お題もの、その二
ヴィィン・・・・。
機械独特の妙な音を立てて、僕のパソコンをネットに繋がらせる。
まぶしい位の光を僕の目に届け、視力の低下を促すが、それを無視。
見ないふり。
かちゃ、カチャ。
入力していくのは某アニメ用のサイトの名前。
それと、僕が今最も欲しいもの。
アニメのヒロインのフィギュア。
その店しかない限定品を予約しておきたいのだ。
♪ー♫
イヤホンから流れるあの子の声。
それが堪らなく嬉しくて、幸せな気持ちにしてくれる。
いまから君を手に入れるための準備をするんだよって心の中で呟く。
漸く注目画面にたどり着き、それを見た。
─制服姿でモップをもっているあの子をを模したものを。
「はぅ、上目遣いなんてかわいいよーーーーーーーー!!」
真っ暗闇の空間で一人叫ぶ。
近所の人が怒鳴り込んでくることも最近はなくなっていた。
例えまた来ても居留守を使おう。
入ってこられても不法侵入なのはあっちだ。
僕は家賃だって税金だってちゃぁんと払っている。
なんの問題もない。
若い頃と比べて、寄り目になってしまった僕の目を覚ますことなんて誰にもできやしないのだから。