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Fox Tale  作者: すずらん
第一章
2/6

 ピピピッピピピッ・・・

 やかましいスマホのアラームで目が覚める。時刻は7:00カーテンを開けるとすがすがしい朝の光が迎えてくれる。10月の肌寒い空気に震えながら着替えを済ます。朝食はコーヒーとトーストにバターを塗っただけのシンプルなもの。「いただきます」日本人なら誰しもが言うことを口にしつつさっさと朝食を食べ終える。

「行ってきま~す」だれもいない誰もいない家にそう言ったあと自転車に乗り学校までの道を急ぐ。

 俺は<橋本 直樹>小さいころから変な夢を見続けている特に取り柄があるわけでもない普通の高校二年生

 「おっす~、相変わらず眠そうな顔してんな。今回はどんな夢見たんだ?」

教室に入るなり一番に声をかけてきたやつは<鈴木 陸>ホントどこにでもいそうな名前の明るい奴。俺とは小中高となぜかずっと一緒にいる幼馴染。まさかこいつ裏で手まわしてずっと俺に付きまとっているのか?いやそんなことは無いだろう...多分...

 「相変わらずなのはそっちだろう。開口一番人様の夢のチェックしやっがて。俺だって好き好んで夢を見てるんじゃねーよ。」

 席に着きつつ突っ込みを入れる。

 「んでんでんで?内容のほうは?」

 見てわかるようにこいつはちょっと変人だ。ビミョウにオタク臭もするがほんとかどうか定かではない。

 「なんか歴史の勉強させられたよ。それもこの世界のものではないようなものだった気がする。竜がどうとか、人がどうとか、まぁあんま覚えちゃねーけど」

 昨日の夜みたことを話したら珍しくまじめに考える陸。どうしたのか聞こうとしたら

 「ふむふむ、、やっぱりお前ネタに尽きん奴だよな!!お前といると飽きがこない!w」と抜かしやがった。

 「お前なぁ~」

 俺があきれた眼差しで見ても当の本人はというとケラケラ笑っていた。

 「ほらさっさと席つけぇ」

 担任の先生が来たことにより陸はおぅっと、いっけねっと席に着く。そのとき「後で詳しく話聞かせろよ?」と言っていくあたりほんとに退屈なんだなと思う。今日もいつもどうり平和な一日を過ごせると思い俺は10月の心地よい日差しを浴びながら睡魔と闘いながら授業を受けた・・・

 放課後俺は陸の厳しい尋問(雑談含む)につき合わされた後帰路に就く。この高校は高台に建っているので周りの景色がよく見える。その時だった。空の果て雲よりも上に何かが光ったように見えた。

 「ん??なんだ?」

 俺は若干日が沈みかけ星を夕日が照らす空をよく眺め見た。そして見つけた。はるか上空で何かがもつれあいながらこっちに向かってくるのを。だんだん近づいてくるにつれはっきりと見えるようになる。

 「...竜だ」

 ポツリとつぶやく。開いた口がふさがらなかった。アニメや漫画でしかみなようなものが二頭、それも空で暴れていたらそうなるのも仕方がなかっただろう。その時竜の動きが止まりこっちを見る。おれは恐怖のあまりただ立ち尽くすことしかできなかった。二頭の竜はなにか言い合ったあと再びこちらに向きなにかを呟く。そこまでだった俺が意識を保てたのは・・・

 二頭の竜は夕焼けに照らされその姿を薄くし、やがて消えていった。その日こっちの世界で橋本直樹の存在が消えた。跡形もなく、全て、まるで存在していなかったように。橋本直樹に関するもの全てを焼き尽くさんがごとく・・・

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