罪
ケトノレーベの真実を知った彼らの胸中には、怒りが込み上げているのと同時に、自分達の行ってきた事に絶望した。身体の奥から憎悪がムラムラと湧き上がり、今すぐにでも叫びたかった。
「お前たち……大丈夫だ…」とクインクは必死に真顔を作りながら呟く。
「大丈夫……?大丈夫なわけねえだろ!!俺たちが今戦っていた魔物は全部村人だったんだぞ!?俺らは人殺しなんだよ!!!」シュージの声が鋭く部屋に走る。「もう……戦う資格なんて俺らにはないんだ…自分が信じた正義は……全て悪だった…」
「私達も今同じ気持ちだ…だが、今ここで我々が嘆いたところで、人は戻らない──」
「んだと!?」
シュージがクインクに殴りかかる。クインクはそれを受け止めて続きを話す。
「だからこそ!我々はケトノレーベを討伐し、少しでも死者から許しを乞う必要がある!殺した人間に!少しでも顔向けできるように!それが我々の贖罪だ!!もう二度と!被害者を生まないために!」
その時、普段は威厳のある冷静なクインクの顔が、初めて歪んだ。
彼らの憎しみは次への一歩となり、これからも戦いは続く。
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打ち切りです!




