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異世界小説家  作者: キクメン


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48/383

48:買い物

 異世界の安宿で自分が借りた3階角部屋の扉が開いていて、中から布団だけが出てきて歩いてきたように見えたが、よく見たら小さな手が見えた。


 自分は通路の壁を背にするようにどけて、布団の進路を邪魔しないように道をあけた。


 ヒョコヒョコ歩く布団が通過するのを待っていると、やがてとても小さな、自分の腰下くらいしかない背丈の少女が現れた。


 少女は自分に気付いたようなので、驚かさないようにしながら「おはよう、布団を干してくれてありがとう」と声をかけた。


 少女は自分に驚いて大声をあげることもなく、頷いて立ち止まり、可愛らしい前掛けのお腹の位置にあるポケットに手を突っ込んで10デンをこちらに差し出した。


「それは布団と枕を干してくれたお礼だよ、ありがとう、そのおかげで昨日はとても良く眠れたよ」と言うと、少女は目を丸くしてこちらの顔をまじまじと見て、10デンをじっと見つめ続けた後に10デンを手にした手で少女自身を指差したので、自分はウンウンと頷いて「そのお金は君へのお礼のご褒美だよ」と言うと、少女はパァッと明るい表情になって10デンをポケットにしまい込んだ。そしてペコリとお辞儀をしてから嬉しそうに布団を運んでいった。


 自分もとても良い気分になって見送り、その後部屋に入っていったん鍵を閉めて、すぐにポータルゲートを取り出して、現実世界に戻って速攻で髪を乾かして、彼女が戻ってくる前に荷物をまとめて朝食を食べに出かけることにした。


 朝からかなりご機嫌な気分になり、肉屋の隣の飯屋に行くと、立てかけ看板に手書きで「大サソリの雑炊、一杯150デン」と書かれていたので、もちろんそれを注文して最高の朝食を味わった。


 その後自分は防具屋に向かった。防具屋に入るとすぐに以前ベルムと来た時に話しかけてきた店員がやってきた。当然店員が頭の中で何を考えているのかについて手に取るように分かり、それに付き合うように店員に私が何を考えているか分かるようにニコニコして見せた。


「いらっしゃいませ、タダノ様、今日は・・・」

「ええ、店員さんが考えている通りです」


 互いにニッコリと笑顔で笑い合い、それではこちらへと言って店員の後について鉄格子の中へ入っていくことにした。


「いかがなさいますかタダノ様、例の胴当て以外にも防具を見ていきませんか?」

「そうですね、グローブとヘルメット、あと一応足元の防具も見せてもらえますか?一番良いものを」

「はい、お任せください!」


 そういって店員は全てこの店一番の防具ですと言って要求した品を持ってきた。


-------------------

胴当て

防御力:6

耐久性:6

損耗率:0%

-------------------


-------------------

グローブ

防御力:5

耐久性:5

損耗率:0%

-------------------


-------------------

ヘルメット

防御力:3

耐久性:3

損耗率:0%

-------------------


-------------------

ブーツ

防御力:3

耐久性:3

損耗率:0%

-------------------


 グローブとヘルメットはまぁまぁ買う価値がありそうだが、胴当てとブーツ、とりわけブーツはかなりいまいちな性能なので要らないのだが、ここは敢えて全て買うことにした。それも一切値切ることなく言い値で買うことに決めた。


「全部でおいくらでしょうか?」

「はい一式すべてで170万デンとなります」


「分かりました、全て買わせていただきます、それではギルドに行ってお金を取ってきます」


「えっ?あっ、はい、すいません、かしこまりました」


 私は早速冒険者ギルド建屋に行って、受付カウンターに言って事情を説明し170万デンを卸した。昨日依頼報酬の全額をゴドルム村の時と同様に預かってもらうことにしていたのだ。


 お金を卸す際、お金を入れるのに良い袋か何かないかと尋ねると頑丈そうな巾着袋のようなものを出してもらい300デンで譲ってもらった。


 すぐにまた防具屋に戻り、アイテム格納バッグから先ほどギルドで譲ってもらった巾着袋を取り出し、袋の中に入れた170万デンを店員に渡した。


 巾着袋に刺繍されたギルドの紋章といい、ギルドから卸したばかりの硬貨だということから、店員は硬貨の数だけをサッと確認しただけで、「確かに170万デン頂戴いたしました」と笑顔で答えた。


「すぐに装備なさいますか?」と言われたので「そうします」と答え、店員の手伝いのもと各種防具を装備したが、どれもサイズが大きかった。


「大変申し訳ありません、仕立て調整に1日いただけますでしょうか?」と店員が言ったので「こちらは全く急いでいないので時間はかかってもいいので動きやすようにしっかりお願いします」と答えると、店員は少しだけ目を見開いて驚いた様子を見せて「分かりました、それでは3日いただけますでしょうか、必ずや最高の仕立てにしてみせます」と答えた。


 仕立て代は幾らするか聞いたところ「とんでもない!もちろん無償でやらせていただきます!」という答えが返ってきて、さらに「申し訳ありませんが、タダノ様のお身体の寸法を測らせていただいてもよろしいでしょうか?」と聞いてきたので、こちらかも是非お願いしますと言って了承した。


 すぐに恐らく仕立て専門と思われる職人のような人がやってきて、自分の寸法を測り、普段戦う時の構えなどをしてくれと言われたので、槍を構えた時の姿勢を取ると「線は細いがなんという体幹筋力と膂力だ、まるで鋼の様だ」と驚かれた。


 そうして3日後に受け取りに行くと言って、防具屋を出て、そのまま気になる隣の武器屋へと入っていった。


「いらっしゃいませ!失礼ですがタダノ様でいらっしゃいますか?」

「えっ?あっはい、そうですタダノです」


 まぁ狭い界隈、ぽっと出の若造が2日続けて巷を騒がせたのだから私の名前がすぐに出回るのも仕方のない話だ。おまけに懐具合が良い今のうちに商売しようと思うのも至極当然の流れだ。そういうわけで私を見るなりすぐに武器屋の店員がやってきた。


「槍か棒を見せてもらえますか?」

「はい、かしこまりました!・・・ですが、タダノ様のお持ちの槍以上に優れた槍は当店にはないかと思います」


「そうですか、実はもう少し短い、室内で使用する接近戦でなるべく相手を殺さない程度の護身用の棒などが欲しいなと思っているのです。宿屋や食事の店などでこの長い槍を持って移動するのはなかなかに邪魔なものですから」


「なるほど!でしたらそれに見合ったものを持ってまいります!」


 そう言って店員はここでも鉄格子の奥の部屋に行って、少し経った後棒と槍を持ってやってきた。


「タダノ様には不要かと思いますが、一応槍の方も当店の最高級品をお持ちしました、棒の方も一番良い品となっております」


「ありがとうございます、拝見させてもらいます」


-------------------

攻撃力:6

耐久性:6

損耗率:0%

-------------------


-------------------

攻撃力:5

耐久性:5

損耗率:0%

-------------------


 案の定あまり欲しいと思わない性能だった。しかし棒の方は室内で襲われた時などに重宝しそうだった。


「えっと、どこかで軽く素振りをしたいのですが」

「はい!こちらへどうぞ!」


 どうやら店の裏庭にそうしたスペースがあるようなので、私は店員の後について行くことにした。

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