに進んでいた。


ガルドが先頭を歩く。


大剣を背負ったまま、慎重に足を運ぶ。


「思ったより整ってるな」


彼は壁を軽く叩く。


「崩れてる感じはない」


アルトは周囲を観察していた。


壁の石の並び方。

通路の幅。

床の模様。


すべてが計算されているように見える。


「ただの廃墟ではありませんね」


エリシアが松明を掲げる。


「魔力の残滓がある」


ミラは先へ進みながら、床を見ていた。


盗賊としての癖なのだろう。


足の運び方がとても慎重だった。


「……ちょっと待って」


彼女が手を上げる。


全員が足を止めた。


「どうした?」


ガルドが聞く。


ミラはしゃがみ込み、床を指でなぞった。


「ここ」


アルトが覗き込む。


床石の一枚。


ほんのわずかに、周囲より沈んでいる。


「踏み板式の罠……?」


ミラは首をかしげる。


「いや、違うな」


「これは――」


その瞬間だった。


後ろから「ガリッ」と石が擦れる音がした。


次の瞬間。


床が崩れた。


「うわっ!」


アルトの足元の石が突然落ちる。


地面が消えた。


アルトの体が前に傾く。


「アルト!」


ガルドが叫ぶ。


アルトはとっさに腕を伸ばす。


しかし、体は穴へ落ちていく。


そのとき。


「掴んで!」


ミラの手が伸びた。


アルトは反射的にその手を握る。


ガルドもすぐに腕を掴み、力任せに引き上げた。


「ぐっ……!」


アルトは床の上に転がる。


すぐに振り返る。


さっきまで立っていた場所。


そこには大きな穴が開いていた。


下は暗くて見えない。


ミラが口笛を吹く。


「落とし穴だね」


ガルドが顔をしかめる。


「しかもかなり深そうだ」


エリシアが松明をかざす。


「底が見えない……」


アルトは息を整えながら立ち上がる。


心臓がまだ速く打っていた。


「助かりました……」


ミラは肩をすくめる。


「危なかったね」


彼女は穴の縁を調べる。


「床石を外れる構造か」


「踏んだ瞬間に崩れるタイプ」


ガルドが腕を組む。


「こんなもん、自然にできるわけない」


アルトは穴を見つめながら言った。


「はい」


そして、ゆっくりと周囲を見渡す。


通路。

床。

石の構造。


すべてが計算されている。


「これは――」


アルトは確信を持って言う。


「防衛施設です」


ミラが振り向く。


「防衛?」


「古代文明の建物は、重要施設ほど防御が厳しいんです」


アルトは床を指差す。


「侵入者を排除するための罠」


「つまり」


ガルドが低く言う。


「俺たちは歓迎されてないってことだな」


エリシアも静かに頷く。


「むしろ排除対象」


そのとき。


ずっと黙っていたリィナが、ぽつりと言った。


「……やっぱり」


アルトが振り向く。


「何か分かるんですか?」


リィナは穴を見つめていた。


「この遺跡」


「侵入者を止めるために作られてる」


アルトは小さく息を呑む。


自分と同じ結論。


彼女はどうして知っているのだろう。


だが、今は考える時間がない。


ミラが立ち上がる。


「この先、罠だらけかもね」


ガルドが笑う。


「ますます面白くなってきた」


アルトは頷く。


「ええ」


そして、慎重に一歩踏み出す。


「注意して進みましょう」


松明の火が揺れる。


その光の先には、まだ見ぬ遺跡の奥が広がっていた。

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