第四話
まず前提としてあるのが生き残る為に役立つ能力が必要という事だ。
知識や読み書きが出来ると言っても生き残る事が出来るとは限らない。
ましてやこっちからしてみれば未知の世界、剣と魔法の世界と言うなら魔物も出て来るだろうから、その対処も考えなければいけない。
そこで必要になってくるのは『情報』である。
異世界モノの小説でよく見かける鑑定スキルなどは対象の真実の情報を知る事が一方的に出来るから強いのだ。
最近では鑑定スキルに対抗するようなスキルが出て来たが、見慣れぬ食べ物が安全かどうかや食用可能かどうかを見分けれるだけでも助かる。
一つはこれで決まりだが、他にはどうか?
実を言うと友人とこんなケースがあればどうするかと考えていた事がある。
それは『蟲の召喚・使役を行える能力』
何故に虫ではなく蟲なのか。
虫は主に昆虫類を示すが、蟲は生きとし生けるモノというほぼ全ての生物に当てはまるのだ。
こうすればあらゆる生物を使役する事が出来るから便利なのではないかと思った。
それに召喚・使役出来るのが昆虫類が主になっても構わないと考えている。
昆虫類は人間よりもずっと小さなモノ達が多くて情報を集めやすい上に、一個体がほぼ何らかの特殊能力を持っている。
毒を持っている個体もいて、数がいれば戦闘とかにも参加出来そうだ。
うむ、やはりコレにしよう。
「欲しい能力なんだが『鑑定』と『蟲の召喚・使役』、『その二つをノーリスクで使用出来る』でお願いします」
「解りました。
ちょっと失礼しますね」
アリアが自分の頭に手を置き、目を閉じる。
頭がチクッと針で刺された様な痛みがあったが能力を定着させてくれたのかな?
「はい、能力は渡し終えましたよ。
蟲の召喚・使役に関してですが、召喚した蟲との意思疎通は出来る様にしておきました。
あとこれが一番大事なんですが、そのスキルで召喚出来るのはこちらの世界の生き物だけとなっていますからご了承ください」
「了解しました」
もし向こうの生き物を呼んで、街中で魔物が暴れたりしたら大変だもんな。
「それでは新たな人生を楽しんできてください」
読んで頂き、ありがとうございます。
次から異世界に突入します。