第七話
軍隊アリ、そのアリは昆虫界で最強の一角に数えられる事もあるアリだ。
個体としての力はそれなりだが、群れた場合の危険度は一気に跳ね上がる。
それは正に死の濁流というに相応しい。
数の暴力でありとあらゆる命を食い散らかす。
身動きが取れない状態なら牛や馬、果ては人間でさえも獲物としてしまう。
俺がこのアリを選んだ理由は幾つかある。
地球でも最強クラスの奴が魔力の影響を受けてどれ位強くなるのか単純に興味があるのも理由の一つ。
しかし、最大の理由は俺自身がこのアリが大好きだからだ。
さて、前置きはもうこの辺にしておこう。
軍隊アリを召喚、数は一万。
そしてお楽しみの鑑定タイム。
『軍隊アリ:異界の昆虫。魔力の影響により、顎の力が超強化され、身体の頑丈さも向上した。この世界にとって災厄級の生物』
oh…災厄認定と来ましたか、そうですか。
『マスター、オーダーを』
『先行している索敵組の指示に従い、獲物を狩ってこい。
帰還途中に障害が発生したら同じく排除せよ。
ただし、獲物は素材を売るから余り傷をつけるな』
『イエス、マスター』
狩りは虫達に任せて、俺は少し実験をするとしよう。
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