プロローグ【覚醒の代償】
初投稿です。
「異能力」や「親友との再会」「記憶喪失」「世界規模の災厄」など、王道要素を詰め込んだバトルファンタジーです。
設定や構成など、読者の方が楽しめるよう練り込んでいきます。応援よろしくお願いします!
俺は中学三年生。
毎日、学校から帰ると勉強して、友達と電話しながらゲームをする――そんな平凡な日常を繰り返していた。
だが、あの日を境に、世界は変わった。
初めに“スキル”が発現したのは、俺じゃない。
それは、俺の友人だった。前までは影が薄く、まったく目立たない存在だった奴が――スキルの覚醒によって、今では「救世主」とまで呼ばれている。
異能が発現したその瞬間、空にヒビが入った。
それも一つや二つじゃない。数えるのも困難なほど、空が砕けた。
最初のヒビが生じてから、わずか数十秒後。
東京に――黒龍が飛来した。
東京は一瞬で火の海と化し、無数の命が失われた。
誰もが絶望する中、奴は一人で東京へ向かった。
名は――紫炎。
丸二日にも及ぶ死闘の末、彼は黒龍を打ち倒した。
それが、世界の“終わり”ではなく“始まり”となった。
――それから5年。
この5年の間に、世界は激変した。
スキルの発現から1年後、世界中のすべての人間に異能が目覚めた。
人々はそれを「異能開花祭」と呼ぶようになった。
さらに2年後、新たな職業が誕生した。
その名も「レイダー」。異能を駆使し、異世界からの脅威と戦う者たちだ。
レイダーは系統によって分類される:
魔法系
剣士系
武闘系
錬金系
特殊系
特に“特殊系”は一握りの天才しか到達できない。
努力では得られない、唯一無二の「固有スキル」を持つ者たちだ。
魔導書でも、特訓でも到達できない、選ばれし異能。
紫炎の固有スキルは――
【神速連撃】
あらゆる攻撃を、魔力・体力無制限で無限に繰り出すスキル。
一撃一撃が黒龍の爪並みの破壊力を持つ、絶対の暴力。
紫炎の活躍によって、世界は救われた。
だが、それは同時に戦いの始まりでもあった。
犯罪に異能が使われるようになり、異次元からの侵略が常態化した。
それでも、俺たちは戦い続けている。
「……こんなところか。今の世界の説明は」
と、ここまで語っておいて名前を言い忘れてたな。
俺の名は――神代 蓮。
記憶を失ったお前の、かつての親友だよ――紫炎。
紫炎がなぜ記憶を失ったのか、その原因は誰にもわかっていない。
この件は、まだ世界には公表されていない。
レイダーにはランクがある。EからSまで。
その上には「四天柱」が存在する。
その4人とは――
紫炎(日本)
神代 蓮(俺)
ローガン・グレイフォックス(アメリカ)
ルー・シュエンシャオ(中国)
全員が固有スキルを有しているが、その詳細はまたいずれ語ろう。
当然、敵――“怪物”にもランクがある。
危険度E〜C:モンスター、盗賊、雑魚兵士など
危険度B〜A:幹部格の魔物、上位種の怪人など
危険度S以上:伝説級の存在、神話の魔獣、最強の英雄たち
ちなみに、黒龍は現在「危険度S」に分類されているが……
予知者たちは口を揃えて言う。
「これから、Sを超える存在が現れる」と。
俺たちは――そんな“災厄”に、勝てるのだろうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今後は第一章から、神代 蓮と紫炎、そして「四天柱」の戦いを描いていきます。
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