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異世界小説家  作者: キクメン


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16:レベル5

 自らの身体を意図的に痛めつけて酷い怪我までして回復魔法を試してみた私はひとまず結果に満足したので、これ以上敢えて自らの身体を痛めつけてあれこれ実験してみるのはやめた。


 痛みはすぐ消えたとしても心理的な痛みが残ることを心配したからだ。


 とりあえず当初の目的である回復魔法の使い方と効果が分かったので、後はひたすら回避とスタミナ切れで動かなくなったイエロースライムの中心核を踏んづけて倒す作業に取り掛かった。


 結局またしても朝6時過ぎには終わってしまい、その後タップリと時間を持て余すことになってしまった。


 相変らず腹も減らなければ喉も乾かず、おまけに疲れ知らずな上に眠くもならないので、もしも私が何かしらの仕事に就いている者ならばこれほど有難い事はないのだが、今の私の身分ではとにかく退屈で仕方がなかった。


 他にやることもないので、スタミナ持久力の持続時間を知るためと実益を兼ねて、家の大掃除と物の整理を行うことにした。


 ひたすら身体を動かしているうちに昼近くなり、お爺さんの所有物を整理整頓している時に久しぶりにお爺さんに会いに行こうと思い、お爺さんが入所している高齢者介護施設に電話して明日面会に行く予約を入れて、お爺さんに何か要り様の物がないか尋ねたが、何も要らず元気な顔を見せに来てくれるだけで良いと言ってくれた。


 そうは言っても何も持たず手ぶらで行くわけにもいかないと思い、少し遠い和菓子屋まで軽トラで出かけて施設の職員さん達へのお土産も兼ねて大福かどら焼きセットを買いに行くことにした。


 特に何事もなく結局大福とどら焼きの両方とも16個入りのセットを買って帰宅すると、しばらくして宅配便がやってきてネットで購入したカメラの三脚を届けてきた。今にして思えば別に買わなくても良かったなと少し反省した。


 今日もまだ全く眠くならないので、夜は今日自らの身体で試した回復魔法について、タブレットPCで記録しているテキストに追記した。


 記載しながら考えたことは、私の回復魔法【小】ではどの程度まで生命力を回復出来るのだろうかとか、減った魔法力はどうすれば回復するのだろうかなどと考えた。ちなみに生命力はよくあるゲームで言うところのHPに該当し魔法力はMPに該当するのだろう。


 さらに仮説に過ぎないが、スタミナが切れて弱ってるイエロースライムも、元気なイエロースライムも攻撃力は等しく5で、プロテクターをしていると1にまで弱められるようだが、恐らく明日スライム部屋を攻略すればレベル5になるはずで、そのことから今攻略している部屋のイエロースライムのレベルも5なのではないかと考えた。


 それにしても確かに今のところは初心者用のチュートリアルのような感じがするが、それならばもっとあれこれ説明して欲しいものだと思った。


 だがすぐになんでも教えてもらうのをあてにしたり期待するのは、それはそれで何か違う気もして、もっと自分であれこれ考察しないとだめだなと考え直すことにした。


 そうして色々と思いつくことをテキストに追記していき、さらにそもそもあの異世界は誰が何のために用意したのか、そして他にも私の様に異世界に行っている人はいるのかなどと考えた。


 ネットで検索しようかと思ったが、自分の家で自分の端末で検索するのはやめようと思った。調べるならネカフェなどでなるべく顔が分からないようにマスクやメガネをして行こうと思った。我ながら用心深いというか、良く気が付いたものだなと感心してしまった。


 そうしてなんとか今日も退屈せずに朝を迎えることが出来た。といってもまだ朝の4時だ。私は装備を整えてすぐにスライム部屋へと向かった。


 これまでと同じならば、4日目の今日でこの部屋の攻略は完了してレベル5になり、次はバランスボール程の大きさのイエロースライムが2匹出現する部屋になるだろう。報酬アイテムが何かも楽しみだ。私はウキウキした気分で扉を開けて中に入った。


 昨日は回復魔法の調査のため、プロテクターなしでイエロースライムの攻撃をまともに受け、とりわけ左腕の酷い惨状を目にして激痛を味わったから、イエロースライムを見て恐怖で萎縮するかと思ったが、全くそんなことはなかった。


 いつも通り全く危なげなく油断やミスをすることもなくひたすら回避につとめ、30分頃にスライムがスタミナ切れで動けなくなったところで、ジャンプして中心核を踏んづけて倒した。


 レベルアップと報酬内容が早く知りたいので、今日はもったいぶらずに休憩もせずに連続して倒し続けたので2時間後には4匹全てを倒した。


 すると予想通り黄色い枠と文字が表示された。


-------------------

多田野(ただの) (ひとし)

20歳男性

レベル:4⇒5

生命力:40⇒50

魔法力:28⇒50

持久力:39⇒50

攻撃力:4⇒5

防御力:4⇒5

素早さ:4⇒5

幸運度:4⇒5

魅力:4⇒5

魔法技能:4⇒5

異常耐性:4⇒5

【スキル】

ステップワークLv4⇒Lv5

キックLv2⇒Lv5

槍使いLv4

【魔法】

小回復

-------------------


 前回の戦闘で減少したままの魔法力と持続力がレベルアップで一気に上昇したのを確認し、お約束お約束とニヤリと笑いながら頷き、続いてスキルを確認すると、キックのレベルが三段跳びで一気にレベル5になったのには驚いた。そしてお待ちかねの報酬アイテムは何だろうかと足元を見た。


 足元にはイエロースライムゼリーと、銀色の槍が出現していた。


 私はすかさず「ウォーッ!」と大声を上げて喜んだ。これは一体偶然だろうか、それとも何か意図的なものだろうか、私はとても運命的なものを感じ、大いに感激した。


 私という人間も単純なもので、もうこうなったら自分は槍使いとして生涯その道を極めようかなどと、一体お前はいつの時代の人間だとツッコミたくなるようなことすら真剣に考えてしまう程だった。


 時刻はまだ朝の6時ちょっと過ぎだし、この槍の威力も是非とも試してみたいということで、私はそのまま次の部屋へと向かうことにした。


 5分程で扉の前に到着し、いつも通り向かって左側だけの扉を開けて中の様子を確認した。大分扉も軽く感じるようになった。


 外から中の様子を窺うと、案の定バランスボール程の大きさのイエロースライムが2匹いた。


 すぐにでも新しい槍、私がステンレス製物干し竿を使って作ったようなお粗末なものではない本物の槍を試したくて仕方がなかったが、いかんいかんと頭を振ってまずはしっかり観察するんだと頭に言い聞かせて深く深呼吸して頭を冷やした。


 しっかり目を凝らして観察すると、やはり動きの機敏さと移動距離において青いスライムよりも向上しているのがすぐに分かった。ただサイズが大きいので移動する前に表面がへこむのを確認するのは容易で、今の自分なら危なげなく回避出来そうだと思った。


 となると後は対象察知距離の確認だということで、私は部屋の中に入っていつものようにまずは5メートルの位置にまでスタスタと近づいた。


 一応いつでもステップワーク出来る心構えではいたが、やはり5メートルはまだ対象察知圏内ではないようで、私はまずそこから4メートルの位置にまでにじり寄った。


 4メートルの位置でもまだイエロースライムは反応しないので、これはもしや同じ色のスライムはサイズの大小関係なく同じ対象察知距離なのではないかと考えた。


 そこで次に3メートルを少し割ったと思われる距離までスッテプインして、着地と同時にすぐにバックステップしてみると、まさしくイエロースライムはこちらに向かって体当たりしてきた。


 私は目を背けることもなくしっかり見据えたまま難なく回避し、次は槍を試す番だとニヤリとした。

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