プロローグ
初めまして、僕です。
拙い文章ですが楽しんで頂けると幸いです。
「ジルヴィムよ。まーたサボっておるのか」
「げっ、神様!」
俺は天使の仕事をサボってアニメ鑑賞に興じていた。そして、俺の名前を呼ぶこの方は神様。星や生物も創造した、いわば世界の管理人と言える。天使は神によって生み出される。神様は俺の親のようなものである。よりによって、その神に見つかってしまうとは……
「お前のぅ、仮にも天使なんじゃから、もっとしっかりせねばならんのではないか?漫画やらゲームやらアニメやらにうつつをぬかすのは結構じゃが、ちとサボりすぎじゃ。仕事をちゃんとやれば何も言うことはないのじゃが……」
今年で生まれて15歳だというに……と呆れたため息をつきながら、神は頭を抱えている。しわくちゃの顔が険しく歪んで鬼の様な形相へ変化する。
「か、神様もハマりますよ。俺が担当してる日本という国の娯楽は偉く発展してまして……」
「ジルヴィムを日本担当にしたのは間違いじゃったな……日本の言葉にはこういうものがあるという。働かざる者、食うべからず。そして、お前のような者のことをニート、だとか親不孝者、と呼ぶらしい。せっかく儂が生み出してやったというのにお前ときたら!」
みるみる顔が赤く塗りつぶされて、今にも血管が切れそうだ。俺のせいだけれど。ここは謝っておくのが得策であることは間違いないだろう。。
「す、すいません神様!明日からは必ず働きます!」
「ほう、その言葉に偽りはないな?」
ギロリとこちらを睨み付け、神のオーラ的なものを体中から出して威圧してくる。さらに、筋肉が盛り上がり何やら地鳴りのような音もする。逆らっちゃいけないやつだこれ。
「二言ありません!!」
「わかった。明日から特別な職場を用意してやる。……ふふふふ、しっかり働くんだぞ!」
そう言い放つとこちらを一瞥し、不気味な笑みを浮かべながら神様は部屋から出ていった。それにしても特別な職場とやらが気になるな。かなりキツイ場所なのだろうか?普通の仕事は死んだ魂を天界に導いたり、人に幸せを与えたり、悪い心を清めたり様々だが。
「はぁ……考えても仕方ないか。とりあえず寝よう。特別な職場とやらに備えないとな」
思考を一旦停止させ、ベッドの中で明日が来るのを待った。