プロローグ
この作品は「血」や「殺す」、「死ぬ」などの表現はありますが残酷なシーンは少ないと思うのでご安心を。
息絶え絶え劫火を燃やし、漆黒の王はこの世とあの世を時紡ぐ。
水面に映える蒼き瞳は禁忌の契約を犯し、
果てる先は白色の龍となろうか?失脚の虎となろうか?
「混沌の前世に魅入られて尚争いなど無くならぬ。
なら我が命朽ちるまで、炎上しあらゆる迷いを葬ろう。
至極は幾年破壊し、盤上の駒と成り果てようと・・・。
混血に満ちたこの世界を燃やしつくす。
新たな息吹を勝ち取るために。」
体に血痕の鎧を纏い、金色の王は今と未来の時紡ぐ。
失いし民や親族を胸に抱いて争うのは、
未来への希望か?恨みという名の穢れか?
「恨み妬みが絶えぬのなら、その根源を消し去ればいい。
その為、命を落とすとしても光が我らを導くなら、その導きに応えよう。
漆黒の暗闇に何が待っていようと言うのか?
待っているのは破滅と絶望だ。」
交わらぬ者はいつかは交わるのだろうか?
否。それが水と油なら幾千の時を懸けても交わらぬ。
それがこの世の理であるからだ。
漆黒に身を染める者。
金色に魅入られる者。
理からは逃れられない。
争いはいつの世も起き、生きる全てを苦しめ侵してゆく。
この世で小さい争いでさえも、後の破滅のカウントダウン。
誰かがこの世を支配したとしても争いなど無くなるはずも無い。
誰も理から逃れられないのだから・・・。
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ある超宇宙に地球に瓜二つの惑星がある。
惑星シリホルギニア。
この星は生まれて999年と言う幼い惑星である。
しかし文明は進化し地球とは異なった力がある。
それがリンクス。
契約の名の元に生れし力。
その昔、強大な力を操る4人の王が、この惑星を支配していた。
今も王は違えど、この星は4大国によって支配が行われている。
世界の約半分の領土を占めるステラ王国。
リンクスの聖地にして鉄壁の土地を持つ、ブリュハエル王国。
古代、漆黒の王が都を築き、殺戮と繁栄の象徴とされた、デモニオ王国。
同じく古代、漆黒の王と並び恐れられた金色の王が都を築き、平和と憎しみの象徴と言われる、ルーチェニオ王国。
この星に真の平和など無く、だからこそ皆が真の平和に憧れた惑星。
争う先に真の平和が待っているとでも言うのだろうか?