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異世界で考古学者になった俺、古代文明のチート装置を発見して最強に  作者: 南蛇井
第1章

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第1話 主人公、辺境の町へ

夕暮れの街道を、一人の青年が歩いていた。


乾いた風が草原を揺らし、遠くの山々は紫色の影に沈んでいる。

その山の向こうに、目的の町があるはずだった。


青年の名はアルト。

王都の研究院に所属する――考古学者だ。


肩からは古びた革鞄を提げている。

中に入っているのは、ノート、測量道具、そして擦り切れた古代文字の辞典。


剣も槍もない。


冒険者としては、あまりにも頼りない装備だった。


「……やっと着いたか」


丘を越えた先に、小さな町が見えた。


石の壁に囲まれた辺境の町。

煙突からは夕食の煙が上がり、門の前では荷馬車が行き来している。


アルトは地図を取り出し、確かめる。


「間違いない。ここが……ラドールの町」


王都から馬車で十日。

さらに徒歩で二日。


かなりの遠出だった。


だが、彼の胸は疲れよりも興奮で満ちていた。


理由は一つ。


遺跡。


この町の近くに、古代文明の遺跡があるという噂が流れていたのだ。


アルトは門をくぐり、町へ入る。


石畳の道。

木造の家々。

旅人と冒険者の姿が多い。


そして、酒場の前では大声の会話が聞こえてきた。


「また死んだらしいぞ」


アルトの足が止まる。


「誰が?」


「昨日の探索隊だよ。山の遺跡に入った連中」


遺跡。


その言葉に、アルトの耳が敏感に反応した。


「やっぱり呪われてるんじゃねえのか」


「いや、罠だろ。床が落ちるとか聞いたぞ」


「でもよ……宝が山ほどあるって話だぜ?」


男たちは酒を飲みながら盛り上がっている。


アルトは静かにその会話を聞いた。


遺跡。

罠。

探索隊の死亡事故。

そして――宝。


胸の奥で、研究者の直感がざわめく。


(罠がある……?)


それはつまり、


防衛機構が存在する


ということだ。


ただの廃墟ではない。


さらに別の男が言った。


「奥に石の建物があるらしい」


「古代の文字が刻まれてるとか」


アルトの瞳が大きく開いた。


(古代文字……?)


それは決定的だった。


彼は確信する。


(間違いない)


これは――


本物の遺跡だ。


しかもただの遺跡ではない。


罠があり、守られ、文字が残されている。


それはつまり、


研究施設か、重要拠点。


アルトの鼓動が速くなる。


王都の研究院では、古代文明はほとんどが伝説扱いだった。


だが、もしこの遺跡が本物なら――


歴史が変わる。


世界が変わる。


アルトは静かに呟いた。


「……見つけた」


彼の口元に、わずかな笑みが浮かぶ。


「これは、本物の遺跡だ」


夕暮れの町の上に、夜が降り始める。


そしてこの瞬間から――


若き考古学者の冒険が、静かに動き出した。

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