第六話
虫達が帰ってきたので早速鑑定してみる。
『オニヤンマ:異界の昆虫。魔力の影響を受け、複眼の性能と飛行能力が大幅に上昇している』
『イエバエ:異界の昆虫。魔力の影響を受け、複眼の性能と飛行能力が大幅に上昇している』
なるほど、魔力の影響を受けて強化されているのか。
この調子でいくと召喚するモノは全て魔力の影響を受けて強化されそうだな。
本来複眼の視力というのは人間の視力を1.0とすると0.3〜0.02位なのだが、報告の速さから想像するにほぼ同じ位まで強化されていそうだ。
また時間のある時に検査してみよう。
それは一旦置いておくとして出口に向かって進むとしようか。
万が一戦闘になった時の為に…ん〜、そうだな…。
カマキリでも用意しておこうか。
カマキリを10匹程召喚してから虫達のナビゲートに従い、森の出口に向かって歩く。
まぁ、出口に行くまで敵には出会わなかったのはいいんだ。
問題はこの後なんだよ。
「街に入るにしても身分証はなし。
かといってお金も持っていない」
そう、このままでは街には入れない。
異世界でお金になるものって言えば、やっぱり魔物の素材な訳で。
『森の中にいる我が子達に聞く。
森の中で一番大きな獲物はなんだ?』
『マスターに返答。
他の個体達との索敵の結果、森の中で一番大きいと思われる獲物は熊です』
『マスターに申告。
例の獲物は水辺付近で入眠中です』
熊か…よし、それを狩ろう。
『今から軍隊アリ部隊をそちらに向かわせる。
部隊をナビゲートし、見事討伐してみせろ。
獲物は持ち運びやすい様に解体しても構わないが原型が解る程度にするんだ』
『『イエス、マスター』』
さぁ、狩りを始めよう。
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