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あやかしメガネ

 体育館からボールの音が聞こえるという情報があやかし相談所のホームページに書き込まれた。誰かがいれば普通のことだが、誰もいないときに聞こえるらしい。昼夜問わずということだ。


 さっそく、体育会系のコンジョーが俺の出番だとビビりのくせにはしゃいでいる変な奴だ。暑苦しいタイプの熱血男で、筋肉質の体育会系だが、怖がりだ。サッカー部に入っていて、背が高く体が大きいのを生かし、ディフェンスの鬼と言われているらしい。


 コンジョ―は短めのツンツンしたスポーツマンらしい髪型だ。そして、実は昔から怖い話、不思議な話が大好きで、私たちの能力や活動にとても興味をもっているようだ。彼自身に霊感や特殊能力はないが、一般生徒代表として入会したいらしい。そういえば、あやかし相談所には普通の生徒はいなかった。みんなあやかしか、人間でも特殊な能力を持った人しかいなかった。一般生徒第一号といったところだろうか。


 勇気は認めるが、危ないこともたくさんある。

 そして、モフミやモフスケのことは見えないので、彼に1から説明しないといけない。そして、あやかしたちのことも説明しないといけない。しかし、彼には見えないので、信じてもらえないかもしれない。


 ひととおりあやかしのことを話した。もしかしたら、怖がって、入るのを辞めるかもしれないと思ったからだ。しかし、彼は入会したいと絶対に引き返す様子はなかった。


 城山先生がすごいアイテムを持ってきた。

「あやかしメガネだ、金城君かけてみて」

 先生が手渡した。一見普通の眼鏡なのだが――

 このメガネをかけると霊感がない人でもあやかしが見えるというものだ。


「城山はああみえて、大学ですごい研究をしたんだけど、子供好きで中学教師になったらしいぞ。今でも趣味はアイテムの開発だ」

 タイジは親戚だけあって、詳しい経歴を知っている。


「もっとすごい発明もしているの?」

 気になって聞いてみた。私は好奇心の塊だから。


「あまり使えないものばかりだけど、趣味だからな。地位や名誉のためにやっていないから世間は知らないってことだ」

 タイジが少し迷惑そうに説明した。


「もったいない!! お金持ちになったり賞も取れると思うんだけど」

 私が先生に言うと――


「賞とか名誉とか興味ないっていうか……。どちらかというと楽しいから色々作っているだけで」

 ニコッと笑う先生は無欲だ。


「もっとお金がほしいとかそういったところがないところが大好きですわ」

 華絵さんはすっかり先生に惚れこんでいる。


 あやかしと共に生きていってもいいと思っているような城山先生は変人だが、あやかし相談所には必要な人材だと思った。いい人で、変人な城山先生と華絵さんはお似合いだと思った。


「ありがとうございます。このメガネをかけると見えないものが見えます。わぁー、華絵さんって美少女ですね。そして、優菜さんはかわいい系。こんなあやかしなら大歓迎っす。モフモフかわいいっす」

 コンジョーは興奮していた。見えないものが見えること、そして、あやかしが美しい少女だということに。

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