オーラリネリア王国1
オーラリネリア王国『水ノ国』
その昔、七人の『高貴なる者』が王と古の約定を結び興ったとされる。その末裔はグランの名を冠し、爵位で表さず『卿』と呼ばれる。国土は広くないため、領地を持っているのはグラン七貴族かその分家。
政治形態:王を中心とした貴族議会。カルロヒューレン王の時代に廃され、以降は実力主義の七賢議会。
軍備:近衛隊長を頂点として以下十番隊。七賢議会発足後は、七賢それぞれが隊長となり七番隊まで。七賢が必要と判断した場合には王の許しを得て番外の隊を編成することが可能。領地では領主の私兵が警護に当たる。
守護獣:水龍。当初はセレナエレーネだったが、彼女が去って後はマリアエレーヌが務める。水の流れを司り、水路を主な移動手段として用いている。
国風:良くも悪くもプライドが高い。見栄っ張りともいう。ラ行・マ行の入った名前が多い。
食文化:海産物が主。洋食がほとんどだが、生魚も食べる。穀物はほぼ輸入頼りの為、保存のきく乾燥パスタが大体を占める。
同盟国:剣の国。フォン・ダン王国。
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歴史に関連する人物
ソルリュート・オーラリネリア
カディルワース白龍王国に侵攻した王。独裁王として名を残す。傲慢にして加虐的。その言葉は甘美な毒、耳にした者は意図せず彼の言いなりになってしまうとも。なんでも手にいれたがる質で、北の国への侵攻も一人の姫に執着してのものだった。ギルドラン赤龍王国の連合軍に敗北し、断頭台で処刑された……はずである。
ミリアーナ・オーラリネリア
ソルリュートの母。穏やかな人物だったが、息子に対する夫の態度に恐怖し、カディルワースへ逃亡した。間もなく亡くなったが、最期まで連れ出せなかった息子のことを気にかけていた。
セレナエレーネ
水龍。オーラリネリア王国の守護獣だったが、ソルリュートの暴政により国が腐敗していくことに心を痛めた結果、精神を病み国を見捨てて去ってしまった。『嘆きの水龍』として語られ、彼女の行く先は誰も知らない。
マリアエレーヌ
セレナエレーネの娘で、母が去った後オーラリネリア王国の守護獣となった。忙しい母になかなか構ってもらえず寂しさを募らせていた時にソルリュートと出会い唯一の主と定める。以降はソルリュートの操り人形のように命令されるままカディルワースの守護獣シュトラウスを殺害する。
大戦後もソルリュートに依存し国の守護獣の役目を放棄していたが、カルロヒューレンの説得とクラーケン討伐戦を機に目を覚ます。恋人の風龍シェルクラウスとは遠距離恋愛とはいえ関係は良好。
エルシア・スノゥホワイト
大戦時、近衛隊長を務めた女性。フルートの最高傑作を持ち、シャチの魔獣を操った。無表情のまま王命に従い多くの人々を虐殺したため『非情な白雪姫』と呼ばれた。しかし幼い頃から「王に仕える」とだけ言い聞かされて育ち、「なぜわたしは王に仕えているのか」と自問し続けていた。その解が得られぬまま戦死し短い人生を終えた。
日之桜風花
桜花国の王女にしてソルリュートの妃。カディルワースの姫に執着するソルリュートを恐れた者達に拐われ、無理矢理妃に据えられた。王宮で息子のカルロヒューレンと共に幽閉されていたが、王とはなんたるものかを徹底的に教え込んでいた。
大戦が終わった後は自らの責任を追及する形で国外追放処分とし、息子を残して桜花国に帰国する。父を王の座から引きずり落とし、その後は女王として桜花国を導いた。
カルロヒューレン・オーラリネリア
ソルリュートと風花姫の息子。通称はカルロ、もしくはレン。外見はソルリュートに瓜二つだが、目の色が異なる。敗戦国の王として、どの国の属国にもならぬよう手を尽くした賢王。水路の整備や議会の改革等国の繁栄の基盤を築いた。しかし素顔は年上の妃に頭が上がらず、その上毎日の味噌汁を欠かすと体調を崩す重度の味噌汁依存症。
笹森真理紗
迷子となっていたマリアエレーヌを保護した結果、拐われてカルロヒューレンの妃に落ち着いた日本の女子高生。拐われたのは風花姫と同様だが、カルロヒューレンとの仲は良好。肩にカルロヒューレンを庇った時の傷痕がある。なにかにつけてカルロヒューレンの頬を引っ張ったりとちょっぴりサド寄りではあるが攻められるのはめっぽう苦手。
ルヴェルヘンルーク・オーラリネリア
カルロヒューレンと真理紗の息子。引っ込み思案だがかなり賢く、学校や図書館といった学習方面に力を入れた知の王。一方、若干の不幸体質が災いしてよく面倒事に巻き込まれていた。
とりあえずはここまで。