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序
生まれて初めて小説を完結させることが出来ました。
拙作の上、長文ではでは御座いますが、楽しんで頂けたら幸いです。
鍬を打ち下ろす。娘の身体が跳ねる。
鍬を打ち下ろす。娘の身体が跳ねる。
鍬を打ち下ろす。娘の身体が跳ね、二つに分かれた。
二つを四つ。四つを八つ。
まるで童歌のようだ。童だった頃を思い出す。
友人たちと神社の石段を駆け登った。御神木の松に攀じ登った。
誰の松毬が一番大きいかな。
八つを十六。ええと次はいくつだっけ。
肉は硬いな、土より硬い。骨は脆いな、石より脆い。
鍬を打ち下ろす。娘のことが好きだったから。
鍬を打ち下ろす。娘のことが好きだったから。
好きで、好きで、たまらなかったから。
おおい。返事をしてくれよ。
寂しいじゃないか。
寂しいじゃないか。
鍬を打ち下ろす。
おおい。
鍬を打ち下ろす。
おおい。
いま、いくつだっけ?