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序章
いつも、俺は夢の中で誰かと一緒に居た
顔はぼやけて見えないのに、そいつの見事な金髪だけが、やけに印象に残っている
まだ幼い俺とそいつはいつも2人で遊んで
2人で勉強して
2人で怒られて
いつでも2人一緒だった
でも、俺はこいつの名前すら知らない
「ーーー‼︎」
夢の中で、俺はそいつの名前を呼んでいるのに
自分の声なのに、聞こえない
この夢を見るとき、俺は幼い俺たちを後ろから眺めているような状態だ
なぁ…
お前、誰なんだ…?
どうして、俺の夢に出てくる?
俺の問いかけに、幼い俺たちはまるで聞こえていないかのように遊び続ける
不意に
何かに、力任せに引っ張られる様な感覚がした
ああ、夢が醒める