第24話 甘えてくる幼馴染みをどうするか…… 〜VS スカルドラゴン〜
魔王が操っていると思われるボリスに標的を合わせる。
『【水生成】の魔法を反則強化するね——成功したよ!』
僕の手の先から、水がしたたり落ちる。
同時に、ボリスの顔が真っ赤になっていく。
「ぐ……。何を……」
「リィト、お前……いったい何をした?」
彼の——男の声が漏れた。
ボリスが倒れ、もがきながら床を転げ回っている。
苦しむボリスを見て、グスタフは目を見開き驚いている。
そうだ。グスタフはこの魔法を知らなかったな。
敵対するようなら、容赦なく使おうと思う。
チコの歩みが止まった。
そして、僕らの元に戻ってこようとしている。
やった!
「騎士といえど脆弱でありんすね……仕方ありんせん」
ボリスが目を閉じたかと思うと、細い黒い糸のようなものが体から湧き出て、全身を覆った。
何か黒い繭のようなものに包まれ、そこから全く別の者が姿を現した。
カトレーヌさんより露出が高く、必要最小限の黒い布しか身につけていない。
「悪魔……か?」
グスタフがまた目を見開き、それを凝視した。
さっきから開きっぱなしだ。
「そんな下等なものと一緒にしねえでおくんなんし。あちきは……そう、魔王」
「ま、魔王——」
今さらのように、グスタフが驚いている。
まさかずっとボリス本人だと思っていたのか?
「全然足りんせんね……やはり勇者や聖女クラスでなければ」
そう言って、ボリスだったもの——魔王はマエリスをにらむ。
隣のグスタフでは話にならない、とでもいうように。
「リィト、あれなに?」
「どうやら魔王らしい」
マエリスは僕に抱かれたまま、僕の手を握り、まるで魔王の視線から守るように胸の辺りに手を置いた。
もう元気そうだし、そろそろ立てそうだな。
「もう、大丈夫? 立てる?」
「……このままがいい」
「はぁ?」
「ダメ?」
甘えてくるマエリスを、説得して立たせる。
立ち上がっても、手だけはつないだまま離してくれない。
僕らはマエリスの【聖域】に守られているため、そんな余裕が生まれていた。
チコが僕らの近くまで戻って来た。
僕とマエリスは、彼女を間にして、それぞれ手を繫ぐ。
「リィト! マエリス!」
チコは、いつも以上にはにかんで、僕とマエリスを交互に見た。
色々話したそうだけど、後回しだ。
「あちきの前でイチャつくなどいい度胸でありんすね。そんな小賢しい魔法など、今すぐ砕きんしょう! 【不死者生成】!」
地響きとともに、現れたもの。
巨大な……家ほどの大きさの、骨だけになった——アンデッドのドラゴン。
あまりに大きいため、部屋の壁を破壊して広くしてしまった。
「ス、スカルドラゴン?」
グスタフが腰を抜かしている。
確か、脅威度Aの死をまき散らす怪物だ。
「【識別!】
『
識別結果だよ!
名前: スカルドラゴン
脅威度:A級 (街一つを滅ぼす)
属性:アンデッド
備考:魔法、および魔法を帯びた武器でしか攻撃が当たらない
火・水・風・土属性魔法無効
攻撃:
爪、牙:即死攻撃あり
ドラゴンブレス:アンデッド化するガスをまき散らす
所持品: なし
追加情報
弱点:聖属性魔法、聖属性武器
』
確かに、スカルドラゴンは格別に強いのだろう。
だけど、僕には強い危機感はない。
「じゃあ、いくわね! 【不死者退散】!」
マエリスが先手を打つ。
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