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第四話 校内攻防戦 前編

バリケードが破られ、勢いよくグールの群れが入り込んできた。

天音と愛恋は心臓や鳩尾などの人体における拳銃で撃たれたら致命傷は免れない部位を狙って迎撃する。

(うるさい、寝ぼけた奴なら目が覚める音だ、夢じゃないんだな)

発砲音とグール達の呻き声、それが結那に現実を突きつけるように入り込んできた。彼は天音から渡された拳銃を構えているが撃つことができないでいた。

怖いのだ、元々は人間だった相手を自分の手でしとめなければならない、その現実が重くのしかかってきたのだ。

(ゲームだったら躊躇わない、けど今そのゲーム世界のような現実に立っているのはゲームプレイヤーである俺だ、やられれば命は無い、ゲームじゃない)

「結那さん! 早く撃って下さいです。グールさんに近づかれているです!」

愛恋は固まっている結那にそう言いつつ弾切れした銃に一発ずつ弾を込めていた。彼女の使用している{S&W M28ハイウェイパトロールマン}はダブルアクション式の回転式拳銃で装填数は六発、弾薬の尽きが早いかわりに威力が高い、一発放つたびにグールが吹っ飛んでいる

「躊躇うな! 撃つことだけを考えろ! 死にたいか!」

天音も檄を飛ばしながら、マガジンを入れ替える。使用しているのは{IMI デザートイーグル}愛恋と違い自動式拳銃で装填数は九発、自動式のため再装填リロードに時間をかけない利点があるが、ハイウェイパトロールマンに比べると威力は落ちる。グールの足止めは可能だが、ふっとばすまでには至らない。

(ゲームじゃない、これは現実だ・・・・・・だったら)

「俺は、悪くないからな!!」

結那は引き金を引いた。その時だ

「ぐっ! うわぁぁぁぁぁ!!」

二人の拳銃の発砲音よりも凄まじい音が辺りに響き渡り結那の体が浮き上がり、後ろの窓ガラスに叩きつけられた。

「なんなんですか、この音は、耳が痛いです」

「くっ! まさかこれ程とは、だが今のでグール共は総崩れだ」

二人は耳を押さえながら前を見ると、廊下の壁に穴が開いていた。結那の放った弾丸の威力によるものだ。

「チャンスだ、愛恋! 前線に出る援護しろ。ただし弾薬は極力使うな、結那は私たちに続け!」

「は、はいです!」

「いつつ、了解」

三人は会議室を出た。しかしさっきの発砲音でさらにグールが押し寄せてきた。

「愛恋、貴様の銃で迎撃しろ、早く!」

愛恋は迫るグールに二発打ち込むとグール達は大きくバランスを崩し、そこに天音は蹴りを放ち更に前を崩した。それにより一階に通じる階段への道ができたがそこにもグールが数体いた。

「小賢しい」

そう言い放つと天音は階段から飛んだ。そこからグール一人の肩を踏み台に、更に飛び上がり状態を逆さにし、そこから踏み台にしたグールの肩を打ち抜き、そこから的確にグールの頭を射抜き、階段の半分のグールを殲滅した。そしてそこから空中一回転して着地した。

「すげぇ・・・・・・」

「かっこいいです」

二人は天音の銃撃に見入った。

「結那、愛恋来い!」

「お、おう!」

結那は天音に呼ばれ、階段を下りた、愛恋もそれに続いた。

「撃て」

「へっ?」

天音はそういうと結那の背中に組み付いた。

「な、なにして!」

「愛恋貴様も抱きつけ、早くしろ」

「わわ、わかったです」

天音の行動に動揺を隠せない結那に愛恋抱きつくように組み付いた。

(ななな、愛恋の胸デカ! グールのことで頭がいっぱいだったから気にしてなかったけど、これはないだろ!)

「早く撃て上のが来る、結那!」

「へあ? は、はいです!」

舞い上がり過ぎて狙いが定まらないなかで発砲した。すると再び轟音が鳴り響くが弾はグールに当たらなかったがしかし、階段残り半分のグールが放たれた銃弾によって発生させられた風圧によって吹っ飛ばされた。

「よし、いくぞ」

二人は結那から離れ階段を下りた。結那も階段から落ちそうになりながらついていった。




一階に下りてきて外に出ることができた。そこで三人はグールに気づかれないように身を隠しつつ、体育館に向かっていた。

「さっきのはなんだ、なんで抱きついた」

「貴様が飛ばされないように、体重をかけただけだ、その銃の反動は想像を超えていたのでな」

「気になったことがあるのですが、結那さんが持っている銃はなんなんですか? あんなの見たこと無いです」

「そうだ、なんだよこれ、撃った反動で体が吹っ飛ぶわりに腕にあんまし負担かからないし、壁は貫通するわ、被弾しても無いのに風圧だけでグールぶっ飛ばすわ、完全にファンタジーガンじゃないか」

二人は結那が使用している拳銃について持ち主である天音に問うた。

「いいだろう話そう、それは――――――」

結那の使っている銃は、{コルトM1877 ライトニング}と呼ばれているものらしい。シングルアクションのパーカッション式で装填数は六発のようだ。

「軍の機密兵器でな、放つ銃弾は稲妻の如き速さで駆け巡り、着弾した部位を消滅させるほどの威力があるらしい、いまひとつ信じられなかったが、あれを見せられては信じねばならない」

「機密兵器って、そんな大事なもの俺に渡していたのか」

「ただの銃だと思っていたから機密兵器は大げさだと思っていたんだよ、それより第二関門だいけるか?」

「いろいろこれについて聞きたいが、俺はいいぞ」

「あたしもです」

「よしならいくぞ!」

三人は体育館まで一気に駆け抜け、グールをうまくかわしつつ、内部へと入って行った。

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