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異世界小説家  作者: キクメン


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38/383

38:3等級冒険者

 冒険者ギルド内のVIPルームのような個室で、私はギルド長のウォルロッドと名乗る身長2メートルはありそうな筋骨隆々の人物と話しをしていた。


 するとドアがノックされ、ギルド長のウォルロッドが低く良く通る声で「入れ」と言うと、トレイに飲み物を乗せて運んできた女性が入ってきて、私達の前に紅茶のような香りのする飲み物が入ったティーカップを置いて「失礼します」と言って退室していった。


 ウォルロッドが手を伸ばして飲んだのを見て、私達もティーカップを口にした。


「美味しい」

 思わず私は声に出してしまった。その味はまるでシナモン入りの甘いミルクティーのようだった。


「初めてかね?」

「はい、これに似たようなものは飲んだことがあるのですが、ここまで美味しいのは初めてです」


「そうか」

 ウォルロッドは少し微笑んだような顔をした。


 その時ようやくしっかり彼の顔をみたのだが、顔には右目のまぶたの上から斜めに3本の傷跡が深く刻まれており、あまりにも良くある異世界モノの王道のような見た目なのですっかり感心して魅了されてしまった。


「これは、ワイバルンにやられた痕だ」

「ワイバルン・・・」

「うむ、君も見たとは思うが、遠くの岩山の頂上付近に飛んでいる巨大な翼竜だ」


「ワイバーン!」

 つい声に出してしまった。


「ホウ、君の故郷ではそう言うのかね」

「はっ、はい!聞いたことがあります!」


「もう10年以上も前になるか、私が冒険者として全盛期だった頃にゴドルム村一の槍使いの戦士と、ゾンデ出身の腕の立つ魔法使いと共に腕試しに挑んだのだ、結果は酷いものだった・・・かろうじて生き残ったのは私だけという有様だった・・・」


 私はここで失礼ながらつい「情報」と念じてしまった。


-------------------

ウォルロッド

??歳男性

レベル:6

生命力:60

魔法力:0

持久力:60

攻撃力:6

防御力:6

素早さ:6

幸運度:6

魅力:6

魔法技能:0

異常耐性:0

【スキル】

剣士Lv6

-------------------


 えっ!?こんなに筋骨隆々で歴戦の勇士のような人物がレベル6?私はやはりまだまだポーカーフェイスが出来ない若造なので、つい驚きの表情が顔に出てしまった。


「うむ・・・君が驚くのも無理はない、ワイバルンは7等級クラスの獲物なのだ」

「7等級・・・」


「そうだ、冒険者のランクには1等級から始まり頂点の10等級まである」


 私は頭の中で10等級から始まって1等級が頂点じゃないのかと思った。どうも数が多い方がランクが高いらしい。


「8等級から上の冒険者ともなると世界でも数えるくらいしかいない、私もそれらの冒険者と肩を並べられると思ったのだが・・・」


 私はゴクリと唾を飲み込んだ、もちろんこの場にいる全員が考えているのとは別の意味で。


「おっと、私の話をする場ではなかったな、すまない、話の本題に入るとしよう」


 ウォルロッドはワイバルンの件でゴドルム村には大きな借りがあり、そうでなくとも日頃からゴドルム村の狩人達の仕事ぶりや町やギルドにもたらす貢献度合いを評価しており信頼していた。


 そんなゴドルム村の狩人からの推薦、しかも良質なロックワームを一人で鮮度を落とさない脳への一撃で倒すというなかなかに見どころのある青年とあってはギルド長である自らが面接を行ってみたくなったということだった。


「既に君の実力はゴドルム村の狩人達の目の前でしっかりと目撃証言されているし、何よりも非常に状態の良い良質なロックワームという物的証拠もある、人格的にも問題ないので冒険者ギルドの登録を許可しよう、それも3等級冒険者としてだ」


「ありがとうございます!」

 私は頭を下げて礼を述べた、やったぞ!冒険者だ!しかもいきなり3段飛びで3等級冒険者だ!


「うむ、しかしそれには条件がある」

「!条件・・・ですか?」


「そうだ、これから話す依頼をこなした時に君を3等級冒険者として登録しよう」

「ゴクリ・・・分かりました」


 そこでドルバが口を開いた。今回予想以上にロックワームを売った金で大金が入ってきたことで、恐らくその話しは町の中にも少なからず出回ることになり、村への帰り道に襲われる可能性があるとのこと、そこで村までの護衛として送り届けるという依頼をギルドに提出するとのことだった。


「なるほど、分かりました、お引き受けします。ところで今回手に入れたお金なのですが、町で買い物に使う時に使うのであれば、ギルドとかお金を預けられる所に預けておくということは出来ないのでしょうか?全額とはいかないまでも半分だけ預けるとか」


「ホウ!」(ウォルロッド)

「なるほどそうか!ギルドに預かってもらえれば一番安心だ!」(ドルバ)

「確かにその通りだ!村にお金を置いといたって、町に来て使う以外にないんだからな」(ベルム)


「君はなかなかに頭も良いようだ、そういう冒険者が長生きしてランクを上げていくのだ」


 その後検討した結果、750万デンのうち630万デンをギルドに預け、残る120万デンのうち自分は20万デンをもらい、二人を無事にゴドルム村まで送り届けた際には依頼達成料として追加で20万デンをギルドから受け取り3等級冒険者として認可されることになった。ギルドには10万デンを支払うそうだ。


「こんなにいただいてもいいんでしょうか?」

「いや、本来ならば450万デンはタダノのものだ、だがどうかゴドルム村の代表としてお願いしたい、村の者達にラクをさせてやりたいのだ、どうかこの金額で納得してもらえないだろうか」

「私からもお願いする」


「分かりました、そういうことならば有難く頂戴します、ゴドルム村の皆さんは私の命の恩人でもあります、どうか村の人達のために使ってください、その方が私も嬉しいです」

「おおタダノよ!有難う!」

「有難うタダノ!感謝する!」

「ウム、実に将来有望な青年だ、この場で3等級冒険者として認めたいくらいだ」


 その後個室を出ていき、割と大袈裟にその場にいる人達にアピールするように大金が入った袋をウォルロッドに渡し、ウォルロッドもわざと大きな声で「630万デン確かにギルドで預かった!」と周りにいる人達に聞こえるように言った。


 それから私達はザラを連れて町を見て回った。小麦粉のようなものが入った大きな麻袋を二袋買いザラにくくり付け、他にも日用雑貨を買っていった。もちろん子供達への土産物も。


 その際、雑貨屋や道具屋や食料売り場などで、物価を確認した。まず真っ先に驚いたのが、値札の文字が読めるという事だった。当然文字は見たこともない文字なのだが、そこに何が書かれているのか分かるのである。そしてベルムの言った通りそれらの値段を見て750万デンがいかに大金であるかがよく分かった。


 その後ドルバにザラの見張りをしてもらい、ベルムと一緒に防具屋へと入った。ちなみに武器屋はその隣の建物だと教えてもらったが、店の入り口横に壁に刻まれた絵と文字ですぐに分かった。


 防具屋の中に入ると棚にはズラリと様々な防具アイテムが陳列されており、私は心の中でまるで子供の様におおはしゃぎした。つい表情に現れていたようでベルムも微笑んでいた。


 店内を紹介してもらい、高額なものは店の奥にある鉄格子の中にあるので、見たければ店員に頼む必要があるとのことで、その際はギルド証を提示する必要があるとのことだった。


 そんなやりとりを見ていた店員の一人が近づいてきて、ベルムに挨拶をしてきた。


「ベルムさん毎度です、何やら今回は大分儲かったそうじゃないですか、どうです?ウチのとっておきを見ていきませんか?」

「ハッハッハ!相変らず出回るのが早いな!」

「はいそりゃもう、ウチも商売ですから」

「どうする?タダノは見てみたいか?」

「はい!是非見たいです!」


 そうして、私は鉄格子で厳重に管理されているこの店のとっておきの防具を見に行くことにした。

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