第三話
「貴方は確かにこちらの世界で死んだのですが、ちょうどそのタイミングでこちらの世界に歪みが発生しまして…。
その歪みはすぐに直したのですが、その時にどうやら貴方に影響を与えてしまったみたいなんですよ。
幸か不幸か影響を与えたのは貴方の名前に関する事だけだったみたいですので、それならば私の管理する世界に来て頂けないかと思いまして」
「自分の名前が消去されたのとそちらの世界に行く事の関係性がいまいち見えてこないんだが…」
別にそっちの世界に行くのは構わない。
異世界転生モノの小説は大好きだったからな。
だけど自分に降りかかるであろう障害は出来るだけ排除しておかなきゃいけない。
「普通なら死んだ場合は死後の世界に行き、あるべき処置を受けてから地獄と天国に振り分けられて輪廻の輪に入るのですが、貴方の場合は私の管理している世界の歪みの影響を受けたせいで魂に刻まれた真名が消えてしまったんです。
なので今の状態では貴方は輪廻の輪に入る事が出来ず、最悪の場合魂が消滅してしまって次に生まれ変わる事が出来なくなってしまいます」
なるほど、今の自分の状態は解った。
「そちらの世界に行く事でそれが解消されると解釈しても?」
「そう解釈しても大丈夫です。
つきましては私の世界に転生するにあたって、いくつか能力を与える事が出来ますがどうしますか?」
これが俗に言う異世界チート転生という奴か。
「ならばその前にいくつか質問させて欲しい」
Q.そっちの世界はどんな世界?
A.こちらの世界でいう剣と魔法のファンタジーな世界と言えば解るでしょうか?
Q.魔法は誰にでも使える?
A.使えます。魔力量は人によって違います。
Q.魔法の属性は?
A.火・水・雷・土・風等の属性魔法、主に身体強化に分類される無属性魔法があります。
Q.主な貨幣の価値は?
A.金貨、銀貨、銅貨があります。こちらの貨幣価値と照らし合わせるなら銅貨が一枚100円、銀貨一枚で1000円、金貨一枚で10000円です。
Q.転生する時に向こうの世界の知識や読み書きは出来る様にして貰えるか?
A.出来ます。こちらの都合で転生して頂きますのでそこはサービスしときます。
大体の質問は終わったか。
「質問に答えて頂き、どうも」
次は転生する時に貰える能力を考えなければな。
読んで頂き、ありがとうございます