愛7
きっと大丈夫。
だって、隣にはあなたがいるから。
ねぇ、そうでしょ?
事情
あの出来事があった翌日…
「俺マジで頑張る。他に好きになれる人探すから。ありがとな。」
蓮治は笑いながら私にそう言った。
案外可愛い人なんだなと感じた。
「きっと大丈夫だよ。」
私は笑顔でそう言った。
「あんなところであんなことするなんて二股?」
低い声が耳に響く。
この声は…
「先生。あれは事情があって…」
私は振り向き焦りながら言い訳をした。
怒ってるー。
「ふーん。まあ、そんなところだとは思ったけどね。」
すごい冷たい態度。
でも、わかるの。
声が優しいから。
なんでも大きく包んでくれる。
「先生。ごめんね。」
私はうつむきながら謝った。
本当にごめんね。
でも、先生の怒ってる顔も可愛いと思っちゃう。
それぐらい。
すごく愛しいよ。
「謝るときはちゃんと目を見ろ。」
先生は微笑みながらそう言った。
なんでだろうね?
「ごめんなさい。」
どうして、涙が出るんだろう?
髪の毛に温かい手が乗った。
本当は抱きしめて欲しい。
けど。
やっぱり先生と生徒なんだね。
この距離が辛いよ。
「もういいよ。だから泣くな。」
優しい声にまた涙が出てくる。
そんなに優しくしないで?
甘えちゃうから。
言いたいよ。
好き。
「またな。」
先生はそう言って私の横を通り過ぎた。
胸が締め付けられた気がした。
ねぇ、どうして、私と先生はここで出会っちゃったのかな?
もし、ここじゃないところならこんなに苦しいことなんてなかったのかな?
「こんなところに逃げやがって。」
一人の男がつぶやいた。
その男は鋭く光る瞳をしていた。
「本当にここにいるのか?」
その男は一人のガードマンに尋ねた。
ガードマンは大きく一回頷いた。
「待つしかねぇーな。」
男は退屈そうに言葉を吐いた。
先生。
優しすぎるよ?