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異世界小説家  作者: キクメン


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80:農園

 飯屋で昼食をとった後、何かまた別の依頼がないかと冒険者ギルドに立ち寄ってみた。


 入り口から数えて3枚目の掲示板を見たが、新しい依頼は追加されておらず、その裏の5等級冒険者の依頼を見ると前見た時よりも増えていて3枚になっていた。その中で割と短時間でサクッと達成出来そうなものがないか見てみると良さそうなのがあった。


-------------------

【6等級冒険者向け】

~ 大ヌタルモドキの駆除 ~


【内容】

 南西のボルグド村の農園に発生した

 大ヌタルモドキの駆除をお願いしたい


 間違って通常のヌタルを駆除しないこと


【期限】

 なし


【報酬】

 大ヌタルモドキ1匹につき200万デン


-------------------


 まずは南西のボルグド農園を地図で確認し、駆け足で向かえば1時間少しで着きそうなので距離的にはかなり良いことを確認したので、依頼を持って受付カウンターに行きそのまま承認してもらった。


 カウンターにて通常のヌタルと大ヌタルモドキの違いについて教えてもらい、農園に行く前に必ず村に立ち寄って依頼を受けた冒険者であることを伝えてから農園に行くように説明された。


 早速動物図鑑で確認しようと宿屋に戻ってみると、トラが階段を駆け上がってきたので折り返して、受付カウンター奥から出てきたポルルと一緒に町の外れのモウムがいる場所へと向かうことにした。


 トラは今日も元気いっぱいモウム達がいる柵の中を走り回り、お腹が空いたらモウムのおっぱいをタップリ飲んで、最後は疲れたのか丸くなって眠ってしまったので私が抱いて帰ることにした。


 帰り際にふとモウムのミルクでソフトクリームとか作ったらさぞや美味しいんだろうなぁと思いながら帰った。


 宿屋の玄関で丸くなって眠ったままのトラをポルルに渡して部屋へと戻り、そのまま現実世界に行って写真に撮ってファイリングした動物図鑑をタブレットPCで見て、ヌタルと大ヌタルモドキについて調べてみることにした。


 絵的には手足の生えたオタマジャクシを大きくしたようなフォルムの動物で、哺乳類ではなく爬虫類に属する生き物だった。農園で放し飼いにしているようで、害虫や雑草を食べてくれる非常に優れた生き物のようで農園ではとても大切に扱われ、人にもよくなつくとのことだった。


 しかし年に数回このヌタルを好んで捕食する大ヌタルモドキが農園に出現することがあり、放置するとヌタルが全滅する恐れがあり、農園にも大きな被害が生じて町の貴重な野菜や果物にも影響するため、大ヌタルモドキが確認された場合は直ちに駆除する必要があると記載されていた。


 大ヌタルモドキはヌタルと異なりサイズが大きくて獰猛で気性も荒い危険な生き物なのだそうだ。違いはサイズが二回りも大きいことと口の中に鋭い牙がズラリと生えていること、発情期や出産間際になると体側に赤いラインが出現することなどが記載されていた。


 その後夕食時になっていつものように高級料理店に行って食事をしている際、給仕に大ヌタルモドキについて聞いてみると非常に美味だとのことで、それを知った私は大いにやる気が出た。また、先日大地溝帯の生き物で何か美味しい食材があるか聞いたことについても現在店主を含めて色々調べているとのことで、まとまったら調査結果を知らせるとのことだった。


 翌日、槍とリュックを持って少し遅めに部屋を出て飯屋で朝食を食べて弁当を買い、そろそろ防具屋も開く時間だと見計らって防具屋に行って入るとすぐに店主ダルカルの息子がやってきて、調整は完了したとのことで早速試着室に行ってフル装備を整え、そのまま依頼に行ってくると言うと、依頼終了の際は再度各部をチェックするので是非お立ち寄りくださいと言われたので了承した。


 この先ワイバルンと対峙することになるので今度こそ一切の妥協をせず手抜かりなく防具を整えて送り出したいとのことだった。


 その後ザラ小屋にて荷車を借りてから大門に向かい、これから大ヌタルモドキ討伐のために南西のボルグド村の農園に向かうと言うと、門番も町の野菜と果物のために是非とも頼むと言って送り出してくれた。


 大門を出るとすぐに地図を開いてルート通りに駆け足でボルグド村へと向かった。いつもより遅い出発とはいえそれでも午前8時頃なので、大ヌタルモドキがどの程度強くてどれくらいいるのか分からないが夕方までには戻って来れるだろう。


 それから1時間ちょっとでボルグド村に到着すると、自分が誰なのか説明するまでもなく村の代表が直々にやってきて農園まで案内すると言ってくれた。ちなみに村の代表はザラに乗って移動したが、私が人力で荷車を引いても全くザラに遅れることも疲れて休むこともなく走り続けるのを見て、やはり鍛え抜かれた冒険者は違うなぁと感心していた。


 20分程度で農園に着くと見事な緑地が広がっており、なんと緑地を縫うように灌漑用水が引いてあるのを見て、思った以上に文化水準が高いことに驚き感心した。


 見張りの者がいて柵の門を開けてもらい農園の中に入り、そのまま進んで小高い丘の上に進んだところで、村の代表がバッグから筒を取り出して農園の奥の方を見た。なんと簡易的な望遠鏡まであるのかと感心すると、村の代表は私に筒を渡してあっちだと言って指さした。


 ワクワクしながら筒を覗いてみると、私の双眼鏡の方が遥かに良く見えるものだったので少々残念に思いつつも、それでもこれだけのものがあるんだなぁと感心しつつ、村の代表が指さした方向を見ると、動物図鑑IIで見た通りのフォルムの生き物がいるのを見つけた。


「大ヌタルモドキはあの1匹だけですか?」


「いや、他にもいる、ここで見ることが出来るのはあの1匹だけだが、あっちとあっち、さらにあっちの方向にもいて合計4匹いる」


「なるほど、分かりました」


「その遠目の筒を持っていってくれ、終わったら駆除報告の際に返してくれればいい」


「有難う御座います、お借りします」


「ザラも必要かね?」


「いえ大丈夫です、それにザラを危険な目に合わせたくないので自分で引いて行きます」


「それは有難いが、大丈夫かね、大ヌタルモドキはかなり重いぞ」


「大丈夫です、自分は力持ちの才があります」


「ああなるほど、アンタは力持ちを持っているのかね、それなら大丈夫だ」


「はい、それでは早速まずはあの1匹からやっつけてきます」


「よろしく頼む」


 私は荷車を引いて最初の1匹に向かって行った。ある程度まで近づいたところで槍の鞘を抜いて荷車を置いて大ヌタルモドキに近づいていった。大ヌタルモドキは自分を見ても逃げることなく、こちらに大きな口を開けて威嚇してきた。鋭い歯がビッシリ生えているので大ヌタルモドキに間違いない。それに体側に赤いラインも入っている。


 一応「情報」を表示してみたが、自分の敵ではないなと思った。過信してはいけないのだが、それでも問題ない相手だと言う確信があった。


-------------------

大ヌタルモドキ

レベル:5

生命力:7

魔法力:0

持久力:7

攻撃力:5

防御力:5

素早さ:3

幸運度:0

魅力:0

魔法技能:0

異常耐性:0

-------------------


 10メートルを割った距離から一気にステップワークで加速して大きな頭の眉間に向けてそのまま槍を突き刺して片が付いた。


 その後村の代表には悪いが、自分の双眼鏡を取り出して残り3匹の大ヌタルモドキを確認して、同じように最初の一刺しで全て倒した。発見と移動に一番時間がかかったが30分もかからず全て駆除した。


 ちなみに一番大きいやつは3メートル近くあり、なにやら果実の甘い匂いがして、これはすごく美味しいに違いないと思った。個人的に買い取って肉屋で捌いて欲しいくらいだった。

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