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第■■■話 信じられぬ神

これは、十四の悲劇と最悪の英雄譚だ。




「ふざけるなぁぁぁぁ!」



…………



「ふざけるな!俺はこんな結末のために戦ったんじゃない!」


………………



「俺は、このふざけた地獄を終わらせる為にここに来たんだぞ!それなのに、これじゃ……これじゃ、意味ないじゃないか……」



……そんなことはない。お前は充分頑張ったさ。その証拠に、ほら、たった今世界を救ったじゃないか。



「これじゃ……俺は、また、何も守れなかった……」



まあ、それは間違ってない。君は何一つ守れなかった。でもまあ、よくここまで耐えたもんだよ。最高記録更新じゃないかな?今回はなかなかの健闘ぶりだったよ。



「お前は……」





「お前は、何のためにこんな……」



はは。君がそれを言うのか。そもそも、これは君が願ったことなんだよ?覚えてないだろうけどね。


「……」



さて、そろそろ時間だ。次は救えるといいね?反逆の神君?



「……俺は」



君は救えなかった。何一つ。そしてその結末に納得できずに、君はまた巻き戻す。よくあるループものみたいにね。


自分のくだらないエゴのために、世界を壊すんだ。壊して、作って、また壊す。ひどい話だね。神ってのはこんなにもおっかないやつだったんだねえ。



「……違う。俺は、すべてを救うために」



それは本当に救いなのかい?君が救いたかった彼らが、それを望むと?



「それは」



仮に、作り直した世界でハッピーエンドを勝ち取ったとしてさ。

それは、最初に君が生きた世界を、そこで君が愛した者たちを救ったと、ほんとに言えるのかな?


君が救いたかったものたちは、最初の世界が終わった時に、もういなくなっててさ


君が作った世界で、最初の世界と同じように進む物語は紛い物なんじゃ……



「……るさい」



ん?なんて?



「うるあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」



……これは、この悲劇が結末を迎えるのはまだまだ先になりそうだね?



……まあ、いくらでも待つけどさ。




…………君が“それ”を認めて、己を信じて救われるまで。いくらでも待つけどさ。そういう約束だから。……でも。でもさあ。





……出来るだけ早く、終わらせてくれよ。






もう、長くは持たないよ……だから、早く、終わらせて    く            れ




これは、傲慢な少年の反逆譚だ。



これは、傲慢なくせに、自分を信じることすらできなかった少年の


少年の形をした化け物の、腐りきった物語を


消し炭にするための、戦いだった

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