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なんとか髪のはねを直し、朝食の席に着いたのは10分後だった



「あら、嶺。天辺の髪がはねてるわよ」



母さんがキッチンから朝食を持ってきながら言った







「なかなか直らないんだよ。毎朝のことながら嫌になってくるぜ」




俺の言葉に母さんはからからと笑う




「あなたは癖っ毛で固い毛だもの。仕方ないと諦めるしかないわ」






…この母さんのよくわからないポジティブさを少し分けてほしいような気がした







とりあえず、朝食を頂くことにする






今日の朝食は、俺の大好物のサンドイッチだった





パンは基本的になんでも好きだが、一番はサンドイッチだ





ちなみに、ツナのサンドイッチが一番好き





うん、今日も旨い





このツナとマヨネーズのハーモニーがたまらない




俺はサンドイッチを頬張りながら思う






「あ、ひょーいや」






「口の中にモノが入ってる状態で話さないの」






…軽く怒られてしまった









口の中のモノを飲み込んでから、俺は話し出す







「そーいやさ、今度中学の国語で自分が生まれた時ってので作文作るらしいんだよ。んで、あったらでいいんだけどさ、俺が生まれた時の写真とかある?」







「あら、嶺が授業を真面目に受けようとしてるなんて珍しいわね」







…親としてその発言はどうなんだ






「俺がいつも不真面目みたいな言い方しないでくれよー。俺はいつでも真面目だよ」




「つい最近、担任の先生に呼び出されたのは何の用事だったかしら?」




母さんが少しおどけたように言う







いや、あれは…



確かに頻繁に授業を抜け出したり、教室にいても寝てることは多いけども!



つい先日、俺は担任からこのままでは高校受験出来なくなると脅しを受けたのだ





「…少し真面目になろうかと思いまして」







「ふふっ。まぁ学生は遊んでなんぼですからね」









…子どもの俺が言うのもなんだが、緩すぎないか?





「話が脱線したけど…写真ある?」




「探せばあるんじゃないかしら?探しておくわ。それより、時間大丈夫なの?」






母さんの言葉ではっとする






俺はサンドイッチを一気に口に突っ込み、玄関へと走った





「いっへひまふ!」






「転ばないようにねー」








…中学生の息子にかける言葉じゃないような気がするのは俺だけか?


























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