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堕天使は渋々働くようです。  作者: 僕
駄天使の堕天
2/4

冒険の始まり

あらすじ

神様に働かないことを怒られる主人公ジルヴィム。特別な職場とは?

「ふが」


 まどろみの中、徐々に意識が覚醒していく。何やら風がいい感じに当たっており、自然の匂いがして気持ちがいい。あれ、何かがいつもと違う。何だろう?どうやら地べたに寝ていたらしい。半身を起こし、瞼を開けると、見たこともない動物や植物が視界に飛び込んできた。


 ……ここ、どこ?

 どうやら日本ではないらしい。元々の担当は日本だが、こんな動物や植物は見たことがない。ここが特別な職場なのだろうか。目を凝らして周囲を観察するが森の木々が丁度開けた場所らしい。大きな角を額から生やした兎、七色の羽毛を持つ綺麗な鳥、花弁が直径一メートルはあろうかという程の大きな純白の花。

 うん、絶対日本ではないことは確か。地球ですらないだろう。

 何故か傍らにはランニングシューズが置いてある。


「……これは神様の仕業だな」


 夢じゃなければ、こんな真似ができるのは神様ぐらいだろう。色んな世界があることは知っていたが、まさか全然知らない世界に転移させられるとは。

 やれやれ、せめてベッドごと転移してくれよ。自慢の白い羽が土で汚れ……あれ?

 何か違和感を感じ羽の付け根に手を伸ばす。


「……ない、羽がない!ま、まさか!」


 次は頭上の天使の輪に手を伸ばす。こっちも消えていた。一体何がどうなって……あれ、何か白いものが空からひらひらと降ってくる。どうやら手紙らしい。ハートの便箋で封をされたそれを慌てて手に取り、読んでみる。なになに……


【愛するジルヴィムへ。これは愛のムチじゃ。お前の好きな剣と魔法のファンタジーの世界で思う存分働いてくれ。立派に仕事をこなすことができたら、天界に帰すことも考えておくので安心してくれ。あ、そうそう天使の力は没収しておいた。天使の力があると簡単すぎるからのぅ。今のお前は人間と変わらん能力のはずじゃ。簡単に言えば堕天使じゃの(笑)しかし儂も鬼ではないので、働きに応じた報酬をやろう。その世界の言語も全て話せるようにしておいてやるぞい。 P・S 大好きなアニメの主人公みたいじゃな。良かったの(笑)】


「……」


 思わず絶句してしまった。天使の力を使えないとなると、かなり難しいぞ。本当に生身で生きていかなきゃいけない。人間の脆弱な体で生きることに若干の不安を覚えざるをえない。

 しかもここがどこだかもわからないし。

 うろたえていると手紙が淡く光りだし、言語の知識や能力が流れ込んでくる。


「なんでもありかよ。えっと『天使報酬』?」


  試しに天使報酬という能力を使ってみると、ネットショッピングのページのようなものが目の前に表示される。

 

 米一キロ=10GP

 醤油=5GP


 といった具合に働きに応じてGPというものが貰え、それを様々なものに交換できる仕様になっているらしい。交換できるものは本当に様々で、下手なショッピングサイトよりも使い勝手はよさそうである。

 それにしてもGPて何かな?あ、ゴッドポイントの略か。

 

「おっ、スマホやパソコン、漫画やゲームもある。レベル上げ効率化なんてのもある、凄いぞこの能力。神様もなんだかんだ優しいなぁ」


 働くのはかなり面倒だが、背に腹は代えられないので頑張ろう。それに、ネット小説の主人公のような状況に少なからずワクワクしている自分がいる。

 人助けしたり、世界の負の因子である魔物を倒すことでGPが手に入るらしい。要は魔物を倒しまくり、人のためになりまくれば、快適な生活を送ることができるのだ。

 

「めんどくせーけど、これで今までの退屈な天使生活とはおさらばだぜ!」


 思い切り立ち上がり、拳をギュッと握り気合を入れる。

 新しい冒険の始りだ!

どうも、僕です。

読んでくれてありがとうございました

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