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好奇心が黒猫を殺す時  作者: 瞬々
第2章 黒猫とシュレティンガーの箱
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10 黒猫は待たず

第二章遂に動きだしました。もし面白いなと思ったら、ブックマーク等お願いします。


1月8日(月)

――人身事故により〇〇線運転見合わせ。

 電子掲示板に表示されたお知らせを見る桜の背中はとても物悲しい。この事故のせいで学校に遅れるからではない。勿論それも少しはあるが。改札を抜けたホームではいつも夜宵が桜を待っていてくれていた。本人がそう言ったわけではないが、毎度毎度桜よりも早い時間にいるのだ。

 いつだったか、寝坊して遅れそうだった時でさえホームで待っていてくれて、「本を読んでいたら電車乗り過ごしちゃってさー」とか言っていた。それ以来、風邪で休む時はメールを入れるようにしているくらいだ。

 

 その夜宵が今日はいない。一応メールを送ってはみた。


From:星見 桜

宛先:沖 夜宵

日付:2001/01/08

件名:でんしゃとまっちゃった!

本文:事故で電車とまっちゃったんですけど、夜宵ちゃんはもう学校ですか?


 少し焦って打ってしまったが、無事に送信が完了する。それから学校へ遅れる旨の連絡も済まし、そわそわしながら待つこと5分、返信は無い。


「うーぬ……何か嫌な予感がします」


 と睨んでいた画面が唐突に明るくなり、着メロが流れた。「わひゃ」と思わず、投げだしホーム上に落としそうになって慌てて空中でキャッチ。周りからのなにやってんだという視線に顔を赤くしながら、桜は電話を取った。


「土御門だ」


 土御門銀からの電話だった。こんなに朝早くとは珍しい。そして、大体こういう時は碌な話ではない。


「な、なんですか? 私これから学校……なんですけどー」


「すまないな、親御さんには先に連絡しておいた。学校にもこれから連絡が行くだろうから、心配はしなくていい」 


 桜が普段真面目に学業を受けているのを知っているからか、銀に先手を打たれていた。気を利かせたつもりなのだろうが、一言の相談も無く決めるのはどうなのかと問いただしたい。


 夜宵からの返信は未だ無い。銀にあの話をして以降、妙な胸騒ぎが続いていた。夜宵は父親を探すと決意し、彼方の世界に潜り続けている。その時の彼女の表情を改めて思い出したのだ。いかに危険な場所であろうとそこへ彼女は赴く。銀や桜、他の誰よりも『彼方の世界』への入口『穴』を見つけ出し、止める間もなく行ってしまう。


「現在進行形で『怪異』が発生している。レベルは2。物理的な干渉を受ける強さだな」


――怪異。それは『鬼』の出現に伴って発生する超常現象。これの厄介な所は現実世界で発生することで、基本的に『彼方の世界』でしか『霊具』が使えない桜達にはまともに手出しが出来ない。


 だが、怪異は無造作に起きるわけではなく、大抵は元となった鬼が取りこんだ負の気、人間のトラウマが形となって現れる事が多い。『鬼』は自らを生み出した人間を『彼方の世界』に連れ込もうとする習性を持つ為、その人物を見張っていれば『穴』の出現を予測できる。『穴』の出現と同時に入れば『鬼』がこちらへ出てくる前に『霊具』で浄化することも不可能ではない。


 尤も、『怪異』は時間経過と共に現実世界への干渉が強くなり、鬼もまた比例して強力かつ危険になっていく。放置するわけにはいかない。


「場所はきさらぎ駅だ」


「え?」


 銀が告げた場所に桜は静かに驚いた。その瞳の先で電子掲示板に繰り返し表示される駅。


 よくよく見たら見覚えの無い駅名。


――〇〇線はきさらぎ駅で発生した人身事故により運転の見合わせ。


「あの……そんな駅聞いた事ないですよ」

 

「あぁ、だろうな。だが、俺たちはなんとしてもその駅を見つけ出さなければならない」

きさらぎ駅

突如として出現した駅。因みに現実で(?)この駅が語られたのは2004年で、静岡県だか愛知県だかに存在すると噂されてますが。ここではそれ以前からずっと存在していた物で、鬼の影響で出現した駅ということでひとつ。


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