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異世界小説家  作者: キクメン


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27:水上歩行

 最初のレッドスライム部屋を攻略して帰ってきた私は攻略完了報酬で手に入れたブーツを愛おし気に両手に抱いて家に戻ってきた。


 何といっても「水上歩行」である。これが喜ばずにはいられるかというものである。正直今すぐにでも試したいところだ。


 しかしそれも明日のお楽しみだと我慢して、まずは今日の出来事をタブレットPCの異世界記録テキストに書き込んで、夕食の準備をすることにした。


 夕食は冷凍食品のドライカレーをフライパンで炒めて食べて、牛乳を飲んで、食後はピンクグレープフルーツの残り半分を食べた。


 今日は風呂にお湯を張り、入浴後は最初のレッドスライム部屋攻略祝いということで、アイテム格納バッグの中のリュックの中に入っていたアイスを取り出して、買った直後の全く溶けていないアイスをしみじみ味わって食べた。


 その後ちゃんと眠くなってきて布団に入ったところで、やはりお腹が空いて眠くなるのは当たり前の話だが良いもんだなぁとつくづく実感して暖かい布団に包まれながら眠りについた。


 翌朝、朝食を食べた後で原付バイクに乗って近くの川に向かった。向かったのは前回岩を勝手に持ってきた河川敷ではなく別の河川敷であり、そこは軽トラでは河川敷まで近づくことはできないが、原付バイクなら近くまで行けて、前回の場所以上に人目に付かない場所だったのでチョイスした。


 私は最初からブーツを履いており、原付バイクから降りて河川敷へと向かっている段階で既に足取りが非常に軽いことに驚き喜んだ。


 ちなみに玄関でブーツを履いた時、最初はちょっとサイズが大きいかなと思ったが、足を入れ終わった途端にブーツの方が縮んできて私の足にジャストフィットするようになったので大いに喜び、ブーツを脱ごうと頭で思ったら今度はすぐにサイズが大きくなってスポッと簡単に脱ぐことが出来た。「最高かよ」と口に出たくらいだった。


 ともあれ河原についた私は試しに大小様々な石で歩きにくい河原の上でごく軽くステップワークしてみたのだが「ウソだろオイ」と口に出してしまう程の驚異的な速度と距離に、ともすれば目が追いつかない程だった。


 これはしっかり練習して慣れておかないとバランスを崩して槍の攻撃にかなり悪影響が出そうだと少し真剣に考え込んでしまったが、気を取り直して今日の何よりもお楽しみの水上歩行を試して遊んでみることにした。


 河原から浅瀬に向かってそのまま歩いて行くと、脳内ではブーツが川の水を突き抜けて浅い川の底に接地するという想像をしているのに、普通に舗装された地面に接地したかのような間隔で水面の上にしっかり立っているものだから、私はすごく可笑しそうな笑顔で「これは脳がバグる!」と口に出して笑ってしまった。


 両足共に水面の上に乗せて、何歩か歩いてみたところで浅瀬の上を川に沿って走ってみたが、しっかりとまるで靴底で地面を蹴っているかのように水面を蹴ってダッシュすることが出来た。それも尋常じゃない速度で。


 沈まないことを確認したので、今度は水深が深いところまで行ってみた。少しだけ怖かったが全く問題なく水面に立ったままで、その場で停止していると、ゆっくりと川の流れよりも少し遅い速度で上流から下流に移動していき、これがまた実に愉快で私は子供の様にはしゃいで大いに楽しんだ。


 あまり長居すると人の目に触れるかもしれないので、残念ではあるが家に戻ることにした。


 家に戻ってからは、誰の目にもつかないお爺さんの家の庭で槍を構えてステップワークと槍の練習をした。


 やはりブーツの性能が良すぎて槍を繰り出すタイミングが遅れる上に、急激なサイドステップからの方向転換では上半身がついていけずにバランスを崩し槍の攻撃も実にお粗末なものになってしまった。


 これでは宝の持ち腐れだということで、まずはまともに動けるまではレッドスライム部屋には行けないぞと、ひたすらにステップワークを行った。


 5時間ほどもひたすらステップワーク練習を行ったところで昼になったので昼食タイムとすることにした。


 まだまだ完璧ではないが、午後からは槍を持って突き出す動作も加えて午後3時まで練習し、いったん家に戻ってバナナを食べてから、レッドスライム部屋へと向かった。


 見慣れた青黒い石の扉を軽々と開けて、中の様子を窺うと案の定バランスボール程の大きさのレッドスライムが2匹いた。私は一つ深呼吸をしてから中へと入っていった。


 すぐに部屋の角隅に移動して、アイテム格納バッグを置き、槍を構えてまずは1匹目のレッドスライムへと近づいて「情報」と頭の中で念じた。


-------------------

レッドスライム中(希少)

レベル:9

生命力:9

魔法力:0

持久力:9

攻撃力:9

防御力:9

素早さ:9

幸運度:0

魅力:0

魔法技能:0

異常耐性:0

-------------------


 想定通りのステータス数値に頷いた自分は、見た目は大きいのに生命力と持続力が一桁なのに少し驚いた。これがゲームだとしてみた場合、プレイヤーである自分はなんと優遇されていることか。こっちは生命力や持続力は80もあるのだ。


 これまでもそうだが、バランスボール程の大きさであるにも関わらず、こちらの攻撃が当たれば一撃で消滅したのにもこれで合点がいった。


 私はいつものようにまずは5メートルの位置に近付いたのだが、突然こちら側のレッドスライムの表面がへこんだのが分かったので、慌ててバックステップした。


 まさか対象察知距離が変わったのかと思ったが、そうではないようでたまたま偶然ランダム移動がこちら側だっただけのようだった。


 それでも新しいブーツのおかげでかなり斜め後方にジャンプ出来たので、レッドスライムの対象察知圏内に入ることもなく躱すことが出来た。


 もう一度仕切り直して5メートルの位置に近付こうとしたのだが、そこで思いとどまり今現在の位置、目測でおよそ7メートルの位置からステップインして槍を突き出してみようと思いつき、早速実践してみることにした。


 それ程強く地面を蹴ったわけではないのに、ギュンッ!とバランスボール大のレッドスライムに接近したので慌てて槍を突き出した。


 小さなレッドスライムと違ってサイズが大きい分中心核も大きいので、慌てて突き出しても穂先が狙いを外すことはなく、しかもこれまで以上に予想以上に移動速度が出ているのでその速さにのって槍の速度も速く、あっけなくバランスボール大のレッドスライムの中心核を貫通して一撃で撃破した。


「ブーツすげぇ!」と、つい声が出た。


 続けて2匹目のレッドスライムに対しても同様にして、まだ7メートルはありそうな距離から一気にステップインしたが全然減速して速度が落ちることもなく加速したままで槍を突き刺すことが出来た。


 最初のバスケットボール程の大きさのスライムと対峙した時と比べて実に簡単であっけない勝利で、バランスボール大のスライムは毎回倒すのがラクなボーナスステージのように思う程だった。


 あまりにあっけない勝利で、そもそもレッドスライム(中)とやらの攻撃がどのようなものかすら確認することなく終わってしまい、とりあえず地面に出現した濃厚な美しいルビーのようなレッドスライムゼリーを手にして家に帰ることにした。


 ちなみに濃厚レッドスライムゼリーは以下のような性能だった。


-------------------

レッドスライムゼリー+(希少)

魔法力回復:100

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