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異世界小説家  作者: キクメン


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55/383

55:水晶採取

 登山途中に家に戻って腹ごしらえをして、そのまま心地良くうたた寝をするという、およそ登山途中とは思えないことをしでかした私は、大分寝過ごしてしまってから起きだした。


 とはいえ現実世界ではようやく朝の通勤通学ラッシュ時間といったところだった。恐らく異世界ではまだ30分も経過していないだろう。


 現実世界は天気も良いし、せっかくなので洗濯をしてかつての愛用の槍だった物干し竿に洗濯物を干してから登山を再開することにした。


 洗濯中に軽く家を掃除して、今日も何も入っていない郵便受けを確認して、スマホに不在着信などもないことを確認して、タブレットPCにメールが来ていないことも確認して、洗濯が終了したので物干し竿に大した数はないが下着や靴下などを干してから登山を再開した。


 さらに登り続けること3時間、またしても少し小腹が減ったので、家に戻り今度は厚手のナンに似たパンを取り出して温めてバターを乗せて食べた。ほんのりと甘味もあっておやつにも最適だった。


 さらに続けて登る事3時間、今度は夕食の時間ということで現実世界に戻って、昼に食べたのとは別のお弁当を食べることにした。ちなみに2種類のお弁当は一方は大サソリ肉が入っており、もう一方はロックワームの肉が入っていてどちらも絶品だった。おまけにアイテム格納バッグのおかげでどちらも出来立てホヤホヤなので言うことなしだった。


 腹も膨れて満足したので、軽くシャワーを浴びて歯を磨き布団に入って寝ることにした。まだ朝の8時台だったので目覚ましを午後3時にセットして寝た。とても登山途中とは思えない行動だった。


 その後目覚ましのアラーム音で起きて、洗顔してシャッキリしてから洗濯物を取り込んで、ナンに似たパンを温めて、干し肉をタップリ使ったオムレツを作って食べた。旨すぎて涙が出そうだった。ますますスーパーの豚バラ肉とかでは満足できない身体になりそうで心配になるくらいだった。


 現実世界で8時間程過ごしたが異世界ではこれでもまだ1時間も経過していなかった。とはいえ異世界では日が暮れて月が出てきており、これから寒い夜になる時間だった。標高が高い山なのでなおさら冷えるのだが、防寒マントとのおかげと体を動かし続けているので全然寒くなかった。


 その後も黙々と登り続け真夜中の登山となったのだが、月明かりや星々の明かりが明るく、木が生い茂る山と違って岩山なので明かりが遮られることもなく足元も良く見えて問題なく登山を続けられた。


 ロックジャガル、恐らくジャガルはジャガーのような気がするが、それに襲われることもなく順調に登山を続けた。


 そろそろ腹が減ってきたかもというところで、何か前方にキラリと光るものが見えた気がしたので、そちらの方に向かって行くと、マントをしていても感じる程一気に空気がヒンヤリとした。


 さらに近づくと美しい氷の塊のようなものが沢山あるのが見えた。恐らくこれがアイスクリスタルで間違いなさそうだ。


 手を伸ばして触ろうとしたがすぐにひっこめた。これは手袋をしないとダメだ。


 私はポータルゲートを取り出してお爺さんの家に戻り、冬用の防寒グローブと久しぶりのツルハシを持って戻った。


 まずは50センチ程の塊がある地面にツルハシを突き刺して掘り起こし、リュックを脱いでアイテム格納バッグを取り出して入れようとしたところで、底に板を敷いた方がいいかもしれないと気付き、また家に戻って以前伐採した木の薪で大き目のやつを槍でスライスして板を作って2枚程持ってまた異世界に戻り、リュックの底に敷いて防寒グローブをしてアイスクリスタルをリュックに入れた。


 アイスクリスタルを抱き抱える際に顔がアイスクリスタルに触れそうだったのでフルフェイスヘルメットをして抱き抱えた。


 同じ大きさの物ならあともう一つは入りそうだということで、同じくらいの大きさのものを探し、やや小さいのがあったので掘り起こしてリュックに逆さまにして入れた。


 ちょうど▼▲となるように入れて、スキマには小さなアイスクリスタルを入れてリュックの中でグラつかないようにした。


 さらにリュックに入りきらない程の大きなものを二つ掘り起こし、アイテム格納バッグを開いて押し付けて収納し、そのうちの一つは家に戻って物置小屋の床にキャンピングシートを敷いてその上に置いた。


 これだけあれば十分だろうということで、下山することにしたが、その前に腹が減ったので家で弁当を食べた。その際泉の水をカップ一杯分沸かしてインスタント味噌汁に注いで飲んだのだが、インスタントを超越した味になって大満足した。


 美味しい弁当と泉の水の味噌汁でかなり癒されて、そのうえ登山と発掘作業で身体を動かしていたので、またしても少し横になってうたた寝をしてしまった。


 ハッと起き上がると3時間程寝ていた。なんとなくだが泉の水は飲むと眠くなるのではないだろうかと疑い始めた。


 とはいえ現実世界では間もなく夜の7時になろうとしていたが、異世界では20分程度しか経過していないので何ら問題はなく、身体がリフレッシュしたところで下山を開始した。


 重たいリュックを背負おうとしたところで、苦笑いしてやめて、アイテム格納バッグを開いて押し付けてバッグの中にリュックを収納した。リュックは町の大門近くまで来た時に取り出して背負えばいいのだ。


 下山しながら、いくら自分がスーパーマンになったとしてもあの重たいリュックを背負ったままの下山は相当足腰や膝に負担がかかって大変だろうなぁと思い、実はアイテム格納バッグがこれまでゲットした物の中で一番のお宝アイテムじゃないだろうかとしみじみ思った。


 そうしてどんどん下山していったところで、前方に何かいるのに気が付いた。


 二つの目が月明かりに反射して赤く光った。四つ足で太くて長い尻尾が地面に垂れていて、そのフォルムからすぐにあれがロックジャガルだなと分かった。


 槍の鞘を抜いてバッグにしまい、「情報」を念じ続けながらゆっくりと近づくと10メートルを割ったと思われるところで情報ウィンドウが表示された。


-------------------

ロックジャガル

レベル:4

生命力:8

魔法力:0

持久力:8

攻撃力:4

防御力:3

素早さ:4

幸運度:0

魅力:0

魔法技能:0

異常耐性:0

-------------------


 ほとんど脅威対象ではないことが分かった。


 自分よりも遥かに大きい猛獣を目の前にして、大した相手じゃないと思うとは、我ながら何かが麻痺しているなと痛感する。


 ロックジャガルはギャオウ!と吠えてこちらを威嚇したが、こちらはまったく怯むことなくロックジャガルを威圧することもなく、何の警戒心もなく普通にスタスタと歩いて近付いた。


 一瞬ロックジャガルは「?」みたいな可愛い顔をしたが、すぐに凄まじい速度で飛びかかってきた。さすがネコ科だけあってすごいバネだなと感心したが、何気なくスッと槍を突き出して下アゴから穂先を突き刺して頭を貫通させた。


 動物差別かもしれないが、サソリや大蛇に比べて少し可哀想な気がしたが、こちらも命を差し出すつもりはないので、止む無く殺した。せめて苦しまずに一撃で殺した。


 倒したロックジャガルもアイテム格納バッグにしまってまた下山を再開した。その後はロックジャガルは現れなかった。


 黙々と下山していたので辺りが白んでいたことに気付かず、美しい日の出が差し込んできたことでようやく夜明けに気が付いた。


 荒涼とした大地に大きな太陽が顔を出すのを見て、感動する程に素晴らしい光景に胸を打たれた。


 その素晴らしい光景にハッと閃いて、速攻で家に戻ってナンに似た異世界のパンを温め、水道水の水を沸かしてスティックカフェオレを作り、さらに三脚を持ってきて、素晴らしい朝日を撮影しながらパンとコーヒーを飲んで最高のひとときを味わった。

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